No.54(4月3日)

氷の接吻(99年米)

監・脚:ステファン・エリオット
出:ユアン・マクレガー/アシュレイ・ジャッド

せっぷん。なんかいい響きだな〜。キッスよりもちょっと淫靡な感じがする。それに単にカタカナにしてみました、の題名よりも味わい深くて良いね。

英国諜報局の調査員EYEがある事件を調査しているときに、謎の女に出会う。この女がとてつもないワルで彼女の立ち去った後には死体がゴロゴロ。EYEは彼女の追跡を始めるが、だんだん捜査の道から外れてとんでもない行動を取るようになっていく。っていくら惚れてしまったからってそりゃ、やり過ぎよ、アンタ。捜査外どころかそれじゃあ完ぺきな犯罪やんけ〜、単なるストーカーやんけ〜、と声を大にして言いたい。

EYEをユアン・マクレガーが演じているんだけど、そのキャラクターが秀逸。超真面 目な仕事人間だけど常におどおどした目が忠犬を思わせるのね。だから彼の行動をなんとなく納得してしまう。 アシュレイ・ジャッドが謎の女で、なぜにそんな犯行に及ぶのかあまり説明はないにも関わらず、これまたなんとなく納得させられてしまう。 サスペンスと風変わりなラブストーリー、それにプラスしてロードムービーの趣もあったりして不思議な魅力を持った作品。


ノイズ(99年米)

監・脚:ランド・ラビッチ
出:ジョニー・デップ/チャーリーズ・セロン/ニック・カサベテス

飛行士スペンサーが衛星の修理のために宇宙空間で作業中、トラブルが起こって2分間全ての交信が途絶えた。これは想像も出来ないほど恐ろしいことに違いない。何の音も光もない無限の空間の中、浮いている自分を意識しつつも、生きているのか死んでいるのか判然としない。でも良かった〜。地球で待っている愛する妻の元へ無事に帰ってこられたのだから。そしてそんな恐怖を味わいながらも以前と同じ生活を続けていけたのだから。

一応SFなんだけど、派手なVFXなんてのはほとんどなく、地球に帰ってきてからのその夫婦の生活を淡々と描いているだけなの。これが仲が良すぎてうらやましいほど。スペンサーを演じているジョニー・デップってほんとに美しい〜、そして演技もうまい。ということで天は二物を与えてしまったんですよね。妻役がシャーリーズ・セロンでこれまた美しい。この美男美女のカップルががアツアツなんだから、それだけでOKって感じ。そして後半、サスペンス風になり、ラストはSFで締めくくられる。とは言ってもラストはちょっと拍子抜けであったけど。

映像が非常にきめ細かく、またスッコーンと抜けていてひじょうに美しくて感激したのは、コダックじゃなくてフジフィルムだったせいかしら。


スリーピー・ホロウ(99年米)

監:ティム・バートン
脚:アンドリュー・ケビン・ウォーカー
出:ジョニー・デップ/クリスティーナ・リッチ/クリストファー・ウォーケン

200年前の出来事。霧の深い村とそれに続く陰気な森がこの首なし騎士のお話の雰囲気にぴったり。 都会の警官が連続首切り殺人の捜査をするためにスリーピー・ホロウという村を訪れる。この警官イカボットは迷信なんて信じないから、村人が言う首なし騎士が人の首を盗んでいくなんてこと信じていない。ということはそこには黒幕がいて横溝正史的なおどろおどろしい世界が展開されるのかと思っていたら、これがびっくり、ちゃんと首なし騎士は存在してるんだ。ってところから本格的なお話の始まり、始まり。

このイカボット君、口では威勢のいいこと言っておきながら意気地無しの極値で笑ってしまう。村の子供を助手として雇うんだけど、怖いことがあるとその子供を楯にしてしまうという情けなさには大笑い。これをジョニー・デップがさりげなく演じていて、さすがって感じ。

最近“ちょっと変わった女性”役が多いクリスティーナ・リッチが普通の、でもちょっと芯が強い華麗な美少女を演じていてびっくり。

そしてもちろんホラーであるからしてお約束の首切りシーンが大迫力。そして生首の造形が素晴らしくドアップになると目を覆ってしまうほどの見事さ。首なし騎士も恐ろしい。今夜夢に出てきてうなされそうな予感。


ダブル・ジョパディー(99年米)

監:ブルース・ベレスフォード
脚:デビット・ワイスバーグ/ダグラス・S・クック
出:アシュレイ・ジャッド/トミー・リー・ジョーンズ/ブルース・グリーンウッド

なんと言ってもアシュレイ・ジャッドの熱演が素晴らしい。大富豪の妻、可愛い息子もいる幸せな母親から一転、刑務所での生活を強いられながらも復讐のために体を鍛え、仮出所してからは執拗に犯人を追いつめるという“強くなっていく女”を体を張って演じているんだもの。

幸せの絶頂のリビーはある日突然、夫殺しの罪で逮捕、投獄される。もちろん彼女は全くの潔白。それどころか服役中に愛する息子も突然消えてしまう。服役中に罠をしかけた犯人を知ったリビーは復讐を誓うのであった。

彼女の保護監察官がトミー・リー・ジョーンズなので、逃げたリビーを追いつめる様子はまるで「逃亡者」。この追跡劇がハラハラドキドキ。湖底に沈んで行く車からの 脱出なんて思わず息が苦しくなってしまったほど迫力満点であった。その追跡に加えてリビーと犯人の対決もあるから二重の興奮。

ダブル・ジョパディーとは同一犯罪で二度は有罪にならないというアメリカ憲法のこと、らしい。


マグノリア(99年米)

監・脚:ポール・トーマス・アンダーソン
出:ジェーソン・ロバーツ/ジュリアン・ムーア/トム・クルーズ/フィリップ・シーモア・ホフマン

偶然の出会い、不思議な運命によって翻弄される10数人のある日の出来事を描いたもの。って最初の10分ぐらいで主役級の人が入れ替わり立ち替わり山ほど出てくるので何が何やらさっぱり分からんぞ。それも関係がありそうでなさそうな、この先一体どんな展開になるのやら。果 たして3時間も座っていられるのかという気持ちになってしまった。

いくつもの物語が同時進行する中、皆が一斉に歌いだしたり、珍妙な天気になったりと、次に一体何が起こるのか全く予測不可能。クイズ番組での天才児、その司会者、そのクイズ番組での元天才児で今は単なるくたびれたオヤジ、真面 目な警察官等々。みんなだんだんドツボにはまって行く様子が可笑しい。でも愛を求めるが故の行動だというのが泣ける。

多彩な出演者の中で一番はやっぱり、トム・クルーズであろう。なんと「マラを崇めろ、マン●に突っ込め」と聴衆の前で叫ぶセックス教の教祖様。その迫力あるお言葉には思わず私も「そうだ!そのとおり」とガッツポーズで応えたくなってしまったよ。ブリーフ一丁で頑張ってるし、ほんっとにかっこいいのよ。死に瀕している彼の父親を温かく見守る看護人がいて、優しそうなんだけどどこか寂しげで恋人はどうやらいない模様。その彼のエピソードも見たかったな。と言ったら5時間ぐらいの映画になってしまって、それはやっぱりイヤかも。


救命士(99年米)

監:マーチン・スコセッシ
脚:ポール・シュレーダー
出:ニコラス・ケイジ/パトリシア・アークウェット/ジョン・グッドマン

予告編を見たかぎりでは「シックス・センス」風の物語と思っていたら全然違っていた。90年代前半、ニューヨークで救急車を走らせるフランクは救急救命士。その彼は働き過ぎで寝不足で、それでも人々を救おうと働いてアタマがいかれる寸前。というよりほとんどヤク中そのものの雰囲気が濃厚。そんな中、命を救えなかった人の幻覚に悩まされながらも悪戦苦闘している3日間を描いたもの。

映像がザラザラしていてドキュメンタリーフィルムのような感触で、まるでフランクの内面 を映しているかのよう。そしてニューヨークの街の苦しみ、救急病院の悲惨さがこれでもかっていうくらいに目に飛び込んでくる。フランクは命を救うはずの仕事なのに周りには死んで行く人ばかり。生まれたばかりの赤ん坊まで彼の腕の中で死んでしまう。ただフランクの苦悩、彼らの苦しみがこちらにまで伝わって来ないので悲惨な場面 なのに胸に迫ってくるものがなかったのはちょっと残念。

でもフランクを演じたニコラス・ケイジの目つき、容貌はほんとに狂気一歩手前という感じで凄まじく、その演技は必見かも。




=僕のお気に入りの映画(^0^)
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