No.76(7月16日)


テイラー・オブ・パナマ(01年アメリカ)

監:ジョン・ブアマン
脚:ジョン・ル・カレ
出:ピアース・ブロスナン/ジェフリー・ラッシュ/ジェイミー・リー・カーティス

二人の主人公がサイコーに傑作。まずピアース・ブロスナン。なんと落ちこぼれのMI-6の諜報員。ボンドばりのプレイボーイを実践したのはいいけど、相手がまずかった。局長の奥さんだったのね。そんなこんなでパナマへ左遷させられた彼。そこでもう一旗揚げようと諜報活動に精を出す。

情報屋として彼に見込まれたのがジェフリー・ラッシュ。仕立屋の彼は政府要人とも親交があり、うってつけと思われたが、相手が喜ぶなら嘘も平気、という困った癖があったのだ。

そんな二人が組んだから、タイヘン。嘘の情報でついに政府までマジで動き出してしまったのだ。
ブロスナンの酒と女で身を持ち崩したスパイってのがグッド。性格も悪いし。ラッシュは正にハマリ役で、あがく中年男の姿には涙を誘われる。

ラストでそれまでのコメディーっぽい雰囲気が消えて急にマジメになってしまうのがちょっと残念。




ディボーシング・ジャック(98年イギリス)

監:デヴィット・キャフリー
脚:コリン・ベイトマン
出:デヴィット・シューリス/レイチェル・グリフィス/ジェイソン・アイザックス

自ら認める二流の記者、ほとんどアルコール中毒、ケンカはすぐするし、女房がいるのに若い女性とすぐに浮気。そんな困ったヤツが浮気の真っ最中に相手の女性が死んじゃうの。それも殺人。IRA、ギャング、警察、アブナイ政治家を巻き込んで大トラブルに発展。これが抗争が絶えない北アイルランドのベルファストで展開される。

でもこんなシリアスな状況でもアナーキーな笑いが満載で、テンポも良くてラストまで一気に突っ走るのが爽快。D・シューリスがヨレヨレの破滅的な主人公を過激に演じて最高におかしく、目が離せない。拳銃をぶっ放す尼さんもかっこいい!彼の奥さんもちょっとプッツンしていて笑える。その他ちょっとキレテル人物いっぱいなのがうれしい。

「ディボーシング・ジャック」の意味がわかる意外や意外の結末が傑作。そして観終った後、娯楽作ではあるけれどもこの国の悲劇的な歴史に思いを巡らせることになる。

こんなに面白い映画が単館レイトショーなんてもったいないな〜。わたしが観た回なんて客が6人ほどだもの。




沈黙のテロリスト(01年アメリカ)

監:アルバート・ピュン
出:スティーブン・セガール/デニス・ホッパー/トム・サイズモア

なぜかなんとなく観てしまうセガール師匠の映画。しかし「沈黙」はもうやめなさい。日本の配給会社よ。

彼が扮するのはサンフランシスコの爆発処理班のボス。爆破テロリストのスワンを相手にするのだけれども、看板のカンフーが全然爆発しないじゃん。鷹揚に構えている場合じゃないでしょ。もっとアクションせんかいってイスを蹴りたくなってしまったよ。

ストーリーもイマイチ緊張感がないのがつらい。でも爆発しないとわかっていてもカウントがゼロに近づくにつれて心臓がドキドキしちゃうのはなぜ?




ウェディング・プランナー(01年アメリカ)

監:アダム・シャンクマン
脚:パメラ・フォーク/マイケル・エリス
出:ジェニファー・ロペス/マシュー・マコナヘイ

エキセントリックな役ばかりだったジェニファー・ロペスがなんとフツーのラブコメに挑戦。ということで果たしてどうなることやら、と思っていたけど、ウン楽しかったよ。

でもいくら過去の男にトラウマがあるとはいえ、ジェニファーが男日照りのキャリアウーマンっていうのはちょっと無理があるかも。街を歩くだけで男どもが大挙して後ろをついていくよな〜。

彼女の役は完全な結婚式を演出するウェディングプランナーで、神経の細やかさ、気立てが良くて優しくて、と完ぺきなうえに会社での自分の権利をしっかり要求する強さがあるの。こんな女性がいたらすぐにでも求婚しちゃいたいよ。マジで。だって一人の部屋に帰ると質素な部屋と食事と静かな夜。ん〜、隣にいてあげたい!!って思っちゃうもん。

そんな彼女が久々に胸をときめかせた男性は、なんとクライアントの婚約者だったからさあ大変。ラブコメだから結末はわかっているけれどもジェニファーのキャラクターが素晴らしく、また恋のお相手のマコナヘイもすっとぼけた感じがナイスだし、最後までハラハラさせる演出であっという間の104分。




A.I.(01年アメリカ)

監・脚:スティーブン・スピルバーグ
出:ハーレイ・ジョエル・オスメント/ジュード・ロウ/フランシス・オコナー

すでに観た友人の間では冗長だし、どこかで観たイメージばかりでつまんな〜いとの声が多いのだが、わたしは大好き!何度でも観たい。キューブリックが考えていたものをスピルバーグが映像化したということで、分裂症的なところはあるけれどもね。

外見は人間と全く区別がつかない少年型ロボットの第1号機デイビット。ある夫婦の子供として暮らし始め、愛を知っただけではなく、嫉妬も感じてしまうために彼らの元を追い出され波乱万丈な旅に出ることになってしまう。デイビットの相棒のテディという熊のスーパートイが可愛くて、これ欲し〜い。アイボなんか目じゃないよ。デイビットの危機も救ってしまうんだよ。旅の途中で出会ったジゴロのジョー。「愛のロボット」で彼にかかれば女性は昇天間違いなし。ジュード・ロウが演じているんだけど、素敵なのよ。ちょっとしぐさにもダンス的な要素があって華麗そのもの。デイビットと出会って単なるセックスロボットではない自分を発見するの。

デイビットの愛が2000年の時を彷徨い、意外なラストになだれ込むのよ。単純にデイビット良かったねっていうのもあるのだけれど、そこにあるメッセージは人類って哀しいのね〜っていうこと。2000年後の母親のなんと哀しくはかない存在であることか。だって限りある生の中で不完全な生き方、愛し方しか出来ない存在だっていうことが語られてしまうから。未来では人類には出る幕はなく、いつまでも生き続ける完ぺきな人工生命体が世界を支配していくという、人類にとっては暗く絶望的な結末を思い知らされる物語なのよね。ダークファンタジーの傑作だわよ。




彼女を見ればわかること(99年アメリカ)

監・脚:ロドリゴ・ガルシア
出:グレン・クローズ/ホリー・ハンター/キャメロン・ディアス

う、う〜む、面白いのかつまらないのか良くわからないっていうのが正直な感想。

女性の心のもろさ、強さ、危うさを描いた5つの物語からなるもので出演者が豪華なのにびっくり。それぞれ主演をはれる人たちばかりなのだもの。それもあまりお化粧はせずにすっぴんに近い顔で出てくるから、そばかすが多いのね〜、とか年取っちゃったわね〜なんて思っちゃうのよ。

ぼけた母親の面倒を見ながら恋人の連絡を待つ中年の女医がグレン・クローズで、彼女の自信が崩れていく様は身につまされる。隣に越してきた小人の男性に興味を魅かれるシングルマザーをキャシー・ベイカーが演じていてユーモラスな感じが好き。

登場人物が別の章にちらっと顔を出すのも面白い。世間って狭いのよね〜。

けど短編ゆえの物足りなさを感じてしまったわ。




デンジャラス・ビューティー(00年アメリカ)

監:ドナルド・ピートリー
出:サンドラ・ブロック/マイケル・ケイン/ベンジャミン・ブラッド

楽しい〜、笑える〜、サンドラ・ブロックにぴったりの映画。

彼女が演じるのは仕事熱心でタフなFBI捜査官。でも頭はボサボサ、ダサくて、おまけに色気ゼロ。ブヒブヒ笑いまでしてホンマに女かいな、あんた。

そんな彼女が連続爆破魔からミス・アメリカ・コンテストを守るためになんと、出場することになってしまうのよ。一夜でゴージャスな女性に変身させるために美容コンサルタントが大奮闘。で彼をオネエ言葉のマイケル・ケインが素敵に演じていて笑いもパワーアップがうれしい。

犯人の動機やサスペンスなんて弱くても全く問題なし。サンドラと一緒に捜査するベンジャミンも加えてトリオで笑わせてくれるからね。

美女に大変身しても気取らずに今までと変わらないところが良いね。最後までブヒブヒ笑いも健在で、自然体で男に媚びない、そんなあなたが魅力的。




=僕のお気に入りの映画(^0^)
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