No.106(4月23日)


ドリーム・キャッチャー(03年アメリカ)

監・脚:ローレンス・カスダン
脚:ウィリアム・ゴールドマン
出:トーマス・ジェーン/ジェイソン・リー/モーガン・フリーマン/ダミアン・ルイス

劇場予告編には完ぺきにだまされた。キング原作というのもあって純粋なホラーだと思っていたら全然違うのね。なので話がどんどん転がって先が全然読めなくてとても面白かったわ。ただ転がりすぎてストーリーの核が何だか良く分からないって気はするけど。4人の友情?超能力?カーツ大佐の狂気?

冬の山小屋に集まった少年のころの秘密と超能力を共有する4人の幼なじみ。彼らはその深い森の中で人類の生存を脅かす恐ろしい現象を体験することになってしまう。ってこれが中途半端じゃない出来事で軍隊までも大出動の大騒ぎになる。この4人の使命は何か。それは子供時代の出来事に関連するのか?

恐怖の元の「アレ」をはっきり見せすぎという気もする。衝撃のラスト(途中で何となく分かるけど)は潔くて笑っちゃうほど気に入ってしまった。

モーガン・フリーマンが長年にわたる特殊な任務を遂行している大佐を演じていて、忠実であるがゆえに狂気にむしばまれていく様子が迫真の演技で凄いのだけれど、迫力ありすぎて主演の4人よりも目立ってしまっているのがおかしい。まゆ毛も異常に濃くて笑えるし。




ヘヴン(02年アメリカ・ドイツ・イギリス・フランス)

監:トム・ティクヴァ
脚:クシシュトフ・キェシロフスキ/クシシュトフ・ビエシュビッチ
出:ケイト・ブランシェット/ジョバンニ・リビージ/レモ・ジローネ

静かに淡々とした流れなのに、全編緊張しっぱなし、そして最後はあまりの切なさにぼう然。悪女から妖精までなんにでもなり切ってしまう七変化女優のブランシェットの感動的な演技は今まで以上にホントに素晴らしい。美しい映像と神秘的な音楽と無駄を省いた編集、そして完ぺきな演技。これが全て揃っているという奇跡の映画。

刑務官フィリッポは美しい受刑者フィリッパに一目ぼれして、脱獄を手助けそのまま逃避行を続ける。というとてもシンプルなストーリー。この二人は出会うべくして出会い、そして愛し合うのは宿命であり、行く先は絶望でもあったのだ。愛、許し、罪と罰が丁寧に描かれている大人のおとぎ話という雰囲気。

あまりに切ないラブ・ストーリーで、ラストシーンは目が痛くなるほどスクリーンにくぎ付け。30秒間息をするのも忘れてしまったほど。




007 ダイ・アナザー・デイ(02年アメリカ)

監:リー・タマホリ
脚:ニール・パーヴィス/ロバート・ウェイド
出:ピアース・ブロアスナン/ハル・ベリー/トビー・スティーブンス

007のシリーズってなんとなく観てしまう。そんでもっていつもイマイチだな〜と思うのよ。

冒頭のドハデアクションは健在であきれるほどの迫力。ホバークラフトでの大アクションなんて初めて観たよ。やっぱりこれがなくちゃ始まらない。派手にやりすぎ北朝鮮に捕らわれたボンドは、監禁、拷問を経て釈放されるが味方の情報を漏らしたとされライセンスをはく奪されてしまう。ボンドは嫌疑をはらすために脱走するのであった、というストーリーはどうでもよくて目玉はハル・ベリーですな。水着での登場シーンには目がくぎ付け。その彼女が派手なアクションをこなすんだから素敵だわ。この役を主人公に映画が撮られるそうなのでそちらに期待は膨らむ。

で、なんでイマイチかというと悪の陰謀が荒唐無稽過ぎるのよ。それにユニークな悪役キャラのZAOの暴れ方が物足りないわ。ラスト近くのサーフィンのシーンのCGと合成の荒さはどうしたの?緊張すべきところであれを観せられては思わず失笑しちゃうじゃないの。007シリーズって生身のアクションが売り物だと思っていたのに、ちょっとがっかり。

でもブロスナン、年を取ったな〜、って見えたけどアクションも頑張っていて老いを感じさせないのはさすが。あと2作くらいは大丈夫か?




リロ・アンド・スティッチ(02年アメリカ)

監・脚:クリス・サンダース/クラーク・スペンサー
声:ダヴェイ・チェイス/クリス・サンダース/ティア・カレル

楽しくて、笑えて、可愛くて、もうそれだけで十分のディズニーアニメ。主人公の一人と一匹がチラシやポスターでは全然可愛くなくて不安だったけど、動くとやっぱりディズニー印。とても魅力的で愛らしくて夢中になってしまう。背景が美しい水彩画風なのもこのハワイでのおとぎ話にぴったりの雰囲気。

破壊することしか知らないエイリアンのスティッチとはぐれ者で友達のいない少女リロの家族探しの物語。といっても説教臭さはゼロで、二人の出会いとその後の心の触れ合い、周囲の人たちの言動などがどれも楽しくて、自然とホンワカ優しい心になってくる。




デアデビル(03年アメリカ)

監・脚:マーク・スティーブン・ジョンソン
出:ベン・アフレック/ジェニファー・ガーナー/コリン・ファレル

人気アメコミの映画化で盲目の青年マットは昼は弁護士、夜はスーパーヒーローのデアデビルとして悪と戦うのだ。普通の人間だけれど失われた視覚の他は異常に発達してほとんど超人。でも攻撃されるとやっぱりダメージを負って痛み止めの薬を飲んで、それでも正義のために戦う、そのいじらしさに涙が出ちゃうのよ。でも普通の人間って割にはアンタ空を飛んでんじゃないわよ、というシーンもいくつかあるのはご愛嬌?

アクションシーンが重量級の迫力があって相当鍛えたであろうベン・アフレックが頑張っていてかっこいい。それに負けじと適役のブルズアイのやり過ぎキャラが笑える。「オレにもコスチュームをくれ」は後世に残る名セリフかもで大爆笑。

デアデビルと図らずも戦うことになってしまう女戦士のエレクトラの鍛えられた肉体美にはノックアウトされちゃった。このパワフルなヒロインを主役にして映画化されるそうだから、それも楽しみ。




クローサー(02年香港・アメリカ)

監:コーリー・ユエン
脚:ジェフ・ラウ
出:スー・チー/ヴィッキー・チャオ/カレン・モク

コンピューターとクンフーを駆使して暗殺を請け負う殺し屋姉妹の「電脳天使」とそれを追う女刑事の攻防で、主演の美女3人が素敵。長い髪でアクション映えするしガンさばきもセクシー&クール。銃だけじゃなくて日本刀、車と見せ場はてんこ盛り。「少林サッカー」では素顔がほとんど観られなかったけどヴィッキー・チャオはえっホントに27歳!?ってくらい可愛いくて大満足。お久しぶりの倉田保昭もかっこいい。

なんだけど、ストーリー展開に無理がありすぎだし、なんか、とっ散らかってしまったって感じがするのよね。特に恋愛話がつまらないっていうか余計というか。ちょっと残念。でも、これでもかっていうくらいに派手で絶対にありえないアクションを観ていると話はどうでもいいかと思えてきたりするのも事実。




タキシード(02年アメリカ)

監:ケヴィン・ドノバン
脚:マイケル・J・ウィルソン/マイケルリーソン
出:ジャッキー・チェン/ジェニファー・ラブ・ヒューイット/ジェイソン・アイザックス

拝啓 ジャッキー・チェン様
ハリウッドでの大成功おめでとうございます。この作品では超ゴージャスな美女との共演ということもあってきっと撮影現場は楽しかったのでしょうね。ストーリーも良かったですよ〜。

でも、でも昔からのファンとしては複雑な気持ちです。だってジャッキー流のスリルと笑いが渾然一体としたアクションが全く活かされていないのですもの。意外な小物をうまく使った小技のアクション、え〜死んじゃうよ〜、と叫びたくなるようなスタントマンなしのど派手なアクション。香港時代が懐かしい。っていうよりまた香港時代の仲間で作った傑作を見たいです。じゃなければハリウッドでジャッキー組を作って自分の好き放題やるっていうのもいいですね。今でも全盛時代からのトレーニングは欠かしていないそうなので、まだまだ枯れるには早い気がします。

そしてお楽しみの恒例のNG集がセリフのトチリ集とは情けなくて涙が出てしまいした。次作は「シャンハイ・ヌーン2」ですか。またまた不安なんですけど。




スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする(02年フランス・カナダ・イギリス)

監:デイヴィット・クローネンバーグ
脚:パトリック・マグラア
出:レイフ・ファインズ/ミランダ・リチャードソン/ガブリエル・バーン

むちゃくちゃ暗くて地味な映画やな〜。でもやっぱりクローネンバーグ印はおもろい。

子供の頃の記憶って微妙に事実と違っていたりすることがあるけどそれが人の生死に関わることだったら一大事。私も昔、人を殺しているのにその記憶がすっぽりと抜け落ちているかも、なんて不安になってきた。

列車から降りてきた一人の男を映すファーストシーンからいきなり異常な世界へと誘い込まれてしまう。この男、常にブツブツと訳の分からないことをつぶやきながら、ノートにメモを取っている。この神経症的な男を圧倒的ななり切り演技で演じるレイフ・ファインズが素晴らしい。「レッド・ドラゴン」でも病んだ心を持つ男だったけれどホントこういう役柄がぴったり。

彼が20年ぶりに帰郷し、父が母を殺した記憶をたどる物語なんだけど、どれが真実で、どれが妄想なのか混とん。そして事実が明らかになる驚愕のラスト。でもこれが真実なのか?ええっ!?て感じでもう一回観たくなる。




リベリオン(02年アメリカ)

監・脚:カート・ウィマー
出:クリスチャン・ベール/テイ・ティッグス/アンガス・マクファーデン/ショーン・ビーン

今まで誰も見たことのないガンさばき「ガン=カタ」。これがめちゃくちゃかっこいい。両手に銃を構え剣道と武術を合体したようなスピーディーでパワフル、無駄のない動作で引き金を弾く。言葉だけじゃ伝えられない。是非実際に観て欲しいわ〜。アクション好きなら絶対に驚くはず。このガン=カタを操る最強の戦士にクリスチャン・ベールでこれまたクールな表情がぴったり。クライマックスのガン=カタのマスター同士の壮絶な接近戦の迫力には圧倒されっぱなし。

21世紀初頭に起きた第3時世界大戦後の世界でわずかに生き残った人類達(今の情勢からするとホントにこれが現実となりそうで怖い)は、再び悲劇を繰り返さないために怒りなどの感情を抑制する薬を飲まされている。それに反抗する人々と政府との戦いを描いたもの。

ラストを観るとやはり人間というのは戦わずにはいられないのね〜、と悲しくなってしまう。でも感情抑制の薬を飲まされるのはいやだな〜。




=僕のお気に入りの映画(^0^)
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