No.57(6月5日)


喜劇王(99年香港)

監:リー・リクチー/チャウ・シンチー
脚・出:チャウ・シンチー
出:カレン・モク/セシリア・チャン/ン・マンタ

やっぱりチャウ・シンチー!大爆笑とアクションとラブ・ストーリーのてんこ盛り。シンチー扮するのは演技にこだわりを持ちすぎて逆に仕事が来ない役者のワン。単なるエキストラなのに過剰過ぎる役作りをして監督・スタッフからは嫌われてしまう日々。そこへ女子高校生パブのホステスのピュウピュウや、大女優のキュンが絡んでの大騒動となるのよ。

キュンを演じたのは「食神」でも共演したカレン・モクで、ワイヤーアクションや格闘技がムチャクチャかっこいいの。「フェイス・オフ」に負けず劣らずの教会でのガンファイトではその華麗なお姿にうっとり、となった次の瞬間は大爆笑。だって白い鳩が画面を舞っているんだもの。

ピュウピュウは新人のセシリアって人なんだけど、はすっぱなホステスからワンに恋する純情な乙女に変身する様は感動的ですらある。

その他名わき役のン・マンタ、特別出演のジャッキー・チェンがこれまた笑わせてくれるのよ。

ということでゲップが出るほどの満足度であったのに加えて、臭いが想像できそうなエンドロールでのNG集には完全にノックアウトされてしまったのよ。ゲロゲロ〜。




ファントム(98年米)

監:ジョー・チャペル
脚:ディーン・R・クーンツ
出:ベン・アフレック/ジョアンナ・ゴーイング

B級を通り越してC級かと覚悟して観に行ったら、これが面白くて大満足であった。大興奮の原作は既に読んでしまってストーリーは分かっていたにもかかわらず、だ。

数時間(?)街を留守にしてもどってきた姉妹。だけどなんか変。そう街の住人400人が忽然と姿を消してしまったのだ。残るのは数体の無残な死体だけ。隣町から来た保安官とともに脱出を図るのだが...。

無人と化した街をさ迷う前半は特に秀逸。正体不明の物音に死体。思わず鳥肌が立ってしまったよ。こんな状況になったらわたしだったら発狂してしまうこと確実。この死体の造形がよく出来ているのにも感心したしね。

保安官を演じているのが今を時めくベン・アフレック。制作が98年ということで人気が出る直前に撮られたものであろう。彼が出ていなかったらおそらく日本では公開されなかったのではなかろうか。

犯人が宇宙から来たエイリアンではなくて実際に存在しそうなものだから余計に怖い。SFが好きな人にはお勧めよ。




インサイダー(99年米)
監・脚:マイケル・マン
出:アル・パチーノ/ラッセル・クロウ/クリストファー・プラマー
2時間38分、重厚で抑制の利いた男達のドラマが展開される。正義を貫くために、これほどの犠牲を強いられてしまうとは怒りさえ感じてしまう。真実の物語なので実名がバンバン出てくる。フィリップモーリス、B&W、CBS。それも全てマイナスイメージだもの。映像もドキュメンタリータッチで臨場感タップリで登場人物達の心情までも映し出されているような緊張感が漂う。

たばこ会社のB&W社を解雇された博士を演じているのはラッセル・クロウ。予告編で流れていた「グラディエーター」の派手な戦士とは打って変わって抑えた演技。でも胸に秘めた激しい感情、正義の炎は戦士以上に熱いかも。でもアル・パチーノは誰を演じてもアル・パチーノになってしまうところが凄いよね。それで納得させられてしまうもの。

博士はたばこ会社の不正をTVで、裁判で訴えようとすると様々な脅迫に会い、遂には家庭までも崩壊してしまうのよ。それでも信念を貫き通そうとする。娘に真実の自分を見て欲しいがために。ここ、涙ね。

圧力によって映像を放送することが出来なくなってたばこ会社の内部告発から放送局のそれに転じてしまうところも面白い。

でも博士のたばこ会社に対する内部告発は怖いよ。ニコチンの量を増やさなくても○○を添加すると(忘れてしまった...)速やかにニコチン中毒になってしまう、ということをやっていたと暴露しているのだもの。




アメリカン・ビューティー(99年米)

監:サム・メンデス
脚:アラン・ポール
出:ケビン・スペイシー/アネット・ベニング/ソーラ・バーチ/ウェス・ベントリー

さすがアカデミー賞を何部門も獲得しただけあっておもろいねん。主人公は冴えない中年男のレスター。仕事にも情熱を持てず、家族にも無関心。毎朝のシャワールームでのオナニーが唯一の楽しみという情けなさ。不動産ディーラーの妻と、高校生の娘と暮らしているのね。この家族と隣の家族、娘の友達を巻き込んでの物語で、派手なことは何も起きないけれど、ワクワク、ドキドキ、クスクス、ニヤニヤがいっぱい。

主人公のレスターに負けず劣らず、出てくる人がみんな“ちょっと変”なのよ。隣の家の退役軍人のオヤジは家族に厳しく接しすぎ、その息子はビデオカメラでレスターの娘を盗撮している変態野郎。「成功」の夢が崩れそうになって泣き崩れるレスターの妻。特に女性の描き方が辛辣なのは脚本家がゲイだからかしら。みんながみんなかなりカリカチュアされていながら、こんなやついるかもと思わせる演出はさすが。もちろん俳優陣が素晴らしいからだけど。

レスターが娘の友達に恋してしまって突然シェイプアップに励む姿は滑稽だけど、自分にも当てはまりそうで笑ってばかりはいられない。思わず「頑張れ」とエールを送ってしまった。

みんなそれぞれ自分の居場所を見つけるためにもがいていて、登場人物全てにに共感してしまう。コメディなのに悲劇がいっぱい、人生を考えさせられてしまうというのもすごいよね。




ロミオ・マスト・ダイ(00年米)

監:アンジェイ・バートコウィアク
脚:エリック・バーント他

出:ジェット・リー/アリーヤ/アイザイア・ワシントン
オープニングの夜の街を車が疾走する映像がかっこいいねん。そこにヒップホップのビートに合わせて漢字と英語で出演者の名前が出てきて、いやがうえにも本編にも期待が盛り上がるのよ。

ハリウッドで始めての主演のリー・リンチェイを盛り上げよう、人気者にしようということもあってか見せ場はたっぷり。最初はなぜか刑務所で服役中の彼。これはアクションを見せるためだけに考えられた設定のような感じ。と、いうのもこの設定が後々なんにも生きてこないのよ。でも米国のアクションスターには真似の出来ない超人技は凄すぎ。ワイヤーアクションもびしっと決まっている。

かっこいいだけではなくフットボールのシーンや女性を殴れない彼がどうやって女殺人者と戦うか、なんてジャッキーも真っ青のギャグてんこ盛りだし、淡い恋心も描かれていてサービス満点。

とはいえ脚本がちょっと弱いのがつらい。これが香港映画だと勢いが違うから許しちゃうけど、テンポが悪いのかな〜、観終った後にスカッと来ないんだよね。




ガラパゴス

記録映画というものは家のテレビでワイワイガヤガヤ、あーでもないこーでもない、ほ〜なるほどね、と言いながら見るのが正解だ。アイマックスシアターで「ガラパゴス」というのを観てきてそう思ったわけ。というのは3D映画だし、イグアナを間近で観られて初めは感激していたのだけれども、あの暗い劇場でストーリーのない映像を注視しているのはだんだんとつらくなってくるのだ。特に昨夜は4時間しか寝てないところに、魚が回遊するする、魚がまわる〜って場面でアタマもグルグルまわる〜、となってしまった。で、立体映画で頭と眼球を酷使しているところに必死に眠るのをこらえていたら、頭のシンから痛くなってきてしまって最後は悲惨な気分。

ということで本日の教訓は「睡眠はタップリとろう!」。お肌にも悪いしね。

「ゴジラ2000ミレニアム」をどうやら米国で公開するらしい。う〜む、それだけはやめて欲しい気がする。あれに比べたらエメリッヒのイグアナゴジラの方が数千倍も傑作に思えてしまうよ。もし公開するなら新たな場面を撮り直したり、CGで描き加えたりして徹底的に編集し直すべき。もちろんストーリーも大幅に変更したほうが良い。




ボーン・コレクター
監:フィリップ・ノイス
脚:ジェレミー・アイアコン
出:デンゼル・ワシントン/アンジェリーナ・ジョリー/マイケル・ルーカー
連続殺人物なんだけれども、最近この手のもので「素晴らしい!」っていうのがないような気がするな。深まる謎と緊迫した展開に欠けるのよね。

設定は変わっていておもしろい。ニューヨーク市警の刑事ライムは天才的な鑑識能力を持っていたが事故で寝たきりになってしまった。そこへ連続殺人事件が起こり、彼が捜査の指揮を取ることになる。で、最初の死体を発見した若い女性の警官アメリアを自分の手足として使うっていうんだもの。

お約束とも言えるゲロゲロの衝撃シーンは迫力満点。でも謎解きに説得力がないんだわ。アメリアがあまり警官に見えないのもちょっとつらいかも。それに彼女が警官になった深い理由がありそうなんだけどそれが中途半端に語られていて、え〜、ちゃんと最後まで教えてよって思っちゃった。

でも、さすがデンゼル・ワシントン。自ら安楽死さえ考えていた境遇から復活への道を歩み始める男を演じて説得力充分で見ごたえあり。 日本では3本連続で主演作が封切られるしね。




ザ・ビーチ(00年米)

監:ダニー・ボイル
脚:ジョン・ホッジ
出:レオナルド・ディカプリオ/ロバート・カーライル/ティルダ・スウィントン

裸になったらひ弱なイメージかと思っていたら、けっこうたくましくて思わずドキッとなってしまったわよ。というのはレオ様のことね。これだけでファンは失神騒ぎを起こしてもおかしくはないかも、というくらい上半身裸で大活躍。それに大スターとなっただけあってオーラがビンビン放たれているような気がして迫力充分...、なんだけどお話がイマイチなのよ〜。

タイの安ホテルでレオ様扮するリチャードが伝説のビーチへの地図を入手するところから物語は始まる。隣に泊まっていたカップルのフランソワーズとエチエンヌを仲間に引き連れてそのビーチへ旅立つんだけれども、「伝説で人知れず」という割りにはいとも簡単に着いてしまってちょっと拍子抜け。それにこのビーチが楽園に見えないのよね。江ノ島の海岸よりはきれいだったけどさ。ここはCGをバリバリに使って今まで誰も見たことのないような美しい映像を見せて欲しかったな〜。

一緒に旅をしたフランソワーズをめぐる恋の三角関係があっさりした描写だったのは意外。もっとドロドロした人間関係が描かれれば面白かったのに。

ということでレオ様のファンなら楽しめること確実だけれど、それ以外の人にはちょっとつらいかも。




=僕のお気に入りの映画(^0^)
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