No.63(10月9日)


オーガズモ(97年米)

監・脚・出:トレイ・パーカー
出:ディーアン・バッハー/ロビン・ライン

3年前の東京ファンタスティック映画祭で大好評を博したのになぜか今まで公開されずに、もう一回観た〜い、とモンモンとした日々を送っていたわたしであったが、やっとのことで公開されたのでさっそく再見。単館レイトショーという不利な条件を見事にぶっ飛ばすパワー、パロディ、ギャグの嵐で笑いすぎて疲れてしまったほど。全人類に観てほしい映画だ。そのあまりのオバカさに笑い転げていれば世の中に戦争なんて無くなってしまうのではないかしら。

青年ジョー・ヤングは清く正しいモルモン教徒。そんな彼がふとした気の迷いからなんとポルノビデオのスーパーヒーロー、オーガズモを演じてしまい、おまけに大ヒットしてしまうのだよ。相棒のチン坊と共に大活躍だ〜。んでもって彼らは現実世界でも活躍しちゃうの。最大の武器はオルガズム光線で、それを浴びると大変なことが起きて......って笑いすぎてあたしゃ死ぬかと思ったよ。

まあ、ほんとに徹底してオバカ、お下品、でもそれが全然イヤミじゃないのね。ちゃんとしたストーリーがあるから観終って、感動している自分に気がつくくらい。最近公開された「ラスト・スクリーム・プロジェクト(?)」とは志が違うよねって感じ。

ぜひぜひ観てほしいだす。んでもこの映画を観て笑えない人とはお友達になりたくないかも...。




キッド(00年米)

監:ジョン・タートルトープ
脚:オードリー・ウェルズ
出:ブルース・ウィリス/スペンサー・プレスリン/エミリー・モーティマー

40才の男が8才の頃の自分と出会う、と聞いてしっとり落ち着いた、またはSF的な、または魂を揺さぶられるような映画と勝手に思っていたのだけれどぜ〜んぶ外れ。なんとライトコメディーなのであったのね。想像とは違っていたけれどクスクス笑いがいっぱいあって楽しかったから満足。ブルース・ウィリスも楽しげに演じている雰囲気が伝わってきて良かったよ。

自分は8才の頃って何を思っていたのかしら。この主人公と同じでほとんど何も覚えていないな。学校の先生、仲の良かった友達、全て記憶の外。でも多分大人になったら何になりたいか、なんて私の8才の頭では考えもつかなかったのではないかしら。

けどラストのオチがな〜。そうきちゃいましたか〜、もうひとひねりが欲しかったって感じで、ちょっとだけ肩透かしを食らった気分。




マルコヴィッチの穴(99年米)

監・出:スパイク・ジョーンズ
脚:チャーリー・カウフマン
出:ジョン・キューザック/キャメロン・ディアス/ジョン・マルコヴィッチ

奇妙きてれつな物語。なんと15分だけ俳優のジョン・マルコヴィッチの頭の中へ入ることのできる穴を巡るお話なんだもの。朝日新聞の夕刊の映画欄ではかなりのネタバラシをしていたけど、この映画はなんの前知識も入れないで観るべし。なので面白さは保証するので以下の文も読まないほうがいいかも、よ。

主人公のクレイグは売れない人形使い。この人形のまるで生きているかのような動きと表情には、びっくり以上の驚愕と表現したほうがぴったり。30cmくらいの妖精が中に入っているんじゃないかってぐらいに絶妙に動くんだよ。この人形を観るだけでも映画代のモトはとれたって感じ。そして彼の奥さんはあの美しいキャメロン・ディアス。なんだけれどもそのあまりのお姿には唖然。近所のおばさんよりすごいかも。クレイグは人形に、妻はペットにご執心で、人間嫌いで夫婦仲も冷えきってしまった二人が騒動に巻き込まれどう変わっていくかも見どころのひとつ。

人形使いでは食べていけずに会社へ就職するのだけれど、まあ、その会社の奇妙、珍妙なこと、大爆笑。んでそこで例の穴を見つける。というふうに次々と不思議な出来事が起こって頭の中がグルングルンの面白さ。

観終った後でチラシを読んだらブラッド・ピット、ウィノナ・ライダーも出ていたんだって。え〜、全然気がつかなかったよ〜。




ひかりのまち(99年英)
監:マイケル・ウィンターボトム
脚:ローレンス・コリアト
出:シャーリー・ヘンダースン/ジナ・マッキー/モリー・パーカー
人間は結局みんな孤独なのよね。一人で生きて一人で死んで、途中いろんな人とすれ違うこともあるけど。そして、また愛を求めずにはいられないのも事実。

そのテーマに沿って一つの家族をドキュメンタリータッチで描いている映画。奔放な生活を送るシングルマザーの長女、伝言ダイヤルで愛を探す次女、出産間近の三女、彼女らの両親、その他モロモロの群像劇で、みんなそれぞれ小さな不安、不満、孤独を抱えているの。なので派手な事件が起こるわけではないのだけれど、ロンドンの街のザラザラした映像と相まって、孤独感がひしひしと伝わってきて切ない。

そして全員が主人公でいながらちゃんと一人ひとりのキャラクターがしっかりしているから真実味があるのよ。

観ていて段々切なくなってくるんだけれども、ラストがちょっとした、ほんとに小さな希望の光って感じでほっとする。




Xメン(00年米)
監:ブライアン・シンガー
出:ヒュー・ジャックマン/パトリック・スチュアート/ファムケ・ジャンセン
ダークだし絵の雰囲気は全部同じだし、っていうことでアメコミって苦手なのね。なので超有名らしいXメンについての予備知識はゼロ。というわたしにもすんなりとその世界に入れておまけにすっごく楽しめた。お金もかかっていてVFXも満載なのだけれどなんとなくB級SFっぽいテイストが好き。

近未来、超能力を持つミュータント達は社会から忌み嫌われている。しかしミュータントと人類の共存を夢見るプロフェッサーXによって組織されたXメンは人類の敵と戦っている。そこで今回の敵は...、となって多分シリーズ化されそう。って次作がなかったら「あの謎」が分からなくてあたしゃ怒っちゃうよ。

ミュータント達がみんなかっこいいのよ。真っ白な髪を振り乱して嵐を自由に呼ぶことができるストームの迫力の前にはただひれ伏すのみ。ピカード艦長ことパトリック・スチュアート扮するプロフェッサーXは相変わらずはげ頭がすてき。けど一番のお気に入りはウルヴァリン。超合金の長いツメと驚異的な治癒力を持つミュータントで、初お目見えのヒュー・ジャックスの一匹狼的な男臭さと危険な魅力にはあこがれてしまうわ。悪の親玉にはイアン・マッケランが扮していてそのキャスティングは意外だったけど、イマイチ迫力不足な気がしたのがちょっと残念。




リトル・チュン(99年香)

監・脚:フルーツ・チャン
出:ユイ・ユエミン/マク・ワイファン/ゲーリー・ライ

あだ名はリトル・チュン、9才、男。世間は香港返還で騒がしい。けど僕の最大の関心事はお金もうけとファンという女の子のこと。

子供の頃の思い出はいつまでも心の残るもの、てな感じで彼のおばあちゃん、食堂を経営している両親、やくざのボスなど、彼と彼を取り巻く人々の猥雑でたくましい生活ぶりがイキイキと描かれていて楽しい。...んだけれどもわたしはやっぱり起承転結のちゃんとしたストーリーのある映画が好きだ。

一つ一つのエピソードはどれも楽しいけど、淡々としていて眠くなってきちゃうのよね。

けど眠り込まないですんだのはファンのおかげかも。不法移民の9才の少女で、その境遇にもめげない笑顔の可愛いこと。おじさんが遊園地に連れていってあげようか、って言いたくなっちゃうくらい。

と思っていたらこの監督も同じだったとみえ、境遇・役名をそのままにして彼女が主役の映画を撮ったらしい。ちょっと楽しみ。




オータム・イン・ニューヨーク(00年米)

監:ジョアン・チェン
脚:アリソン・バーネット
出:リチャード・ギア/ウィノナ・ライダー/エレイン・ストレッチ

主演の二人のファンなら、キャー、すてきぃ〜、と大満足間違いなし。なのかしら。そうでないわたしにはこのラブ・ストーリー、ちょっとつらかったわぁ。

超人気の高級レストランのオーナーで48才の独身プレイボーイと若くて美しい女性との恋模様、しかも彼女は不治の病。とくれば、もう、あなた、先はミエミエよね。と思っていたら本当にその通りに事は運ぶのでびっくり。

ファンではないけれどウィノナ・ライダーの美しさには惚れ惚れしてしまう。健康そうなばら色の頬の可憐さを十分たんのうした。ってあんたそれじゃ全然病気に見えないじゃないのよ〜。

ストーリーとは別だけど、ニューヨークの秋が丁寧にきれいに撮られていて、こちらは文句無くすてき。




素肌の涙(98年英)
監:ティム・ロス
脚:アレキサンダー・スチュアート
出:ララ・ベルモント/レイ・ウィンストン/フレディ・カンリフ/ティルダ・スウィントン
ロンドンからデヴォンという田舎に引っ越してきたばかりの家族、15才のトムと18才のジェシーと、なんと妹が産まれてしまうというアンタも好きね〜状態の両親の四人+1人。このデヴォンという所、なんにもないのよ〜。周りに民家もなくて雨ばかり降っていて、気がふさがることこの上なし。わたしだったら1週間も住んでいたら頭がおかしくなっちゃうよ。

でもそんなところでもこの家族は仲良く暮らしている、と思ったら大間違い。ある日トムは父とジェシーの恐るべき秘密を見てしまうのよ。大好きだった姉が...、ということで大ショック。

この重いテーマを淡々と撮ることによって少女の心の痛みと孤独と絶望が胸に突き刺さってくるの。普段はとっても家族思いの良き父親なのに、人間って哀しいね。

んで特筆すべきはトムとジェシーで、二人とも新人とは思えないほどの素晴らしさ。トム役のフレディは、家族の秘密を知ってからのどうしようもないいらだちを訴える目がとても印象的。そして物語の要となるジェシー役のララ・ベルモントの稟とした美しさは驚嘆もの。抑えていた感情が一気にふきだして、父親と対決するジェシーの深い哀しみの表情は強烈すぎてしばらくは忘れられないであろう。




60セカンズ(00年米)

監:ドミニク・セナ
脚:スコット・ローゼンバーグ
出:ニコラス・ケイジ/アンジェリーナ・ジョリー/ジョバンニ・リビージ

実を言うとあまり期待してなかったのね。ところがこれが実に面白いやんけ〜。大満足であったのだ。ニコラス・ケイジもかっこいいし。

メンフィスは今は足を洗っているが伝説と言われるほどの車泥棒のエキスパートだった。堅気の生活を送っていたのに弟のドジのために再び車を盗む羽目に陥る。それもなんと高級車ばかりを一晩で50台。いくらなんでもそりゃあんた無理でんがな〜。と文句を言っても始まらないのさ。

で、そのために昔の仲間を集めるんだけど、メンフィスを始めとしてみんな車オタクなのが笑える。彼らを追う刑事もそうなんだもの。なんかみんな可愛いって感じ。だから犯罪映画なんだけれどもなんとなくユーモアが漂うのがいいね。それにちょっとの兄弟愛がまぶしてあるのもわたしの好み。

あまりにも手際が良いので、一台あたり60秒で次々と車を盗んでいくというサスペンス感は薄いけどラストにとびっきり極上で手に汗握るカーアクションが炸裂。思わず身体が画面と一緒に傾いてしまったよ。

アンジェリーナ・ジョリーって今までなんとなく影が薄かったけど、今作で惚れちゃった。あのぽってりした唇にノックアウトだ。




=僕のお気に入りの映画(^0^)
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