No.91(6月4日)


バーバー(01年アメリカ)

監・脚:ジョエル・コーエン
脚:イーサン・コーエン
出:ビリー・ボブ・ソーントン/フランシス・マクマドーマンド/マイケル・パダルコ/スカーレット・ヨハンスン

義兄が営む理髪店で働くエドの虚ろな表情を見ていると、この人はきっと今までたいした希望も持たずに何となく流されて何となく生きてきちゃったんだな〜って分かっちゃう。というB・B・ソーントンの演技が素晴らしい。

そんな彼が客のもうけ話にのったところから始まる転落の物語。誰もが一獲千金を夢見るけどそんなにうまい話が転がっているわけはないのだよね。ってこれは自分への反省の言葉。

モノクロ映像が1949年の時代とストーリーを引き立たせている。人生って可笑しくて哀しくて滑稽で不思議。ってな感じだけれど映画自体はアチコチ寄り道しすぎでオモシロイ!とうなるほどではなかったのは残念。別にUFOが出てこなくてもいいじゃん。




アイ・アム・サム(01年アメリカ)

監・脚:ジェシー・ネルソン
脚:クリスティン・ジョンソン
出:ショーン・ペン/ダコタ・ファニング/ミシェル・ファイファー/ダイアン・ウィースト

障害者ものを有名俳優が演じると「あ〜、うまいな〜」ってホントに感心するのよね。で、7歳程度の知能しかないサムをショーン・ペンが演じれば神業的にウマイ。彼の娘役がこれまた天才的にうまくて超可愛い。弁護士役の相変わらずおきれいなミシェル・ファイファーも青筋立てて頑張ってる。数々のビートルズナンバーも適材適所って感じでストーリーを盛り上げる。のだけれどもなぜか覚めちゃうのだよ。

重くなりすぎずに適度なユーモアもあっていいのだけれど、ひょっとしてわたしには「愛」がないから感動できないのかしら。




パニック・ルーム(02年アメリカ)

監:デビット・フィンチャー
脚:デイビット・コープ
出:ジョディ・フォスター/フォレスト・ウィティカー/クリステン・スチュワート

いや〜、暗い。画面がムチャクチャ暗くて何が映っているのか良く分からない。表情なんかも闇の中。ということを友人に言ったら試写会ではばっちり観えていたとのこと。ということはこの暗さは劇場のスクリーンの光量不足ということかしら。渋谷のパンテオンで観たのだけれど、最近新設された劇場で観れば良かったのかな。

俳優名などが街中に立体的に浮かんでいるオープニングがかっこよかった。で、お話のほうはデビット・フィンチャー監督とは思えないほどシンプルでストレートなサスペンス。緊急避難用スペースにたてこもった母娘と侵入者3人との闘いを描いた密室劇。内面描写などはほとんどなくひたすらドキドキ感をあおる演出とスピーディーな展開が心地よい。のだからしてもうちょっと短くして90分くらいでも良かったかしら。

闘うジョディ・フォスターは素敵だけれど、泥棒3人がちょっとオマヌケなのがいただけない。それにフォレスト・ウィティカーがいつものキャラ設定なのが物足りない。ということで褒めてるのかけなしているのか自分でも不明な感想になってしまった。




陽だまりのグラウンド(01年アメリカ)

監:ブライアン・ロビンズ
脚:ジョン・ガティンズ
出:キアヌ・リーブス/ダイアン・レイン/ジョン・ホークス

イヤイヤながら少年野球のコーチを引き受けて…、というストーリーは良くあるけれど、語りがうまいとやっぱり泣けちゃう。

で、キアヌ・リーブスがいいのよ。マトリックスの撮影の影響か体が締まってるし。主人公は酒浸りでおまけにギャンブルで多額の借金、そしてそんな日々を直そうともしないとんでもないヤツ。彼が借金返済のために引き受けたのが貧しい街の野球チームのコーチ。そんなヤツでも子供たちからすぐに信頼されるのは心まで腐ってないから。という役にぴったり。女性教師を誘うのも純情そうでほほ笑ましい。

この街っていうのがマジで怖くて銃声は日常茶飯事。その音で銃の種類を当ててしまう子供たちが不敏。彼らにそういう状況を忘れさせてくれるのが野球で、プレイ中の顔の輝きが魅力的だ。

子供たちの交流から人生を見つめ直して、再び歩き出そうとする。そして女性教師との恋もうまくいきそうな彼。この恋の模様も出しゃばらずにちょうど良い感じ。ダイアン・レインも相変わらずきれいだし。やっぱり人間、考えがポジティブになると良い方向に行くもんだ、って信じられちゃう。

派手さはないけど心が温かくなってホッとする映画。




アザース(01年アメリカ・スペイン・フランス)

監・脚:アレハンドロ・アメナーバル
出:ニコール・キッドマン/フィオヌラ・フラナガン/クリストファー・エクルストン/アラキナ・マン

ひょえ〜、マジで怖いだす。血は一滴も出てこないし、特殊効果の洪水ってこともないのにジワジワと、そして最後は驚きと恐怖の連続。もう心臓バクバク。二転三転するストーリーが素晴らしい。

第二次世界大戦中のイギリスのジャージー島の陰鬱な屋敷が舞台。光アレルギーの子供二人と静かに暮らすグレース。ある日、彼女の元に使用人として働きたいという3人の男女が訪れてから、屋敷内で奇妙な現象が起きはじめる。これが最近のハリウッド映画だったらVFXバリバリで怖いというより驚くだけの映像になったであろうけど、静と動、闇と光を巧みに使い分けて恐怖を煽ってくれちゃうのよ。それに具体的なものが何も見えない。この見えないってのがまた怖いんだわ。

そしてニコール・キッドマンの美しいこと、筆舌に尽くしがたし!母親としての子供への愛情、女としての夫への愛情、そして得体の知れないものに対する恐怖感を見事に体現している。彼女のまなざしの先に一体何があるのか、とスクリーンから一瞬たりとも目が離せない。

上映が終わってから怖くて泣いている人があちこちに。実は私も鼻水が出てしまったよ。




ビューティフル・マインド(01年アメリカ)

監:ロン・ハワード
脚:アキヴァ・ゴールズマン
出:ラッセル・クロウ/ジェニファー・コネリー/エド・ハリス

アッと驚く数奇な運命。天才に生まれると大変なのね〜。わたしゃぁ、凡人で良かったわ〜という映画。

94年にノーベル賞を受賞した数学者ナッシュ博士の半生を描いたもので映画的な仕掛けがすごく巧妙で特に中盤のスリリングさは半端じゃない。これは前知識をシャットアウトして観るとホントにぶっ飛ぶ。

ナッシュは冷戦下に軍の手伝いをすることになってだんだん精神的に追いつめられていくのだけれども、それを支える妻のアリシアの大きな愛には胸を打たれる。彼女がいなかったら廃人になってしまったのではないかしら。出逢いの時の彼の不器用さに笑い、年老いてからの信頼関係を思うと観終ってから二人の長くつらい時に想像がいき涙が出てきちゃう。ラブストーリーとしても一級品。

苦悩、恐怖、悲哀そしていっぱいの愛がつまった素敵な映画。ラッセルとジェニファーもとっても良いわ〜。




=僕のお気に入りの映画(^0^)
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