No.124(3月29日)


ブラザー・ベア(BROTHER BEAR)

03年アメリカ(85分)
監:アーロン・ブレイズ/ボブ・ウォーカー
脚:タブ・マーフィー/ローン・キャメロン
声:ホアキン・フェニックス/ジェレミー・スアレス

やっぱりディズニー印、うまいな〜。楽しく笑って、最後は切なくてちょっぴり涙、なのだよね。ピクサーと別れてしまったディズニーなので3DCG映画はどうなるか分からないけど、平面でも十分楽しいから心配はいらないね。動物達の描写はさすがだし。で、今回はどこかの部族の伝説にでもありあそうなお話し。

マンモスがいたころが舞台で、ある理由から熊に変えられてしまった青年キナイと母親とはぐれて独りぼっちの子グマとの出逢いと旅の物語。最初は一緒に旅するのを嫌がっていたキナイだが次第に...、というのを1曲の歌の中で表現してしまう様は伝統的なうまさだ。テンポよく話が進んでいくので子供でも退屈はしないだろう。大人にとってはちょっと物足りないかも、ぐらいがちょうどいいのかな。

ラストが「へぇ〜、そうきましたか」って感じでちょっとびっくり。エンドロールの間のアニメも楽しいけど、その後にも映像があるので子供に急かされて途中で席を立たないように。




ゴシカ(GOTHIKA)

03年アメリカ(97分)
監:マチュー・カソヴィッツ
脚:セバスチャン・グティエリス
出:ハル・ベリー/ロバート・ダウニーJr/ペネロペ・クルス

面白いんだけれども、何か足りないというか納得できないというか。理由その1はハル・ベリーのサービスカットがなかったから。というのは半分冗談だけれども、もっと徹底的にホラーしてほしかった。中途半端な謎解きなんていらないから。ラストカットも蛇足な気分。

主人公は女子刑務所の有能な精神科医のミランダ。彼女が“あるもの”を見て事故を起こし、気がついたら自分がいた刑務所の独房の中。夫殺しの容疑者になっていたのだ。それから彼女に起こる異変の数々。超常現象など信じていなかった彼女だが...。

精神科医という設定が全くいかされていないのがもったいない。これなら病院の掃除のおばちゃんでもストーリー的には変わらないな〜。勝手知ったる病院内を逃げ回るだけではね。

そうそう、始めは誰だか分からなかったぐらいのペネロペ・クルスの地味ぶりにびっくりよ。




オアシス(OASIS)

02年韓国(132分)
監・脚:イ・チャンドン
出:ソル・ギョング/ムン・ソリ

優しいふりをしてけっこうイジワルなお話し。特にラストは納得いかないな〜。障害があるからと言ったって彼氏をあんなところへ行かせないということぐらいは出来るはずだし、彼だって心配で彼女を残して行けないだろう。もう一つ気に入らないのはコンジュがが見る白日夢が何回も出てきてしつこく感じたこと。ここぞっていうときに1回で良かった気がする。「ああ、あれは演技なんだな」って冷めちゃうもん。

刑務所から出てきたばかりのジョンドゥ。これが落ち着きがなくて品がなくて子供のままって感じでチンピラそのもの。彼が脳性まひのコンジュと出逢い、そして密かにつき合い始める過程を丁寧に描いていて好感が持てる。彼のうれしそうな顔を観ているとこちらまで幸せな気分になる。でも出逢いは最悪でジョンドゥの暴力性にハラハラだけど。そして彼ら二人の周囲の人々の小狡い性格の描写は辛辣。でもいかにもありそうなのがやるせない。

ジョンドゥを演じたソル・ギョングの真に迫った、そしてあまりに自然な演技はお見事。「ペパーミントキャンディー」と同一人物とは思えない。




イノセンス

03年日本(100分)
監・脚:押井守
声:大塚明夫/田中敦子/山寺宏一

「攻殻機動隊2」というタイトルだったらこんなにヒットしなかったのでは?それに大量の宣伝と印象的な音楽の効果もあってアニメオタクではない人にも受け入れられたのだろう。1を観ていなくてもそれほど問題はないし。ただ宣伝コピーの「生きた人形(サイボーグ)であるバトーに残されているのはわずかな脳と素子の記憶だけ」というのを記憶しておかないと、後半混乱するかも。っていうか素子の正体はこの映画だけでは分からんもん。

3DCGと2Dアニメの融合が見事で特にオープニングの映像にはマジびっくり。「かっこいい〜」と思わずつぶやきが漏れてしまったほど。ストーリーも哲学的でお子様向きではないわな。この監督って電脳の反乱、というテーマが好きなのねきっと。ただ時々手抜き(?)のシーンがあるのは興ざめ(パトレイバー2の時も感じたけど)。画面に動きがなくてセリフだけを延々と流されるとどこを観ていいのか混乱してしまうのよ。TVアニメじゃないんだから細部まで気を使って欲しいわ。




東京原発

03年日本(110分)
監・脚:山川元
出:役所広司/段田安則/平田満/岸辺一徳

コメディーだと思って笑う準備をして観に行ったのにけっこうマジメな映画であった。

都知事が東京に原発を作ろう!と決心してそれを議題とした会議を都庁で開く。都知事が呼ぼうとした原発関係者が遅れてしまい、その代わりに原発反対の学者が会議に現れる。で、ここからいかに原発がよろしくないかという講義が延々1時間くらいにわたって繰り広げられるのね。原発にちょっと関心がある人だったら周知の事実だし、映画的面白さもないので退屈。隣のおばさんはいびきをかいて気持ち良さそうであったよ。

で、終盤やっとこさ物語が動き始めるのだけれど、もう残り時間も少なくおざなりって感じ。せっかく芸達者な役者を揃えているのにもったいないな〜。




アドルフの画集(MAX)

02年ハンガリー・カナダ・イギリス(108分)
監・脚:メノ・エイメス
出:ジョン・キューザック/ノア・テイラー/モリー・パーカー

歴史に「もしも」はあり得ないけれども、思ってしまう。ヒトラーが絵画で成功を収めていたら世の中はどうなっていたのだろうかと。他の人が出てきて結局は歴史は変わらないってことになったのかしら。

「ヒトラーと画商マックスの交流」は本当にあったことかも、と思わせるほど真に迫っている。演出、心理描写が確かだから。画商のジョン・キューザックは相変わらずうまいし、それにも増してヒトラー役のノア・テイラーがとても良い(バニラ・スカイ、シャインに出ているらしいけど印象に残ってないな)。画家としての大成したいという欲望と絶望、そして政治への傾倒。その風ぼうと相まって鬼気迫る感じ。その後に20世紀最悪の人物となることは分かっていながらも彼の葛藤、運命に涙を禁じえない。

私の好きなリリー・ソビエスキーが出ているのもポイント高し。




=僕のお気に入りの映画(^0^)
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