No.66(12月11日)


バーティカル・リミット(00年米)

監:マーティン・キャンベル
脚:ロバート・キング/テリー・ヘイズ
出:クリス・オドネル/ビル・パクストン/ロビン・タニー/イザベラ・スコルプコ

雪山アクションなので当然、あのおバカというか荒唐無稽というかスタローンの「クリフハンガー」を思い出したのよ。で、これは真面目を装ったおバカ映画、かな。

細かいことは気にせずに観てると手に汗握るし、どうやって撮影したんかいな、と目はくぎ付け。あんな危険なアクションをほんとにやらせるはずがない。ということはCG合成なのであろうけれど、その迫真の出来には驚くばかり。物語よりもそちらの方に興味がいってしまうのはしかたがないか。

K2を舞台に遭難救出劇に兄弟愛、親子の愛、友情、復讐をこれでもかってぐらいに詰め込んで、おまけに笑っちゃうほどの過剰な危機また危機の連続。よう、ここまで詰め込んだわね〜、と感心した次第。しかしニトログリセリンを背負って山登りってのはやりすぎじゃない?

新宿ミラノ座で観たのだけれども音が大きすぎるよ〜。重低音で空気が振動したほど。ヘヴィメタのライブではないのだから、もうちょっと抑えてよね。




ピッチブラック

監・脚:デビット・トゥーヒー
脚:ケン&ジム・ウィート
出:ヴィン・ディーゼル/ラダ・ミッチェル

こんなに面白くてドキドキするアクション・ホラー・SFが2週間で打ち切りだなんてあまりにももったいないぞ。でも有名スターが1人も出ていないからしょうがないのかしら。

旅客宇宙船が事故を起こし、不時着した惑星は太陽が3つも輝く昼だけの世界。この冒頭の事故が迫力満点だし、まぶしすぎる惑星のイメージも鮮烈、ということで最初からワクワク。数人の生存者がこの惑星からの脱出を図るという物語で、人種も職業もバラバラ、おまけに凶悪な殺人犯がまざっているからもう、大変。さらに最悪なのは得体のしれないエイリアンがいる気配が...。そしてさらに、さらにもっとまずいことが起こってしまうのよ〜。ってあんたこれからどうなるの〜。もうどうにでもして〜、キィ〜って感じ。

息もつかせぬサスペンスの連続、バトルの末に意外な人物が英雄になっていく物語も素敵。今までのSF映画のおいしいいところを取ってうまく料理してあるところも気に入ってしまった。




タイタス(99年米)

監・脚:ジェリー・ティモア
出:アンソニー・ホプキンス/ジェシカ・ラング/ジョナサン・リース・マイヤーズ

シェイクスピアの残酷な復讐劇で主演がアンソニー・ホプキンス。ということしか知らないで観たから、びっくり。劇場を間違えたかとあせってしまった。なにせオープニングでは現代の少年がおもちゃで戦争ごっこをやっているのだもの。しばらくしてやっとこの映画は歌舞伎のような様式美の世界なのねと納得した次第。

ローマの武将タイタスがゴート族の女王タモラを捕まえその長男を切り刻んでしまうのよ。で、そこから始まる復讐と裏切りと殺戮の物語。アンソニー・ホプキンスとジェシカ・ラングの悪の競演はお見事。ヘビのようなヌメヌメとしたしつこさと陰湿さはトリハダもの。その他の人も皆、徹底的な悪人で、その中の一人が「わたしが一度でも善行をしたら心の底から悔いるであろう」って言うのね。迫力のある名せりふって感じで思わず合いの手を入れたくなってしまったよ。

ローマの物語と現代的な部分との合体による奇妙な世界観は慣れると快感。そして観終った直後はそうでもなかったけど、一日経って思い返すと傑作、と思えてしまう不思議な魅力のある映画であった。




悪いことしましョ!(00年米)

監・脚:ハロルド・ライミス
出:ブレンダン・フレイザー/エリザベス・ハーレー

7つの願い事をかなえてくれるとしたらわたしなら何を願うかしら。この映画の主人公と同じように富と女、になってしまいそうな気がするな。でも権力っていうのにはほとんど興味はないけどね。

気が弱く、職場でも影が薄く、女性に声もかけられない情けない男ブレンダン君が主人公。なにしろ4年間も片思いの同じ職場の女性にすらアンタ誰?って言われる始末。そんな彼が悪魔に目をつけられ魂と交換にという、あのおなじみの契約をしてしまうのよ。で、麻薬王、小説家、大統領等々に変身するのだけれど、どれも肝心のところでうまくいかないのが、やっぱり根っからの負け犬の気性は抜けないのねということで笑える。

この悪魔っていうのが超セクシーな美女で、お色気満点でブレンダン君にせまるのよ。男だったら誰でも思わず契約書にサインしてしまいそう。

ということで、面白くなりそうだったんだけどな〜。ブレンダン・フレイザーが七変化で頑張っている割りには笑いがなんかイマイチはじけないのよ。もっと徹底的なオバカ映画を期待していたわたしが悪いのか?

そう、わたしの願い事を思いついたよ。「全人類が戦争や飢えなどなく平和で楽しく暮らせますように」(ちょっとかっこつけすぎちゃったね...)




チャーリーズ・エンジェル(00年米)

監:McG
出:キャメロン・ディアス/ドリュー・バリモア/ルーシー・リュー

ちょっとぽっちゃり気味のドリュー・バリモアにアクションなんかできるのか!って思っていたけど、胸元もあらわなドキドキの服できめていてなかなかにかっこよかった。すっぽんぽんなお姿も披露してくれるしで、サービス満点。切れ長の目と黒髪が美しい東洋系の美女ルーシー・リューにもホレボレ。そしてキャメロン・ディアスの足の長いこと! 確実にわたしの2倍はあるな。頭のてっぺんまで蹴り上げるポーズはサイコーにいかす。それなのにダサダサのパンティー姿でおしりを振り振り踊るんだよ。爆笑するっきゃない。

この3人の過去の姿をちょこっと紹介する映像があって、笑ったのがバリモアの高校生時代。bitchな様子があまりにもぴったりなんだもの。

逆にコメディアンのビル・マーレイが真面目な役。とは言っても、そこはかとなく微妙なおかしさが醸し出された演技はさすがって感じ。

そう、この映画ってバリバリのアクション映画かと思っていたらコメディー、だったのね。(もちろんかっこいいアクションもたっぷり観せてくれるけど)ストーリーはちょっとナンダカナ〜って気がするけど、そこはお色気とアクションと笑いでカバーで、スカッと爽やか。なんにも考えずに頭をからっぽにして観られる映画って好きだわ。デートにはぴったりだね。




ブラッドシンプル ザ・スリラー(99年米)

監・脚:ジョエル・コーエン
脚:イーサン・コーエン
出:ジョン・ゲッツ/フランシス・マクドーマンド/ダン・ヘダヤ

久しぶりに観たけど、やっぱりこりゃおもろいわ! 1984年にコーエン兄弟が作ったサスペンス映画で、それを新たに編集して再上映したもの。余計な場面をつぎ足してロングバージョンとしなかったところも良いね。

アメリカ南部の田舎町を舞台に妻とその愛人、夫と探偵の4人の不協和音が殺人に発展。そしていくつかの勘違いから事件はとんでもない方向へ暴走し始める。少ないセリフ、緻密な構成、緊張感漂う演出、アクの強い登場人物等々、低予算映画だけれども面白いアイデアがいっぱい詰まってるの。

特にぎょろ目の夫と超おでぶな探偵のやりとりはどっちもタヌキオヤジ同士で最高におかしい。




カル(99年韓国)

監:チャン・ユニョン
出:ハン・ソッキュ/シム・ナウ/ヨム・ジョンア

わけ分かんないけどおもしろ〜い!って叫びたくなる映画だ。連続バラバラ猟奇殺人が起こってその被害者全てがある女性とつながっている。その事件を追う刑事と犯人の攻防。というストーリーは一応あるものの、生真面目にそれを追うような映画ではない。ヒントはヒントになってないし、ストーリーもかなり破綻気味。

なんだけど異様な緊張感が漂っているし、じめじめいつもうっとうしい雨が降っている雰囲気もこの物語にピッタリ。そしてなによりその女性と刑事のいきそうでいかない微妙な関係にそそられる。

なので結果、観終った後、おもしろ〜い!となるわけ。

この映画は絶対に友達を誘って観に行くべし。というのはあっちこっちに「謎」が提示されているんだけれども、観る人によってそれぞれ解釈が違うので、かんかんがくがくの議論で盛り上がること確実だからね。

ただし、血のりの量が半端ではないのでそれが苦手な人にはかなりショッキングかも。




グリーン・デスティニー(00年米・中国)

監:アン・リー
脚:ジェームズ・シェイマス他
出:チャン・ツィイー/チョウ・ユンファ/ミシェル・ヨー

すばらしい〜!! 傑作!! ほんまにおもろいで〜。さすがワイヤーアクションの本場、香港だね。アクション監督は同じでも「マトリックス」なんて子供だましに思えてしまうほど、自由に空を飛び、壁を走り、水面を軽やかに走る。竹林での決闘は美しささえ漂い、芸術と言っても過言ではない。予算がいっぱいあったと見えていつもの香港特有のチープさが全然ないのもいいね。

そして剣さばきの圧倒的な迫力には唖然。特に女同士の決戦シーンは息をするのを忘れて、危うく窒息しかけたほどの緊迫感。

もちろんアクションだけではなくて、物語も素晴らしい。グリーン・デスティニーという名剣を軸に、男女4人の愛が描かれるのね。若い情熱的な二人としっとりとした大人の二人。ま〜、この4人がそれぞれ素敵なんだわ〜。もう全員に惚れてしまったわ。

華麗で気品さえ漂うチャン・ツィイーがあんなにアクションができるなんてびっくり。剣さばき、ワイヤーアクション、ミシェル・ヨーに一歩も引けを取らないのよ。そしてチョウ・ユンファも今回は目一杯カンフーアクションしているのもうれしい。やっぱり彼ってかっこいいわ〜。




ペパーミント・キャンディー(99年日本・韓国)

監・脚:イ・チャンドン
出:ソル・ギョング/ムン・ソリ/キム・ヨジン

同窓会に遅れてやってきた中年男。何があったかは分からないけど、もうムチャクチャ荒れてていやなヤツ。楽しかった集まりはしらけさせちゃうし、線路の上でわめき散らして電車の前に飛び出しちゃうしで、観ているこっちまで、イライラ。こいつが主人公だなんて、これから2時間どうなることやら。と思っていたらその3日前、5年前と段々過去にさかのぼって、この男の人生を描き出していくの。

先に結果が提示され、その経緯が後で分かっていく。この男に共感できるわけではないけれど、その謎解きがスリリングで画面に引き込まれてしまう。若いころには人生にも恋にも夢があったのに、一つ狂っていくと、とことん落ちていってしまうのが怖い。全体的にはどつぼに暗い話しなんだけれど、所々に挿入されているホッとするエピソードに心が和む。

希望に燃えてる20代から、破滅寸前の40代までを主演のギョングが見事に演じきっているのも見どころ。鼻水たらして泣き叫んじゃうし、こちらまでビビッてしまうような怒りの形相もすさまじい。ん〜、素晴らしい韓国産の映画。




=僕のお気に入りの映画(^0^)
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