No.67(12月31日)


初恋のきた道(00年中国・米)

監:チャン・イーモウ
脚:パオ・シー
出:チャン・ツィイー/チョン・ハオ/スン・ホンレイ

今どきの日本ではこんな恋愛は小学生でもやらないのではないかしら、って思えるほど純でいじらしいのね。その二人が美男美女でとびっきりの笑顔が素敵で、前半なんてまるでアイドル映画のような趣すら漂っている。

でもその二人を包む世界が40年前の中国の超辺ぴな田舎、ということが効果的。暖かな春の木漏れ日、厳しい冬の寒さ、ほんとは見たこともないのになぜかホッとした懐かしい気持ちになって素直に映画に入っていける。

都会から来た若い教師に恋する18才の少女ディ。その想いを伝えるために彼女は料理を一所懸命作ったり、待ち伏せしたり。もうこれがいじらしいのよ。演じているのがあの美少女のチャン・ツィイーだから尚更(アップがやけに多いのは監督が入れ込みすぎたのかも?)。そんな彼女をあたたかく見守る盲目の祖母の気持ちにも涙が出ちゃう。

そしてこの映画、単なる初恋の物語で終っていないのが良いね。最初と最後に出てくる彼女の現代の物語がこれまた泣かせてくれるのよ。男女の恋、親の気持ち、子供の心遣い、全てが優しくて正に大人のためのファンタジー。英語の題名の「The Road Home」が実に心に染みる。




13デイズ(00年米)

監:ロジャー・ドナルドソン
脚:デイヴィット・セルフ
出:ケヴィン・コスナー/ブルース・グリーンウッド/スティーブン・カルプ

ロバート・ケネディ、ジョン・F・ケネディ、そして補佐官ケネス・オドネルらが1962年の「キューバ危機」をいかにして乗りきったのかということを描いた映画。

サスペンスを盛り上げるために多少の誇張はあるのだろうけれど、マジで危機一髪。このとき運命の歯車がちょっとでも狂っていれば核による全面戦争突入で、今の自分は存在していなかったかも知れないと思うと怖い。

最悪の事態には至らなかったという事実があるのに、そして派手なアクションシーンがあるわけではないのに緊張感みなぎる展開は素晴らしい。ケネス・オドネルを演じているケビン・コスナー以外はあまりなじみのない俳優ばかりなのもストーリーそのものに集中できた要因の一つ。逆に言えばちょっと地味、ということで損をしているかもね。

ということでとっても面白くてお勧めなのだけれども、なぜか時々画面が白黒になるのよ。映写機が壊れてしまったのか思ってしまったほど唐突で、なにを意図しているのかわからない。だれかその謎を教えて〜。




グリンチ(00年米)

監:ロン・ハワード
脚:ジェフリー・プライス/ピーター・S・シーマン
出:ジム・キャリー/テイラー・モムセン/クリスティン・バランスキー

物語の舞台が雪の結晶の中の街フービルで、まあその街の美しいこと、住人達の楽しそうなこと。やっぱりファンタジーはこうでなくっちゃね。でフービルは今、最高に盛り上がっているの。なんてったってもうすぐクリスマスなんだもの。

でもその楽しそうな様子をいまいましそうに丘の上から見ているのが街の嫌われ者、グリンチ。そしてグリンチが街に降りてきてクリスマスを大混乱に陥れるのだ。

で、このグリンチを演じているのがジム・キャリーで、かぶりもの、全身緑色の毛で覆われていてもやっぱり、彼なんだよね。かぶりものがよく出来ているってこともあるんだろうけど、その細やかな表情の素晴らしいこと。やっぱり彼は天才、なのだ。

彼のペットの犬、マックスがこれまた傑作で、イヤな主人にもけなげにつかえ、時には出し抜く様がとっても可愛い。で、子役の女の子もむちゃくちゃ愛くるしくて、カワイイのよ。

最初はあまり笑えないドタバタギャグでちょっとはずしたかな、って感じだったけど、物語が二転三転、どんどん転がってどんどん面白くなって、最後はウルウルしてしまったのだ。

シンプルなストーリーとファンタジックな映像と主役2人+1匹の素晴らしい演技で、大人も子供も楽しめる、まさにクリスマスにぴったりの作品。




ダイナソー(00年米)

監:ラルフ・ゾンダック/エリック・レイトン
脚:ジョン・ハリソン/ロバート・ネルソン・ジェイコブス
声:D・B・スウィーニー/アルフル・ウッダード

ビジュアルが凄すぎ〜! まるでそこに存在するかのような恐竜達と背景との見事な合成には目をみはるばかり。猿の毛並みが風にそよそよとなびいている様子はリアルそのもの。

冒頭、恐竜の卵があっちへ行ったりこっちへ行ったりのスピーディーな展開となめらかなカメラワークに目がくぎ付け。また地球にいん石が落ちてくる大スペクタクルは恐ろしいほどの迫力、と見どころ満載。

……なのであるけれど、あの超リアルな恐竜達がしゃべる……のですよ。最後まで違和感を感じたなぁ。またトイ・ストーリーのように大人の感性にも訴える、というのが薄く、正にお子様向けの展開であまりにも定番って気がする。それにさすがディズニー印のファンタジーで、強引にハッピーエンドに持っていってしまうのにはちょっとびっくりこいただよ。

デジタルシネマ上映の日劇プラザで観賞したのだが、細部までくっきりはっきりなのね。でもなんかずっとパソコンの画面を凝視しているようで目がとても疲れてしまった。やはりあのフィルムのやわらかさの方が好き。とは言ってもこの先この上映方式が主流になっていくのであろう。




超速伝説 ミッドナイト・チェイサー

監:?
脚:?
出:イーキン・チェン/セシリア・チョン

イーキン・チェンとセシリア・チョンのファンは大満足の映画。わたくしはファンというほどではないけど、セシリアの可愛さ、可憐さにはクラっときてしまったよ。

イーキンはバイク、クルマで「走りや」としてブイブイ言わせているのね。でも金持ちの道楽息子でちょっとイヤなやつなのよ。そこにライバルが現れ、戦いに敗れ、おまけに警察に追われる身になり、死んだと思っていた父親も現れ、とまさに波乱万丈の日々で自分を見つめなおしていく。

まあ、香港映画によくみられる話しの枝をひろげすぎて、そのまんまっていうのがちょっと目立っちゃったかな。お〜い、その伏線はどこへ行ってしまったのよ〜、って叫びたくなる感じ。




ホワット・ライズ・ビニース(00年米)

監:ロバート・ゼメキス
脚:クラーク・グレッグ
出:ハリソン・フォード/ミシェル・ファイファー/ダイアナ・スカーウィッド

ひよえ〜、マジで怖いっすヨ。特に前半は怖すぎて涙が出てくるほど。最近のホラーはCGでなんでもできちゃうこともあって、とにかくビジュアルで怖がらせようとバンバン見せてくれるけど、そうすると逆に冷めちゃうってことがある。けどこの作品は慎み深いというか、控えめというか、霊はほとんど姿を見せないのよ。その代わり、ささやくような声が聞こえたり、勝手にドアが開いたり、緊張感漂う音楽も一役買ってちょっとしたことが異様に怖いの。

そしてその怖さを倍増しているのがM・ファイファーの恐怖におののく姿。彼女と一緒にどんどん画面に引き込まれていくので怖さが倍増。いや、3倍くらいかも。

でも後半になるにしたがって失速していくのがちょっと残念。前半と違って後半はH・フォードの出番が多くなってくるんだけど、なんかイマイチ説得力に欠けるのよね。今までの彼の演じてきたキャラクターが邪魔しているからかしら。っていうよりあんまり細やかな演技、って感じでは元々ないもんね。

そして誰か教えて〜、この題名の意味を。って言うよりこんな邦題にした映画会社の宣伝部って怠慢。




アンジェラの灰(99年米・アイルランド)

監・脚:アラン・パーカー
出:エミリー・ワトソン/ロバート・カーライル/ジョー・ブリーン

貧乏人の子沢山って悲惨だ。生まれてきても温かい食べ物はないし、ミルクなんてものはもちろんありゃしない。すると当然、次々と死んじゃうんだよ。

1930年代のアイルランドでのお話し。飲んだくれで仕事も続かない父親、涙にくれるばかりの母親、そしてフランク少年と幼い弟達の貧しい生活。というのを通り越して超がつくくらいの極貧なのよ。けどこんなにどうしようもない父親でも子供たちには優しく、慕われているのよ。それなのにちょっとお金が入るとミルクもないってのに全部飲んじゃうの。もうサイテー。

と書くと暗くて重いだけの映画かと思われるかも知れないけど、フランク少年がけっこうしたたかであったり、貧しい中にもユーモアがあったりして、たくましく生きていく様子に救われる。

どうしようもないダメ親父なんだけど子供には好かれる父親のロバート・カーライル、母親のエミリー・ワトソン、そして純真な子供たちがほんっとに素晴らしくて、3時間を超えるというのにあっという間で、え〜、もう終っちゃうのって感じ。

でも、でもね、観終って何が言いたかったのかな〜って疑問。フランク・マコートの自伝なんだけど、単なる貧乏自慢なのでは?って思っちゃうのはここまで悲惨な生活をわたしが想像できないからかしら。




=僕のお気に入りの映画(^0^)
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