No.75(6月25日)


ギフト(00年アメリカ)

監:サム・ライミ
脚:ビリー・ボブ・ソーントン/トム・エバーソン
出:ケイト・ブランシェット/キアヌ・リーブス/ヒラリー・スワンク

「シンプル・プラン」もケヴィン・コスナーのもの(題名忘れた)も面白かったけど、サム・ライミはやっぱりこうでなくっちゃね。とはいっても「死霊のはらわた」のような直接的なスプラッターではなくて、日常にふと紛れ込む恐怖とミステリーで怖さ倍増。

占い、超能力で生計を立てている子持ちの未亡人アニーが婚約者失踪事件に巻き込まれてしまうという物語で、観客を静かに怖がらせながら展開するというのは普通の映画を撮ったことが肥やしとなっているのかしら。

アニーが息子の教師ウェインの婚約者に初めて会ったときに不吉な予感に捕らわれるのだけれど、その時に机から鉛筆が転がり落ちるというショットだけで怖くなってしまうのよ。小出しでグイグイ引っ張っていくのね。直接見せなくても怖がらせてやるぜ〜という監督の声が聞こえてきそう。

ケイト・ブランシェットの三十女のお色気がまぶしい、アニーを慕うバディを演じるジョバンニの怪演、そしてひげ面の暴力夫に扮したキアヌ・リーブスの熱演ははお見事。

ラストのオチも王道かもしれないけど、ホロリとするほど楽しい。




LIES/嘘(99年韓国)

監・脚:チャン・ソヌ
出:イ・サンヒョン/キム・テヨン

なんとSEXのシーンが80%ぐらいを占めるんではないかね。主演の高校生Yと中年の陶芸家Jの倒錯の性の物語で他の登場人物なんてほとんどいないも同然で、ねっとり、みっちり二人だけの世界で絡みつくのよ。

中年男と女子高校生が出会った瞬間からSEXまみれ。それもSとMの世界。相手を打つ道具探しが滑稽で笑える。いくらなんでも鋤でぶったら死んじゃうでしょ。でもさすが陶芸家、期待に胸震わせながら自分でいろんなもの作っちゃうからね。

確かにスキャンダルな内容ではあるけれど、生つばごっくんというような淫靡な撮り方ではなく乾いているし、わたしは痛いのもアナルも嫌い。そしてストーリーを追いかけるっていうほどではないし。ということでイマイチな感じであったよ。大昔の日活ロマンポルノの方が面白いものがいっぱいあったのではないかしら。




ザ・ダイバー(00年アメリカ)

監:ジョージ・ティルマンJr.
脚:スコット・マーシャル・スミス
出:ロバート・デ・ニーロ/キューバ・グッティングJr./シャーリーズ・セロン

逆境に出会ったときに死に物狂いで立ち向かえる人って尊敬してしまう。わたしだったら逆境以前のちょっとした障害でもヘナヘナに崩れてしまうのは火を見るよりも明らか。

1950年代のアメリカ海軍での実話に基づいた映画。その頃は激しい人種差別の壁があったのね。その様々な障害や苦境を乗り越えてアフリカ系アメリカ人として初めて「マスター・ダイバー」の称号を手にしたカール・ブラシアの物語。教官がデ・ニーロなんだけど人種差別主義でホンッとにいやなやつなのよ。奥さんが娘に間違えられるくらいに若くて絶世の美女なのがこれまた憎らしかったりして。

カールの頑張りは実話だって知らなければ嘘臭く思えてしまうほど。差別だけではなくて片脚を失ってもそれを克服しようとする努力。どんな事態になってもギブアップをしない姿勢には感動させられてしまう。

海中でのシーンも見ごたえあり。なにせ信じられないくらいに重装備でもぐらなけりゃいけないのよ。そんなところでなにか起きると画面に同調して自分まで息を止めて苦しくなってしまったよ。




ハリー見知らぬ友人(00年フランス)

監・脚:ドミニク・モル
脚:ジル・マルション
出:セルジ・ロペス/ローラン・リュカ/マティルド・セニエ

いらぬおせっかいというのはついついやりがちだけど、主人公ハリーの親切には絶句。そんなハリーを見ていると面白くて怖くて、そしてラストでは自分の内面を暴れるようで不安になってしまう。

生活に疲れた妻子持ちのミシェルの前に現れた自称高校の同級生のハリー。この出逢いの時のハリーの邪気のなさそうな満面の笑顔が逆に不気味で大迫力。思わず逃げ出したくなる。

そしてミシェルの願望を実現させるべく恐ろしいまでの親切を展開するのよ。ハリーはいったい何者?天使?悪魔?狂人?いやいやひょっとしてミシェルの妄想、願望が生み出した架空の存在かも。

ハリーを演じたセルジ・ロペスのむっちりボディが目に焼き付いて離れない。ヌードまで披露してくれちゃうからね。その存在感、すごい。




ドリフト(00年香港)

監:ツイ・ハーク
脚:コアン・ホイ
出:ニコラス・ツェー/ウー・バイ/アンソニー・ウォン

さすがツイ・ハーク。アクションバリバリ、ワイヤーワークびゅんびゅん。かつて香港のスピルバーグと言われていたのにハリウッド進出大失敗で果たしてどうなることやら、と思っていたのに香港で大復活。グリーンデスティニーのワイヤーワークは流麗だったけど、これは男臭さ炸裂でかっこいいのよ。特に九龍城を舞台にしたワイヤーアクションはド迫力。何回でも観たいわ〜。

主人公は一応ニコラスなんだけど、彼にまつわるお話はあまり面白くない、つうかどうでもいい感じ。ただそこらへんをウロチョロしているだけだからね。真の主人公はウー・バイなのだ。元傭兵の役で壮絶なアクション大炸裂でしびれちゃう。

こんな傑作がたったの2週間興行だなんて、もったいないな〜。




アメリカン・サイコ(00年アメリカ)

監:メアリー・ハロン
脚:グィネヴィア・ターナー
出:クリスチャン・ベール/ウィレム・デフォー/クロエ・セヴィニー

これってコメディーなのかしらって思えるほど笑える。主人公はバカで自分勝手で仕事もしてないのに超リッチな生活。毎日トレーニングとパックで顔のお手入れもかかさないのよ。おまけに美人な婚約者、魅力的な愛人まで。こんなヤツいたら殴りたくなるね。うらやましすぎて。

爆笑なのが名刺を競い合っちゃうシーン。書体がうんたらこうたら、紙質がああだこうだで、買った負けたと大騒ぎ。でもこの気持ちちょっとわかるかも。

そんな物質的には何もかも満たされている主人公が精神的には空疎で、その飢餓感から連続殺人に手を染めていくのが怖い。消費社会に翻弄され、他人とのコミュニケーションをうまく持てないのね。これって今の日本そのものの姿のような気がする。最近、殺伐とした事件が多いもんな。




メトロポリス(01年日本)

監:りんたろう
脚:大友克洋

セルアニメとデジタル映像の融合の素晴らしいこと。遠景は大友克洋ワールドそのものでうっとりしてしまうし、おなじみの手塚キャラの登場もうれしい。

のだけれども、お話しがちっとも躍動しないのよ。主人公の人造人間ティマが敵と味方の間を右往左往するだけで、彼女のいる必然性っていうのがあまりないのね。単なる最終兵器の争奪戦なんだもの。

繁栄する地上都市と貧困にあえぐ地下都市の対立も物語の背景であって主人公達に積極的に関係してこないのが物足りない。ティマが自我に目覚めて苦悩するシーンがあったら感情移入も出来たであろうに。




JSA(00年韓国)

監:パク・チャヌク
脚:キム・ヒョンソク/チョン・ソンサン/イ・ムヨン
出:ソン・ガンホ/イ・ビョンホン/イ・ヨンエ/キム・テウ

南北分断の象徴である38度線上の共同警備区域で起こった発砲事件を元にした大アクション映画、かと思っていたら政治サスペンス&熱い友情ドラマで、とっても静かで心に染み入るものであった。

なのだが、オープニングでは見事にこけるのが残念。この部分での主人公の女性は華がないというか、演技が下手というか...。まるで沢口靖子のよう?ということで最初の30分ぐらいはちょっと退屈。

南北の兵士達の許されざる友情の物語で、そのきっかけとなった出会いの場面が素晴らしい。緊張感とユーモアの絶妙なるブレンド。それは全編にもいえることで重たいだけよりも南北の悲喜劇がより強調されて、というよりこんなのいつか笑い話になるんだよって訴えているんではないかしら。

兵士達の間のちょっとホモ的な香りが面白い。ある出来事をきっかけにそれまでの兵士達の友情ムードが一気に一触即発の状況に。この緊張感、おしっこちびりそう。

エンディングに映る写真ががすっごく印象的。涙なしでは語れない。




ハムナプトラ2(01年アメリカ)

監・脚:スティーブン・ソマーズ
出:ブレンダン・フレイザー/レイチェル・ワイズ/ジョン・ハナ/ザ・ロック

観終っての第一印象。CGってなんでもできるのね〜。ミイラは壁を猛スピードで走るし、騎馬隊はCG軍団と大決戦するし、さそりと人間が合体しちゃうしで、もうVFXは大忙し。でもラストの主人公のバトルはCGとではなくて生の戦いで迫力を出して欲しかったな〜。なにごともやり過ぎはよくないのよ。プロレスラーのザ・ロックが超かっこよかっただけに残念。

ストーリーはかなり大ざっぱだけど、そんなことを思っている暇を与えてくれない早いテンポと素晴らしいヴィジュアルで楽しさいっぱい。漫画のような実写映画だね。唯一の不満点はフレイザーのおバカさが減ったことかしら。

インディアナ・ジョーンズみたいに一話完結かと思っていたけど、これって完全な続編だったのね。そうと知っていれば前作を復習していったのに。




=僕のお気に入りの映画(^0^)
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