No.115(9月29日)


ゲロッパ!(03年日本)

監・脚:井筒和幸
脚:羽原大介
出:西田敏行/岸辺一徳/常磐貴子/山本太郎

とにかく笑わせましょう、泣かせましょうっていうのが見事に決まってとっても楽しいエンターテイメントムービー。刑務所に入る日を数日後に控えた弱小零細暴力団の組長のために彼の大好きなジェームズ・ブラウンを誘拐しようと画策する親分お思いの子分達。そして組長は25年ぶりに生き別れの娘に逢いに出かける。という二つの物語が交差してパワー全開。大物まね歌謡ショーもあってサービス精神たっぷりなのもうれしい。

主演の二人がいい味出してるの。組長役の親分の西田敏行の一般人向けの甘い顔と極道向けの眼光鋭いすごみのある顔の使い分けのうまさ。異様にぴったり。浜ちゃんも良いのかも知れないけど悪役の方が似合ってるって感じ。その親分をサポートする岸部一徳がまたひょうひょうとして、二人でJBを歌ったり、踊ったりが楽しい。

政治のいかがわしさ、住基ネットの恐ろしさにも言及しているという誠に奥の深い映画なのであった。こんなに素晴らしい映画があることをジェームズ・ブラウンは知っているのかしら?

ドラゴンヘッド(03年日本)

監・脚:飯田譲治
脚:NAKA雅MURA/齋藤ひろし
出:妻夫木聡/SAYAKA/山田孝之

劇場予告編ではすっごくつまらなそうだったので観るのやめようかと思っていたけど、観てよかったぁ〜。こりゃ、マジで凄いわ。日本映画でここまでやれるとは。

普通の高校生の男の子と女の子の終末の世界での大サバイバル物語なんだけど、なぜこんな世界になったか一切不明。カメラは主人公のテル君からほとんど離れないので彼が分からないことは観客にもわからないの。そんな世界で出会った同級生の瀬戸さんと弱音をはきながらもなんとか生きていこうとする姿から一時も目を離せない。出会った人達もみんなおかしいし、廃虚は続くよどこまでもという全編異様なハイテンションで2時間があっという間。

この二人の心理描写もリアルで瀬戸さんが弱音をはくところ、テル君が銃で狙われるところの言動なんて特に印象的。どこまでいっても絶望の中、果たして二人に、人類に希望はあるのか?

破壊された新幹線を始めとしてこの廃虚のセットがよく出来ていてリアルそのもの。どこかの外国に行って広大な実物大のセットを作ったそうで渋谷の街もみるも無残な瓦礫の山。いつこんな世界が訪れてもおかしくないというのも怖いよね。

インファナル・アフェア(02年香港)

監:アンドリュー・ラウ
監・脚:アラン・マック
脚:フェリックス・チョン
出:アンディー・ラウ/トニー・レオン/アンソニー・ウォン

特別試写会ということで主演俳優達の舞台挨拶付きで観てきた。場内、黄色い歓声が飛びまくりちょっとびっくり。凄い人気なのね〜。

で、映画はまさに男の香り、色気ムンムンの大ハードボイルドで大満足。トニー・レオン、アンディー・ラウ、アンソニー・ウォンの3人がむちゃくちゃかっこいいねん。特にトニーの裏社会での長い生活で身に付いたくたびれた感じがいいのね。それに反して警察での出世街道まっしぐらのアンディーはそつのないかっこよさ。警視役のアンソニーもトニーとの複雑な関係を通しての苦悩が感動を呼ぶ。特に後半の心理劇の面白さは半端じゃない。携帯電話の使い方もドキドキさせられるし、エレベーターでのシーンも怖すぎ。

で、何回も観たくなるほどの面白さなんだけどあえて不満点を。女性がからむシーンは全く不要なのでは?全然映画の面白さに貢献してない気がする。それから冒頭にアンディーとトニーの若いころが出てくるのだけれど、全然似てないので二人の関係を把握するまでちょっと混乱しちゃう。それから邦題の分かりにくさ。意味も不明だし、発音できないじゃないのよ!

とはいえ、驚愕のラストまで面白さ100倍なので観て損は絶対に無し!

ブラックマスク2(02年香港)

監:ツイ・ハーク
出:アンディ・オン/トビン・ベル

う〜む、昔は香港のスピルバーグと言われたこともあったよね、ツイ・ハーク。でもスピルバーグはこんな映画撮らないよね。

遺伝子操作によって生まれた超人達の重力無視の壮絶なバトルを描く本作。監督はツイ・ハーク、ワイヤー・アクションはあのユエン・ウーピン、ポスターもかっこいい!ということで少しは期待していたのだけれど...。なんか途中からこれは出来の悪い仮面ライダーか?っていうノリで、なんだかなぁ〜って感じ。

シモーヌ(02年アメリカ)

監・脚:アンドリュー・ニコル
出:アル・パチーノ/レイチェル・ロバーツ/キャサリン・キーナー

あのアル・パチーノがこんなに笑わせてくれるとは!まじめな顔しての女言葉連発の熱演には大爆笑。

落ち目の映画監督タランスキーが超わがまま女優に振り回されるところから始まるんだけど、この女優をウィノナ・ライダーが演じていてホントにそうかもなんて思えてくる。で映画人生最大の窮地に陥った彼に天使が降りてくるの。それはなんと完ぺきなCG女優シモーヌで彼女を主演にした映画が大ヒットしてしまう。このシモーヌの造形が見事で微妙にCGっぽいところがおかしい。世界をだまし彼女を完全にコントロールしているつもりが周囲の大騒ぎによって新たな窮地に巻き込まれていく様子が面白おかしく描かれる。

パチーノの大げさな演技がこのコメディーにぴったり。ドタバタの果ての大いなる誤解から死刑寸前の彼に果たして起死回生のチャンスはあるのか?嘘を突き通したほうが勝ちっていうラストにはニンマリ。

エンドロールの後にも笑わせてくれるので席を最後まで立たないように。

28日後(02年イギリス・オランダ・アメリカ)

監:ダニー・ボイル
脚:アレックス・ガーランド
出:キリアン・マーフィ/ナオミ・ハリス/ミーガン・バーンズ

ラストが2パターンという公開の仕方をなぜ監督は許したのか?自信がなかったのかしら。元々はハッピーエンドなんだけど、エンドロールの後にもうひつとのラストが上映されるのね。私は突き放したような別ラストの方が好きだけれども。

交通事故による昏睡から目覚めた男が見たものは空っぽのロンドンの街。分けが分からないまま外に出た男が得た真実はあまりにも惨いものだった。新型のウィルスにやられた人々は10秒でゾンビとなって人を襲い、それがまた10秒で、というねずみ算よりも恐ろしい死のかけ算。生存者数人と生き残りをかけて旅をする彼に未来はあるのか。

ゾンビ映画の定番として普通の人間の方が怖い、という設定もあるけどこれなら昔観た「死霊のえじき」のほうが衝撃的だったな〜。ってB級ゾンビ映画と比べられたらダニー・ボイルは怒るかも。

これはヴィデオカメラで撮ったものをフィルムにおこしたのかしら。画質が異様に悪いのだけれど、意図したものだとしたらあまり効果的ではない気がする。けっこう気になってストーリーに入り込めないもの。




=僕のお気に入りの映画(^0^)
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