No.58(6月26日)


オール・アバウト・マイ・マザー(99年スペイン)

監・脚:ペドロ・アルモドバル
出:セシリア・ロス/マリサ・パレデス

なんかすごいっす。女とは、母親とは...、ん〜、なんと言うか、そう、たくましいのよね。中年男なんて足下にも及ばない、申し訳ございませんでした〜って感じ。

38才の母親、17才の息子。彼の誕生日に一緒に「欲望という名の電車」の舞台を観に行くのだけれど、そこで突然の悲劇が起きてしまう。そして母親のマヌエラは苦悩し、過去を探す旅に出ることになる。そこでの色々な人との再会と新たな出会いが、彼女を救い、また同時にその人たちにも救いとなるってお話。

この出会う人たちがみんなすっごく個性的。妊娠、エイズ感染となりながらも決してあきらめないロサ。あちこちにシリコンを詰め込んで女性として生きているアグラード。レズビアンの女優。みんな人生の傷がいっぱい。でもみんな素晴らしいのよ。輝いているのよ。それにスペイン産だから知っている俳優がほとんどいないっていうのも映画に没頭できた要因の一つ。彼女達の年輪を感じさせる演技は絶品。

いつもハリウッドのドンパチものばかり観ているけれど、こういう落ち着いたものもいいよね。




エリン・ブロコビッチ(00年米)

監:スティーブン・ソダーバーグ
脚:スザンナ・グラント
出:ジュリア・ロバーツ/アルバート・フィニー/アーロン・エッカート

まず最初にジュリア・ロバーツの衣装と巨大な胸に圧倒される。パッツンパッツンのタイトスカート、豹柄のブラウス、胸の谷間と太もももバッチリの出血大サービスだもの。思わずストーリーを追わずにそこだけに目がくぎ付けになり、視線をひっぺがすたびにバリバリと音を立てたほど。

そんな娼婦のようなお姿にも関わらず、バツ2で3人の子持ち、貯金残高数十ドル、学歴もなし、おまけに失業中。もっと悪いことには交通事故でむち打ち症になってしまうのね。その圧倒的に有利なはずの裁判でなんと負けてしまって、人生最悪。自殺してもおかしくないほど。

しかし、彼女にあるのはガッツ。その時の裁判の弁護士の事務所に無理やり、潜り込んでしまうのよ。やっとバイトにありついた彼女が六価クロムの裁判に関わりを持つようになり、という後半はサクセスストーリー一直線。人生、一旦波に乗ってしまえばこっちのもんよ。やることなすことすべてOKだもんね。そして驚くことにこれは実話なの。もしこれがフィクションだったら成功一直線の物語なんて誰もありがたがらないかも。

この手のものだと後半は法廷のシーンになりそうだけど、あくまでも彼女とその周囲の人々に限定した話しで終始していたのが良かった。ジュリアの引き立て役ではあったけれど弁護士のエドのアルバート・フィニーが、弁護士とは思えないほどの人の良いおっさんて感じで素敵だったのもポイント高し。

男に頼らず仕事でサクセス、そのエネルギッシュに動き回る姿は痛快で、こちらも勇気づけられるほど。ちょっと落ち込んでいる人が観たら、また明日からの活力がわいてくること確実。




ミッション・トゥ・マーズ(00年米)

監:ブライアン・デ・パルマ
脚:ジム・トーマス/ジョン・トーマス
出:ゲイリー・シニーズ/ティム・ロビンス

「虚栄のかがり火」だって「レイジング・ケイン」だって人がどんなにけなそうがさすがデ・パルマ、傑作と思っていたのにな〜。これはどうしたことだ、デ・パルマ〜。こ、これは見事に失敗作やんけ。と、言い切ってしまおう。

2020年、火星で発見された顔の形をした巨大な建築物を巡る謎、のお話で、楽しいエピソードや亡き妻への悲しい思い出、宇宙空間での危機がいっぱいあるんだけど、どれも笑えないのよ、泣けないのよ、手に汗握らないのよ。

人間を襲う砂の山や立体映像のVFXは凄いけれど、メインとなる宇宙ステーションが三十数年前の「2001年宇宙の旅」の映像マジックを超えているようには思えないのはつらい。

一番楽しかったのはゲイリー・シニーズの顔、ってのもつらいよな〜。

ということで今年前半のワースト1、かも。




プロポーズ(99年米)

監:ゲイリー・シニョール
脚:スティーブ・コーエン
出:クリス・オドネル/レニー・ゼルウィガー

わたしの一番大好きな映画俳優は何と言っても故バスター・キートンなの。チャップリンやロイドと同じサイレント時代の人で、キートンは徹底的にスラップスティックな笑いで、初めて観たときには笑いすぎて心臓が引きつけを起こすかと思われるくらいであった。ウェットな笑いが多いチャップリンはわたしはあまり好きではないのだ。

キートンは徹底的なポーカーフェイスでものすごいアクションをともなうシュールなギャグを繰り出していた。そういえば昔、ジャッキー・チェンって「笑うバスター・キートン」と呼ばれていたよね。ハリケーンで壊れ行く街中でのギャグや(その中で崩れてくる壁を使ってのシーンはあまりにも危険なためカメラマンがびびって逃げてしまい自分でカメラを操作して撮影したんだって)、燃える陸橋から落ちる機関車を使ってのギャグなどスケールも大きくてびっくり。そのような大わざも楽しいけれど、一番笑えるのが彼の走り方。最初は普通に走っているのだけれど、いったん危機になったらサイボーグ009のように奥歯にスイッチがあるのではないかと思えるくらいに突然時速100kmくらいになってしまうのよ。例えば「セブン・チャンス」での1000人の花嫁から逃げる時なんかはね。

と前フリが長くなってしまったけれど、その「セブン・チャンス」のリメイクがクリス・オドネル主演の「プロポーズ」。はてさてあの傑作がどのようなっているのかという興味で観に行ったしだい。で、結婚と遺産相続を巡るライト・コメディーで楽しい映画であった。でもいくら平日の昼間とは言え観客がたったの4人というのはちょっと寂しすぎ。バットマンで人気が出たとはいえ、彼主演で客が呼べるとは行かなかったようだ。

ということで只今猛烈にキートンの映画が観たいモードに突入してしまったのだ。




ミラクル★ペティント(98年スペイン)

監・脚:ハビエル・フェセル
脚:ギジェルモ・フェセル
出:ルイス・シヘス/シルヴィア・カサノヴァ

はまったら最後、楽しくて笑えて、のサイコーの映画、なのかも。でもわたしはすべってしまったのよね〜。ほとんど笑えなかった。

あきれるくらいに徹底的におバカでハチャメチャな映画。宇宙人は出てくるし、タイムマシンも出てくるし、けっこう精緻なCGもあったりするし、細かいところにまで気合いが入っているしで、作っている人たちは楽しかったのであろうなってのがビンビン伝わって来るんだけれどもね。

子宝に恵まれて、幸せな家庭を築くことを夢見ているペティントは幼なじみのオリビアと結婚。毎晩子作りに励むんだけれど、あんた、そんな行為じゃあ子供は生まれないよ〜って叫びたくなる。そうして子供が出来ずに50年が経ってしまった二人に神は素敵な贈り物を与えたのであった。

ということで全く予想のつかない凄い展開があなたの脳味噌を直撃することになるのか!?




マン・オン・ザ・ムーン(99年米)

監:ミロシェ・フォアマン
脚:スコット・アレグザンダー/ラリー・カラズウスキー
出:ジム・キャリー/ダニー・デヴィート/コートニー・ラブ

70年代に米国で一世を風靡しながらも35歳で死んでしまったコメディアンのアンディ・カウフマンを描いた映画。とは言ってもわたしはそんな人は全く知らないのだよ。でもこの映画を観終わった後は実際の彼のステージを体験できなかったことが悔しく思えてくる。

彼の笑いというのはかなり破天荒で不愉快に感じる人も多数あり、というもの。人気者になってしまうとその地位に安住して安易に流れがちだけど、彼は自分が築き上げたことを破壊してまで新しいことを求めるの。ってそれが半端じゃないのよ。やりすぎて観客全員からブーイングの嵐なんてザラ。でもそれでもめげないのは自分に自信があるからだろうな。

そんな彼のパフォーマンスがいっぱい観られ、ハラハラしながらも大爆笑、していくうちに彼のことが好きになり、その精神までも見事に描き出されている。

アンディを演じているジム・キャリーがすっごくいいの。もうオープニングから大爆笑でつかみは完全。アンディを知っている人が見たら彼が乗り移ったと思えるんではないかしら。ラストも見事。エルヴィスみたいに「本当は生きているかも」説があるんだろうね。




=僕のお気に入りの映画(^0^)
next page 2000 contents