No.165(5月2日)


リンガー! 替え玉★選手権

05年アメリカ 95分
[監]バリー・W・ブラウスティン
[製]ピーター・ファレリー/ブラッドリー・トーマス
[脚]リック・ブリット
[出]ジョニー・ノックスビル/ブライアン・コックス/キャサリン・ハイグル

「ジャッカス・ザ・ムービー」のジョニー・ノックスビル主演ということでバチ当たりの大バカギャグ映画かと思っていたのだが,なんとハートウォーミングな極上のコメディーであったよ。

知人に大けがを負わせ(って彼が悪いわけではないのだが),その莫大な治療費を稼ぐために奔走するスティーブ。伯父ゲイリーに相談したのだが彼もまた借金苦。その時ゲイリーに閃いたのは,なんとスティーブに知的発達障害者のふりをさせてスペシャル・オリンピックスに出場させ,そして賞金を頂いてしまおうってこと。果たしてそんなことが上手くいくのか!?

と,ストーリーだけ聴くと「いくら何でも…」と思っちゃうけど,ファレリー兄弟が関わっているということで障害者達を特別視することなく,差別することなく,かつ愛情を持って描いているのね。彼らとスティーブが遊びに興じるシーンなんかホントに楽しそうで私も仲間に入れて〜って感じ。

そして華を添えているのがちょいシャーリーズ・セロン似(?)の五輪ボランティアのリン(キャサリン・ハイグル)で清楚な美人でモロ私の好みなのだ。映像的にだけではなくて彼女とスティーブとの関係がストーリーに奥深さを与えているのがこれまたポイント高し。

障害者を演じる時のスティーブに大爆笑,障害者達の自然な(?)アホさにツッコミ入れつつ,またほろ苦ロマンスがあって,そして最後にちょっとジンと来てしまうということで大満足。

残念なのは上映館が少ないということ。都内では渋谷のみなのだ。




ブラッド・ダイヤモンド

06年アメリカ 143分
[監][製]エドワード・ズウィック
[案][脚]チャールズ・レビット
[出]レオナルド・ディカプリオ/ジャイモン・フンスー/ジェニファー・コネリー

ハリウッドの超大作エンターテイメントがダイヤモンドの闇にこれほど迫った作品を作ってしまったというのにびっくり。この映画を観てそれでも私はダイヤが欲しい!という彼女だったら別れたほうが良いかもね。デビアス(映画ではぼかしてあるけどこの会社のこと)の「永遠の輝き」「給料3ヵ月分」の広告(30年くらい前?)は大成功。今では誰もがそれは大昔からの慣習と思わされているもの。しかしアフリカがダイヤモンドをめぐってこんな悲惨なことになっているなんて全く知らなかった自分が恥ずかしい。ちなみに消費量は日本はアメリカに次ぐ2位です。

影のあるダイヤの密売人を演じるディカプリオがすっごくいい。悪役として凄みを利かせた眼光の鋭さにはビビるほど。ただラストで電話するところはかっこよすぎるな〜。それまでの流れからちょっと浮いちゃった感じ。でもそのくらいのサービスはないとしょうがないか。もちろんジェニファー・コネリーもジャイモン・フンスーも素晴らしく良かった。

内戦が続くアフリカ。漁師のソロモンは反政府軍に拉致され(村が襲撃されるシーンは正視できないほど恐ろしい)、ダイヤの採掘場で働かされる。とは言っても奴隷より扱いが酷くてここでまた涙が…。そして彼が隠した大粒のピンク・ダイヤの噂を聞きつけた密売人アーチャーは、バーで出会った女性記者マディーと共にソロモンに接触する。この3人がそれぞれの思惑でピンク・ダイヤを追う。この過程が物語のメインなんだけど,それはそれは凄まじいまでの描写が続く。少年兵(というよりまだ子供)は銃をぶっ放すし,死は日常茶飯事。裏切りや賄賂なんて朝飯前って感じ。

彼ら3人の旅に終りはあるのか?そして未だに少年兵が20万人いるというアフリカの未来は?これを観て何も考えない人とは友達になりたくないです。




ラブソングができるまで

07年アメリカ 104分
[監][脚]マーク・ローレンス
[出]ヒュー・グラント/ドリュー・バリモア/ブラッド・ギャレット/クリステン・ジョンストン/ヘイリー・ベネット

80年代に一世を風靡したPoP!というバンドのビデオクリップが冒頭流れるのだが,これが傑作!あの当時そのままで知っている人なら大爆笑間違いなし。おまけにヒュー・グラントが若い。ほんとに昔のを引っ張り出してきたんじゃないかと思うくらいに違和感ゼロ。それに彼は歌も踊りも演奏も初めてというのだから,二重にびっくり。

今や元“ギャル”達を相手にしょぼくれたイベントで食いぶちを稼いでいるアレックス。とっくに上昇志向は消えうせ,なんとなくそれで満足している日々。ところが彼の大ファンであったという現在人気絶頂の歌姫コーラから曲の依頼が舞い込む。四苦八苦する彼の詞の面をサポートするのはなんと鉢植えの世話係のバイトのソフィー。果たして曲は完成するのか?そしてアレックスとソフィーの関係は?という物語でラブコメだからしてそんなにとっぴな展開があるわけではなくて,細かい設定,微妙な人間関係,周囲の人間達がいかに笑わせてくれるかっていうことだけど,さすがラブコメ帝王の二人が主演なだけあってもう大満足なのだ。

ただヒュー・グラントの見事なはじけっぷりからすると(腰振りダンスサイコー!)ドリュー・バリモアはちょっとおとなしめ。でもその分姉役クリステン・ジョンストンが大騒ぎで楽しい。歌姫のコーラの美しさとアホっぽさも格別。ヒュー・グラントはちょっとしわが増えて年取ってしまったな〜って感じだけどこの路線で60・70まで頑張ってほしい(気もする)。

ということでお気楽な映画を観てイヤなことは忘れたい!って人にはお勧め。




ロッキー・ザ・ファイナル

06年アメリカ 103分
[監][脚][出]シルベスター・スタローン
[出]バート・ヤング/アントニオ・ターバー/ジェラルディン・ヒューズ/トニー・バートン

観る前はいまさらロッキーはないだろう、落ち目のスタローン金が無くなったかってちょっと馬鹿にしてたけど、これがとっても良かったのだ。ロッキーは1と2しか観てないけどそれでも全然問題なし。ましてやロッキーに思い入れのある人なら感涙にむせぶこと間違いなしだよ。

現役を引退してレストランを経営しているロッキー・バルボア。客の前で昔話を披露する毎日だが心の中にはまだ熱い火が燃えていた。そしてあることがきっかけで、なんと現役のヘヴィー級チャンピオンと試合をする話が舞い込む。周りは反対するが…。

いくらなんでもそれはないだろ!って突っ込みたくなるストーリーだけどそれを納得させてしまうスタローンのボディが凄い。お肌のハリはなくなちゃったけど、その腕の太さ胸板の厚さ。これでホントに60歳かいな。トレーニングシーンは短いけれど、「1」を思い出してしまい、泣けるんだよね。アンタ、なんでそこまでやるの〜って感じ。

で、もちろん試合のシーンは凄まじい迫力で(マジで盛り上がる!)字幕なんて読んでいる暇はないのだが(でもリングサイドのあの有名人は不要、せっかくロッキーの世界に身を委ねていたのに現実に戻された感じ)、この映画の魅力は他にもある。それは年を取ってしまったロッキーの日常描写。愛した妻は死に、ダメ息子は彼に寄りつかない。若者には説教垂れちゃうし。そんな中「歳はとっても心だけは歳をとらないように」ってセリフがあって胸にズンと響いたね。私もそうなりたいものだ。

そしてエンドロールの映像も泣ける。スタローン=ロッキー→永遠のヒーローなんだなってことがよく分かって胸が熱くなるのだ。




サンシャイン 2057

07年アメリカ 108分
[監]ダニー・ボイル
[脚]アレックス・ガーランド
[出]キリアン・マーフィ/ミシェル・ヨー/クリス・エバンス/真田広之/クリフ・カーティス/ローズ・バーン

ミシェル・ヨーと真田広之が出ているけれども派手なアクションシーンはない。っていうか真田広之の出番少なすぎ。別にファンではないけれどちょっと残念。

地球滅亡の危機を宇宙飛行士が救う,というストーリーは何回も観たけど一番違うのは目的地に近づきつつある宇宙船の中だけで物語は進むこと。お約束の大統領の感動的な演説や人々のパニックシーンなどは全くない。大仰なヒロイズムとも無縁。爆発シーンなどはあるけれども全体的には静かな感じ。なので「アルマゲドン」系より印象としては「2001年宇宙の旅」に近いかも。

でも相手はでかいよ。なにせ太陽だからね。その太陽が死につつあり,そこに超巨大な核爆弾をぶち込みにイカロス2号が向かっている。乗組員はカネダを隊長とする8人,しかし予想もしないことが起こり…,という物語。とこれだけを聞くとよくあるスペースアドベンチャー物ねって感じになっちゃうのが弱点か。

地球にいる愛する人のために頑張る,って言うんじゃなくて目の前にある危機をどうやって回避するか,立ち向かうか。そしてそのための犠牲とどうやって折り合いをつけていくのか。というのをサスペンスたっぷりに描いていて,またリアルな映像も素晴らしく,安っぽいところが全然なくて見ごたえ十分。特にラスト近辺のサブリミナル効果が入った映像表現は素晴らしく怖い。

キャバの透き通るような蒼い瞳は最後に何を見たのか?
それを体験するためにも映画館のデカいスクリーンで観て感じて欲しい。




=お気に入りの映画(^0^)
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