No.105(3月31日)


ジェイ&サイレント・ボブ帝国への逆襲(01年アメリカ)

監・脚・出:ケヴィン・スミス
出:ジェイソン・ミューズ/ベン・アフレック/マット・デイモン/ジェイソン・リー/シャノン・エリザベス

もう、ホンットにおバカ。「ジェイ&サイレント・ボブ」の集大成そして最終章で、内輪ネタ下ネタ、映画ネタ、ブラックな笑い、ユルユルのギャグとなんでもござれの大サービス。それに主役の二人に負けず劣らず出てくるのはアホな人ばかりで(もちろんベンとマットのコンビも)これは笑うっきゃないでしょ。

過激なネタが満載だけど、特に映画のパロディーでは大爆笑の連続。あのマーク・ハミル(ってあんなメイクじゃ誰も分からないって。というよりあまりにもおじいちゃんになってしまったので素顔は出したくないのかも)とキャリー・フィッシャーも出てるし(二人のカラミのシーンがないのは残念)、ウェス・クレイブンやガス・ヴァン・サントまで登場して笑いを誘発している。美女がいっぱいっていうのも良いね。

これ単体でも楽しめるけど過去の作品の「クラークス」「モール・ラッツ」「チェイシング・エイミー」「ドグマ」を観ていると笑いも倍増確実。




裸足の1500マイル(02年オーストラリア)

監:フィリップ・ノイス
脚:クリスティン・オルセン
出:エヴァーリン・サンピ/ローラ・モナガン/ティアナ・サンズベリー

白人の「思い上がりと余計なお世話」が生んだ悲劇の真実の物語。1890年から1970年のオーストラリアでは先住民アボリジニの子供たちを強制的に親元から隔離して白人文化を教え込んでいた。白人文化を教えるっていったって結局は自分たちの奴隷として使うため。そしてアボリジニの絶滅を目論んでいたっていうんだから全く酷い話。

で、この映画は1931年に実際にあった話で、収容所に連れてこられた3人の少女が「母の元に帰る」と脱走し、家に導いてくれるウサギよけのフェンスをたどって行くというもの。だけれども待っていたのは過酷な自然と執拗な追手なのだよ。

残酷な善意をいやらしく粘着質に演じているケネス・ブラナーも良いけど、それにも増して主人公の3人が素晴らしい。特に14歳のモリー。気高く強い眼差、カモシカのような脚で彼女なら困難な旅も克服できそう。

思わず劇場で原作本を買ってしまった。映画では過酷さがそれほど強調されていなかったけれど、実際にはもっともっと大変だったのであろうな。だって家までなんと2400キロ!

政府ってどこでも同じだなってことでオーストラリア政府は今でもアボリジニに対して謝罪は拒否しているとのこと。




戦場のピアニスト(02年ポーランド・フランス)

監:ロマン・ポランスキー
脚:ロナルド・ハーウッド
出:エイドリアン・ブロディ/トーマス・クレッチマン

正に不条理な恐怖。見終わった後、ずっしりとのしかかる真実の重み。観終わった後しばらく言葉が出ないほど。

ポーランドのピアニスト、シュピルマンのナチスから逃亡しての生き延びていく様を描いたものだけれども、その恐怖も彼が潜伏先の窓から見た限定的なものだけに余計に恐怖と不安が増す。足の悪い老人がベランダから車イスごと落とされ、意味もなく頭をピストルで打ち抜かれる人々。道路には死体が累々と横たわっているのにそれを気にする人などいない現実。戦争って人が人ではなくなってしまうものなのだ。彼が廃虚の中を彷徨う引きのシーンにはあまりの壮絶さに絶句。

シュピルマンも自分からは何も行動できずに、音をたてずに、ましてやピアノなどひけない日々にどんどん壊れていく。彼が想像のピアノを弾く場面はあまりにも切ない。彼の絶望の末の空虚な眼差も忘れられない。

クサいセリフはなし、派手なカメラワークもなし、うるさいBGMもなし、感動の押し売りもなし、とないないづくしだけど本当に見事な素晴らしい映画。

彼を助けることになったドイツ将校の手記が載っているという原作本を読まなければ。
そしてエイドリアン・ブロディーのアカデミー賞受賞式でのスピーチも素晴らしかったわ。




歓楽通り(02年フランス)

監:パトリス・ルコント
脚:セルジュ・フリードマン
出:パトリック・ティムシット/レティシア・カスタ/ヴァンサン・エルバズ

この監督作で面白かったのは「髪結いの亭主」で、他のものはイマイチのれない。なのでこの作品にもあまり期待してはいなかったのだ。と書くと予想に反して面白かった、と続くと思うだろうけど、やっぱりイマイチ。

40年代のパリの娼館でのお話で、そこで働くさえない中年男が主人公。彼が娼婦の一人のマリオンに無償の愛を捧げ、彼女のために色々世話を焼き、なんと恋人まで探してあげる。ん〜、ちょっと理解できないな〜。感情移入できないな〜。単なる変態にしか思えないのは私の狭い視野のせいかしら。マリオンもそれほど魅力的には思えないし、「ブレード・ランナーの」ダリル・ハンナにあまりにも似ているのでそれに気を取られてしまった。それに歌唱力がイマイチなのは大減点。あれでオーディションを受かって観客から拍手大喝さいというのは無理があるよな〜。




クリスティーナの好きなコト(02年アメリカ)

監:ロジャー・カンブル
脚:ナンシー・M・ピメンタル
出:キャメロン・ディアス/クリスティーナ・アップルゲイト/セルマ・ブレア

あまりのおバカさに呆れ、下ネタ連発に大笑い。それをなんたってキャメロン・ディアスが嬉々として演じているからなおさらおかしい。「メリーに首ったけ」が格調高く思えてしまうほど下品さでは上かも。女子トイレでのばか騒ぎなんて可愛い方で男子トイレでの小用のシーンなんてそこまでやるか!の世界。

女同士のホンネ、恋愛、セックス観が過剰なまでに誇張されて、ホントに世の中の女性が全てこんなんだったら純情な私(?)にとってはかなりショック。あまりにも女性3人のキャラが立っているので、男性陣の影の薄いこと。刺し身のつまにもなっていないほどでかわいそう。




レッド・ドラゴン(02年アメリカ)

監:ブレッド・ラトナー
脚:テッド・タリー
出:エドワード・ノートン/アンソニー・ホプキンス/レイフ・ファインズ

「羊たちの沈黙」ってそんなに面白かったかな〜。「ハンニバル」って単にゲロゲロなだけで趣味じゃなかったな〜。という私だけどこれは面白い。シリーズ中で一番好き。やっぱりレクター博士はわき役に徹して獄中から捜査官に示唆を与えるっていうのが正解だと思うわけよ。

そして連続殺人の犯人の狂気も恐ろしいんだけど、それが悲しみから生まれたものだと分かるところがまた涙を誘わてしまう。で、この犯人役のレイフ・ファインズの気持ち悪さは絶品だし、主役のグレアム捜査官のエドワード・ノートンもやっぱりうまいわ。役柄通りに頭が良さそうだし、行動にアホな破綻がないからサスペンスも盛り上がる。この二人の対決は緊迫感バリバリ。もちろんグレアムとレクターの対決も見逃せない。

脇役陣がこれまた豪華でびっくり。ハーヴェイ・カイテル、エミリー・ワトソン(好きじゃないけど)、フィリップ・シーモア・ホフマンと一流の演技派揃い。

前2作を観ていなくても(前日譚だから当然だけど)楽しめること確実なのでお見逃しなく。

けど、あのラストを観たら思わずニヤリ。「羊たちの沈黙」をもう一回見てもいいかなって感じになって、ビデオ借りてこようかしら。




=僕のお気に入りの映画(^0^)
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