No.53(3月14日)


シビル・アクション(98年米)

監・脚:スティーブン・ザイリアン
出:ジョン・トラボルタ/ロバート・デュパル/ジョン・リスゴー

対人損害事件専門の弁護士ジャンの信念。それは被害者への同情は禁物、金になる仕事しか引き受けない、というもの。そのおかげで彼の事務所は繁盛、ポルシェを乗り回し、スーツ姿もびしっと決まってる。そんなジャンの元へ革製品の工場の流す廃液が原因と思われる事件が舞い込む。こりゃ、金になるべーよ、ということで引き受けたのであったけどさあ大変。前途多難。果たして勝てるのか?

実話だそうである。物質主義者でありながらも心の中に小さい正義の炎が消えずに残っている弁護士を演じたトラボルタがうまいのね。ほんとにこんな人がいるんだな〜って実感できてしまう。彼に敵対する飄々としてのんびり風なオヤジでありながらなかなか切れ者である企業弁護士を演じたロバート・デュパルがアカデミー賞ノミネートも納得の演技で、さすがって感じ。その他にもうまい役者総出演で質の高い群像劇風でもある。そうそう忘れてはならないのがかわいそうで情けないオヤジを演じたらぴか一のウィリアム・H・メイシー。事務所の金庫番なんだけど最後には自分の貯金まではたいて頑張ってしまうのよ。その金策に奔走している彼を見ると情けなさすぎて思わず笑ってしまう。

アクションがあるわけでもないし、大盛り上がり大会でもないけど、法廷の場面なんかはドキドキ、ジャンの運命にもハラハラ、被害者達の心情にも涙したりと、とても奥行のある物語であった。




ゴッド and モンスター(98年米)

監:ビル・コンドン
出:イアン・マッケラン/ブレンダン・フレイザー/リン・レッドグレイブ

昨年のアカデミーショーに何部門かノミネートされた「ゴッド and モンスター」のビデオ発売を記念しての上映会で一夜限りいうのはもったいない。。結局日本では上映しないまま、いきなりのビデオ発売となってしまったのは配給元のGAGAの力の無さ故か?

「フランケンシュタイン」「フランケンシュタインの花嫁」の監督で有名なジェームズ・ホエールの謎の自殺を描いたもの。脳卒中で倒れて入院、無事退院できたのはいいのだが時々正体を無くしててしまうことに不安といらだちを覚えるジェームズ。自分を殺してくれる人間を求めていたときに庭師の青年に目を留める。もちろん直接そんなことを頼むのではなく、言葉と行動でからめ捕っていくの。ジェームズがホモっていうのも程よいかくし味になっている。

ジェームズ役のイアン・マッケランの演技には感嘆してしまったし青年役のブレンダン・フレイザーも朴訥でナイーブな青年を好演。反発しつつも段々術中にはまってしまうのよ。時々挿入されるフランケンシュタインの映像も効果的であった。

派手な映画ではないのでロードショーは無理でも、せめてレイトショー公開すればある程度人が入る内容だと思うのにもったいない。ということでビデオ屋の棚にはすでに並んでいるはず。




13ウォリアーズ(99年米)

監:ジョン・マクティアナン
出:アントニオ・バンデラス

北欧神話が信じられていたころのお話。とある国が人間を食らう魔物の群れに襲われ壊滅寸前。粗野で勇猛なバイキングの国から戦士13人が選ばれる。その中にはたまたまその国を訪れていた詩人のイブンも含まれていた。このイブンをアントニオ・バンデラスが演じている他は見たことの無い役者ばかり。けれどもバイキングの親玉は寡黙で強くて勇敢でかっこいい。若いころのスティングに似てるかも。

この国の美しさには感嘆。ほんとに北欧神話〜って雰囲気満点。夜には松明の灯だけで撮影されているし、霧のシーンも幻想的で美しい。

この魔物がものすごい数なんだ。国にはほとんど女、子供しか残っていない中、果たして彼らに勝算はあるのか。バンデラス目当ての人はちょっとつらいかも。なぜって戦いは凄惨を極めるのだけれど引きのシーン、暗いシーンが多くてバンデラスが全然目立たない。それに元は詩人だからそれほど強くないしね。

あの有名なマイケル・クライトンの原作なのだけれど、おそらくかなりはしょっているのであろう。イブンのバイキングの世界に対しての戸惑い、困惑そして共感への道程の方が観たかったな。そこんとこ、ちょっとさらっとしすぎであった。




グリーンマイル(99年米)

監・脚:フランク・ダボラン
出:トム・ハンクス/ディビット・モース/マイケル・クラーク・ダンカン

ナニナニ、宣伝コピーが早くも今年のベスト1だと〜。ウン、でもうなづいてしまおう。スピルバーグが4回泣いたって〜。ウン、それも納得してしまおう。だってすっごくすっごく良かったんだもん。

試写会のハガキというものは当たらないと思っているので出したことはない。けれど今回は友人が2枚も当たったということで1枚もらってしまったのだ。その当の友人はどうやら仕事が忙しくて来れなかったようであるが。

ポールはコールドマウンテン刑務所の看守主任。そこへ幼女二人を殺害したジョン・コーフィーという男が送られてくる。2mを超える身長、筋肉もモリモリなのだけれど、なぜか憎めないキャラクター。その彼の周りで不思議な出来事が起こり始める。ってここまでしか書けない。ぜったいに面白いから公開されたら、すぐに観に行くべし。まだ小説を読んでいない人は映画を観るまでは読まないほうがいいかも。そしてもちろん前情報をシャットアウトは絶対条件。すると私みたいに泣ける、はず。試写会場のあちこちから鼻をすする音がしていたよ。そしてラストで嗚咽がもれそうになったのは、恥ずかしながら私です。必死にこらえてしまったよ。

トム・ハンクス、マイケル・クラーク・ダンカン、その他みんな見事な演技を披露してくれるのだけれど、一番の名演はネズミのミスター・ジングルスかも。まさかネズミに泣かされるとは思ってもいなかった。彼をもう一回見たいので公開されたら絶対に観に行くのだ。3月下旬から公開されるようだ。




クッキー・フォーチュン(99年米)

監:ロバート・アルトマン
脚:アン・ラップ
出:グレン・クローズ/リブ・タイラー

冒頭タヨタヨと時間が過ぎていき、またまた眠くなりそうであったが(なにしろ前日3時間しか寝ていない)、クッキーおばさんが自殺をしてしまってからが、だんだんとずれ始めてクスクス笑いがいっぱいで楽しくなってきて目もパッチリ。

クッキーあばさんの自殺を発見したのが姪のカミール。この映画の中で唯一のいじわるな役なのだけれども、グレン・クローズが嬉々として演じていてさすが貫録充分。で、彼女が強盗殺人に見せかけたために街をあげての大騒ぎになってしまうのだ。状況証拠でクッキーと一番仲が良かったダットンが逮捕されちゃうのだけれども、誰も本気でそうは思ってないのが笑える。その理由が釣り仲間だからなんてのもアリだからね。このダットンがほんとにのんびりでいい人、そして彼の無実を訴えるリブ・タイラーがむちゃくちゃ可愛い。ボーイッシュなのもいいね。彼女のママがこれまた変人で大笑い。他にも保安官、保管官助手、酒場の人々、みんなちょっとずつ変でずれていて、でもこんなヤツいるいるって感じで映画の世界にはまってしまった。でも私ってば頭悪いかも。というのはラストのクッキー家の家系図の話しで、なにがどうなっているのか複雑で(?)分からなかったのよ。




カリスマ(99年日)

監・脚:黒沢清
出:役所広司/池内博之/風吹ジュン/大杉漣

ホラーが面白い黒沢清が監督ということもあって、けっこう期待していたのだけれどな。う〜ん、何を言いたいのかよく分からなかったよ。

クビになった落ちこぼれの刑事が森をさまよっているとカリスマと呼ばれる木を大切に守っている青年と出会う。しかしこの木が毒素を出していて森を枯らすために切るべきという人もいる。その対立がエスカレートして殺人が起きたりしてしまう中で刑事は樹木診断士としての使命に目覚めていく、というのがストーリー(ちょっと違うかも)。

黒沢清の作品ではお約束の撲殺シーンもあまり痛くなさそうだったし、「森」の持つ恐怖というのも迫ってこなかったな。

所詮、人間のやることなんてたいした意味ないのよっていう虚無感をテーマにしているのかしら。ハリウッド的な派手で分かりやすい映画が好きな私には難しすぎたかも...。

映画は好みではなかったけれど、風吹ジュンって年を取ってもきれいだな〜、洞口依子も美しい〜、ってことでちょっと満足。




=僕のお気に入りの映画(^0^)
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