No.99(11月25日)


チェンジングレーン(02年アメリカ)

監:ロジャー・ミッチェル
脚:チャップ・テイラー/マイケル・トルキン
出:ベン・アフレック/サミュエル・L・ジャクソン/トニー・コレット

お互い先を急ぐ高速道路での軽い接触事故。弁護士のギャビンは急ぐあまりに誠意のない対応を相手のギプソンにする。おまけに悪いことにその時重要な書類を落としてしまう。ところがギプソンもその遅刻が致命的な失敗になってしまう。

ということで頭に血が上った二人の果てしない泥仕合とトホホな1日は始まるのであった。二人とも悪人ではなく、普通の人。それがちょっとした弾みでどんどんエスカレートして行く様子が怖い。まあ、どっちかっていうとギャビンが悪いんだけどね。でも彼の行動に怒りを覚えつつ、ギプソンもそりゃ、やり過ぎだろう、ってことでどっちもどっち。どちらにも感情移入できないので自分にも起こり得ることと考えさせられる。

人生、何が起こっても常に冷静にいきたいものだね。特に車に乗ると人格変わる人は要注意。ラストシーンは大甘かな。




プロフェシー(02年アメリカ)

監:マーク・ペリントン
出:リチャード・ギア/ローラ・リニー/ウィル・パットン

「蛾(が)男、恐怖の予言」っていうのが原題で、お話もまさにそれ。とはいってもCG製の赤い目玉のMothmanが画面狭しと暴れ回る、という映画ではなく実際に起きた一連の不可解な(かも知れない)事件に基づく物語を映画化。

新聞記者のジョンは妻を原因不明の車での事故で亡くしてしまう。事故後妻のスケッチ帳から不気味な「モノ」の描写を発見する。そして2年後、彼の身に不思議な出来事が次々と起こりはじめる。

謎が謎を呼び、不可解が不可解を呼ぶ、ということでジョンは戸惑うばかり。って観ているほうも何が何だか分からないけれども不安感倍増、余計に怖いってな感じに。それがずっと続いてアッと驚く怒濤のラスト。前知識なしに観に行ったのでマジでびっくり。




ラストシーン(02年日本)

監:中田秀夫
脚:中村義洋/鈴木謙一
出:西島秀俊/若村麻由美/ジョニー吉長/麻生祐未

35年前の撮影所と現代の撮影所の対比がおもしろい。斜陽とはいえまだまだ活気があった頃、共演女優の引退をきっかけに進退窮まる人気男優三原のおれ様な態度がいかにもで笑ってしまう。

そして現代の現場がとんでもないものなのね。TV番組の映画化で、昔気質の撮影スタッフといいかげんなTVスタッフの対立がほとんど漫画的な滑稽さ。ホントにこんなかもと思っちゃう。そんな中、35年前に引退していた三原が再び撮影所に現れる。しかも端役の代役として。なんでそうまでして映画に出たいの?ってことで映画への熱い想いが伝わってくる。というか映画への愛が語って語って、語られるのね。

そしてラストシーン、彼の安らかな顔に安心。「いや〜、映画ってホントにいいもんですね〜」ってことだわね。

現代の三原役がジョニー吉長で、あらまあ、いつの間にこんなにおじいちゃんになっちゃったのってことでびっくり、がく然。でも存在感があって良かったわ。




Dolls(02年日本)

監・脚:北野武
出:菅野美穂/西島秀俊/三橋達也/松原智恵子/深田恭子/武重勉

今回は過剰なバイオレンスはなし、自己出演もなしで文楽人形の映像から始まる静かで残酷で哀しい3つの愛の物語。どれも真面目に考えたら絶対にあり得ない展開だけれども人形が語る現代のお伽話として観ていると胸に来るものがある。

“老境のヤクザと彼を何十年も待ち続ける女”“事故で引退した元アイドルと彼女を慕い続ける孤独な青年”の物語は、愛って何、自己犠牲?エゴイズム?と考えさせられると同時にあまりにも哀しくて泣けてしまう。そして一本の赤い紐につながれてさまよう生きているのか死んでいるのか判然としない男と女がメインキャラ、というか狂言廻し的な役割で映画を引っ張っていく。のだけれど、このメインストーリーがイマイチ面白くないのよね。ていうか日本の四季を撮りたいってことなのであろうが長すぎ。特にラスト近くになると、まだ続くのかしら、なんてしらけてしまう。

それから余談ですが深田恭子の歌って初めて聞いたのだけれど、あまりの○○さにびっくり。アッ、でも憂いを含んだ表情が素敵でしたよ。




トリプルX(02年アメリカ)

監:ロブ・コーエン
脚:リッチ・ウィルクス
出:ヴィン・ディーゼル/サミュエル・L・ジャクソン/マーシア・アルジェント

荒唐無稽+ド派手なアクション(そこまでやるかっていうくらい過激)でかっ飛ばす2時間は満腹状態で大満足。スパイ物だけれども007とは主人公の設定が大違い。NSA(国家安全保障局)の雇われエージェンシーとなって大活躍、というより大暴れするトリプルXことザンダーはスキンヘッド、タトゥーのストリート系チンピラなんだもの。チンピラといっても肉体の鍛え方は半端じゃない。特に腕の太さにはびっくり。肩から脚が生えているのかと思っちゃった。で、この人笑顔が可愛いの、っていうかまだ若すぎてガキって感じ。これがシリーズ化されたらあと20年はヴィン・ディーゼル主役で頑張ってもらわねば。

秘密兵器やエージェントの人物等は徹底的に007を真似していのが可笑しい。特にトリプルXカーは秘密兵器満載なのにじゃがいもの荷車を吹っ飛ばすだけの活躍とは情けなくて大笑い。ラストももちろん美女とのお約束シーンだよ。




スズメバチ(02年フランス)

監・脚:フローラン=エミリオ・シリ
出:ナディア・ファレス/ブノワ・マジメル/サミー・ナセリ/パスカル・グレゴリー

フランス製のハリウッドを真似してみましたっていうアクション物。倉庫に閉じこめられた特殊警察チーム数人と窃盗グループ、倉庫の警備員が軍隊並のマフィアの戦闘部隊を相手に生き残りを賭けて壮絶なる戦いを繰り広げる!っていうんだけど、大量の銃弾が飛び交うだけで、中身では興奮させてくれないんだよね。

マフィア連中が弱すぎる、っていうかあたま悪すぎなのよ。たったの10人を相手にバッタバッタとまとめて御陀仏とはあまりにも情けない。それに戦闘の合間に子供の写真を見せるシーンは見飽きたな〜。でも警察のリーダー役のナディア・ファレスはちょっと好みかも。




アマデウス ディレクターズ・カット(02年アメリカ)

監:ミロス・フォアマン
脚:サー・ピーター・シェファー
出:F・マーリー・エイブラハム/トム・ハルス/エリザベス・ベリッジ

虚々実々、どこまでが真実か知らないけれどもとにかく面白かった〜、の一言。おまけに以前アイマックスシアターであったタイムズスクエアの大画面と素晴らしい音響での鑑賞であったから尚更である。

精神病院の患者の老人サリエリの驚くべき告白から話は始まる。自分はモーツァルトを殺したと。二人とも同時代に生き、音楽に命を捧げているという点では同じなのに、あまりにも違う生きざまによって悲劇の道へとまっしぐら。出会わなければそれぞれでもっと素晴らしい作品を残せたかも知れないのに。

といっても真面目一辺倒の映画ではなくてコメディーかと思えるくらいに笑いがいっぱい。そしてサスペンスもたっぷりと見ごたえ十分。もちろんオペラも堪能。18世紀の時代も興味深くゴージャス〜な3時間があっという間。

モーツァルトのあのキテレツな笑い声がいつまでも頭に響いて、曲を聴くたびに想いだして笑ってしまいそう。天才っていうのはやっぱりどこか壊れているものなのかしら。(オリジナルは1984年)




=僕のお気に入りの映画(^0^)
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