No.103(2月17日)


ロード・オブ・ザ・リング(02年アメリカ)

監・脚:ピーター・ジャクソン
脚:フラン・ウォルシュ/フィリッパ・ボウエン/スティーブン・シングレア
出:イライジャ・ウッド/ヴィゴ・モーテンセン/イアン・マッケラン/オーランド・ブルーム

前作にあったホビット村でののんびり楽しいシーンのようなものは一切なく戦闘につぐ戦闘、どんどん悲惨になる状況で一時も画面から目が離せない。正にダークファンタジー全開。その分、人間描写の物足りなさや状況の説明不足などがあったけど、気にするほどでもないかって感じ。

戦闘シーンはどれもすごいのだけれど特にヘルム峡谷の戦いは映画史に残るといっても過言ではないかも。城壁をはさんでの敵味方の攻防、騎馬で突進していくカットなんて迫力満点、っていうかこんな映像をどうやって撮ったの?

そして素晴らしいのがゴラム。造形、表情が完ぺきなのはもちろんだけど、その複雑な心理に彼の不幸な生い立ちが感じられるようで思わず涙...。CGキャラに感情移入しまくり。そして小さな腰布だけでほとんど裸の彼なのだがそれが脱げそうでけっこうスリリング(?)。第3部ではもっと活躍するそうなので今から楽しみ。

ホントにそこで人々が暮らしている雰囲気のセット等のリアリズムも相変わらずすごいし、手のアップの時の爪の汚さにも納得。どこまでも徹底しているからこそ、この世界に浸れるんだよね。

ということで3部がもう待ち遠しい〜。でもその前にあと2回は観なくては。そしてもちろん秋には完全版のDVDが出るであろうから、それも繰り返し見て...。




ストーカー(02年アメリカ)

監・脚:マーク・ロマネスク
出:ロビン・ウィリアムス/コニー・ニールセン/ミシェル・ヴァルタン

ロビン・ウィリアムスのなり切り不気味演技が怖い、と同時にムチャクチャ寂しいやつやんけ〜と哀れさも感じる。ストーリーも怖いと同時に寂しくて切ない。

写真を現像に出すってことはやばいものでも恥ずかしいものでも店員に先に見られてしまうってことなんだよね。そんでその店員が変なヤツだったら、というお話し。

DPE店で働く初老の男サイは孤独で妄想癖があるんだけど、誰も彼を笑えないよ。明日の自分がそうならないとは言えないもの。そのささやかな幸せへの妄想が現実のいやらしさによって断たれたときにとった彼の行動の真意とは。ラストに映る彼が撮った写真が「え〜っ!」と声が出るほどマジで衝撃的。

でも邦題はかなりニュアンスが違うのでもっと適当なものがなかったのかしら。




ロベルト・スッコ(01年フランス・スイス)

監・脚:セドリック・カーン
出:ステファノ・カセッティ/イジルド・ル・ベスコ/パトリック・デリゾラ

殺人者を映画にするならもっと大物を!じゃなければ内面を深く描くとかさ。

このロベルト・スッコってヤツは何人も殺しているんだけど、何にも考えてないのね。ただ場当たり的に行動しているだけ。その奇妙で分裂症的な行動を描いてるんだけど、わたくし的にはだからなんなのよって感じ。それに映画的にはここは盛り上げるゾっていうシーンがないから、上映時間2時間以上というのはちょっとつらかった。

でも鋭いと同時に空虚な眼差、一触即発の緊張感をひじょうにうまく演じたスッコ役のステファノは素晴らしい〜。これで演技初体験っていうんだからびっくり。




バティニョールおじさん(02年フランス)

監・脚・出:ジェラール・ジュニョ
脚:フィリップ・ロブ・キュルバル
出:ジュール・シトリュック/ミシェル・ガルシア/ジャン・ポール・ルーヴ

ナチス占領下のパリで肉屋を営むバティニョールは政治的なことには出来るだけ首を突っ込まないように生きている普通のオヤジ。しかしある日隣人のユダヤ人一家が検挙された事件に図らずも巻き込まれてしまう。そして辛くも逃げ帰ってきた少年シモンを一晩だけ匿うことになるのだ。

最初はお互いに戸惑いながらもだんだんと心を通わせていくバティニョールとシモンの関係が自然でいいのね。誤解があったりけんかもしたりするけどホントの親子以上に離れられなくなってしまうのよ。逃亡中はサスペンスな毎日だけど優しさがあるのが救い。そしていくらでも悲劇的に、大感動ものにできるのに淡々とした語り口とユーモアで戦争の非情さを感じさせてくれる作り方が良いわ。

子供のくせに変に大胆だったり、賢かったり、かと思えばやっぱり子供よね〜なんて心配させられてしまうシモンを演じた子がとっても素敵。

これは実話ではないけれど戦争中はきっと似たような話がいっぱいあったのであろう。




呪怨(02年日本)

監・脚:清水祟
出:奥菜恵/伊藤美咲/上原美佐

西洋お化けがちっとも怖くないと思っているアナタ。これはマジで怖いっす。っつうか映画を観たその夜はちょっとした物音にもビクビクで電気を消して寝るのが怖くなってしまうほど。

ある家に取りついた呪縛霊のお話で、理屈なんて通用しないのね。その家に住んだ者だけじゃなくて訪れた人にも取りついてしまうのだ。有名な俳優は出てないのだけれど、奥菜恵が主人公で正解って感じ。彼女の大きな瞳がちらっと動いただけでその先に何があるか想像されてドキッとしちゃうんだもの。

そう「邪悪なもの」が堂々と姿を見せるときよりもチラッと予感めいた時が怖いのね。だからあの女子高生のゾンビトリオは見せすぎかも。ギャグ一歩手前の危なさだった気がする。

これはビデオになったときには一人の部屋では絶対に見ないように。ホントに呪われちゃうかもよ。っていうかビデオシリーズがすでに2本出てるけど私は怖くて見られません。




アウトライブ―飛天舞―(01年韓国)

監・脚:キム・ヨンジュン
脚:チョン・ヨンギ
出:シン・ヒョンジュン/キム・ヒソン/チョン・ジニョン

もう回りゃあいいってもんでもないでしょ!って言うくらいにクルクルクルクル回って回って飛んで飛んでの戦いは目まいがするほどの大迫力。かつての何でもありの香港映画のようでワクワクしちゃう。

でもお話が凝縮しすぎ、というか余裕がないのよね。愛・嫉妬・復讐・友情・戦いのなんでも有りのてんこ盛り。戦いの発端である「飛天神記」なんかラストになってもいったいあれはなんだったのよ〜、教えてって感じ。ジナとソルリのあまりと言えばあまりの悲恋の影になってしまって劇場出てから思い出したんだけど...。

2時間なんて言わないで3部作ぐらいにしてくれたらゆっくり観られて良かったかも。それとも原作の漫画を読んだほうが良いのかしら。




=僕のお気に入りの映画(^0^)
next page 2003 contents