No.167(7月15日)


憑神

07年日本 107分
[監]降旗康男
[原]浅田次郎
[出]妻夫木聡/西田敏行/赤井英和/香川照之/夏木マリ/佐々木蔵之介/笛木優子

ぬるい…,全てがぬるすぎるな〜。ギャグがてんこ盛りの時代劇かと思っていたのに笑いが控えめなのも残念。最後は妙にマジになっちゃうし。

幕末。平和で暇な毎日を送っている侍,彦四郎が怪しげな神社で出世を祈願するとなんと貧乏神、疫病神、死神と災いの神にとりつかれてしまったのだ。なんとかしてこの神々から逃れようとドタバタするのだが,果して彼の運命やいかに!?

3人の神の演技に疑問。マジで役に取り組んでる?子役はしょうがないとしても西田と赤井はもうちょいどうにかならなかったのかしら。ド素人の呪術にやっつけられる貧乏神,取り憑いた人間に惚れちゃう死神,なんて設定は楽しいんだけど。セットもチャチイし,テレビのスペシャル物で十分な感じ。

せっかく主人公があれだけの決意をしていながら本編の終りが盛り上がりに欠けるのはひじょうに残念。それに続くラストシーンは蛇足の極み。なんであんなシーンを足したの?

と文句ばかり言っちゃったけど,妻夫木のコミカル演技&クスクス笑えるところはいっぱいあるので観て損した〜って感じにはならないよ。




アドレナリン

06年アメリカ 94分
[監][脚]マーク・ネベルダインほか
[出]ジェーソン・ステイサム/エイミー・スマート/ホセ・パブロ・カンティーロ/エフレン・ラミレス

もうサイコーのおバカB級アクション爆笑ムービー!

宿敵リッキーから毒を打たれた殺し屋のシェブ。あと1時間の命と知ったシェブはリッキーへの復讐と解毒剤を手に入れるために奔走する,という単純明快な物語。傑作なのがこの毒の作用。死を遅らせるためにはアドレナリンを出し続けること。なので興奮し続けなければならない彼は周りの迷惑かえりみず走る,車やバイクで爆走,強盗,なんでもやるぞってことで,そりゃもうハチャメチャでんがな。シェブのおしりもたっぷり堪能できるし最後には恋人と街中で白昼堂々といたしちゃうしでノンストップなアクションと爆笑で絶好調。そうそう恋人がちょっとおまぬけっぽくてキュートなのもいいね。

果たして彼は復讐を果し,解毒剤を手に入れること出来るのか!?

頭がいいのか悪いのか,善人なのか悪人なのか,かっこいいのか悪いのか,そんなことを超越しちゃって飄々としているのが実にいい感じのステイサムにぴったり。

映画に知性を求める人には全く向かないけれども,映画は楽しければオッケーな人には超お勧め。




転校生 さよならあなた

07年日本 120分
[監][脚][編]大林宣彦
[出]蓮佛美沙子/森田直幸/清水美砂/厚木拓郎/寺島咲/石田ひかり

むかし,むかしのことになるが大林は大好きだったのだ。いつから観なくなったのか,それすら記憶にない。あの名作「転校生」を25年ぶりに自身でリメイク,と聞いて期待半分,不安半分だったのだ。で,旧作とは後半大分ストーリー変わっていたけど面白かったよ〜。美沙子ちゃんのあんなお姿も十分堪能できたし。さすがロリコン?な監督,脱がせ上手だねと拍手!それに信州の美しい景色も素晴らしかった。でも画面がず〜っと傾いているのは不安感みたいのを表現したかったのかも知れないけどちょっとやり過ぎな感じ。観ていて落ち着かないよ。

少年と少女の心と身体が入れ替わる設定(一美の男の子っぷりがほほ笑ましいし,すぐにベソベソ泣いちゃう一夫が愛おしい)は同じだけど後半はそれにもう一つ要素が加わって,より深みを増している。ラストでウルウルしちゃうのだ。一夫と一美で作った「さよならあなた」の曲と共により物語が心に刻まれる。ちょっと悲しいエンディングだけど子供から少年へとから成長した一夫が頼もしくて素敵。

でもそこに行くまでは主役二人だけじゃなくて周りの人も個性的な人ばかりでギャグ映画かっていうくらいに笑えた。二人の恋人アケミちゃんと山本君,一美のお父ちゃんと爺ちゃんもいい味出しているし。ということで大満足の青春ファンタジー。




ゾディアック

07年アメリカ 157分
[監]デビッド・フィンチャー
[原]ロバート・グレイスミス
[出]ジェイク・ギレンホール/ロバート・ダウニー・ジュニア/マーク・ラファロ/アンソニー・エドワーズ

予告編から連続殺人鬼ゾディアックからの暗号による挑戦の謎解き合戦サスペンスかと勝手に想像していたけど全然違った。69年にアメリカで起きた実際の事件を描いたもので、ドキュメンタリー風に淡々と描かれていく。とはいっても冒頭いきなり凄惨な殺人事件が起こってびっくりするんだけど。

事件を追う刑事や新聞記者の目線ではなく、パズル好きのイラストレーターのグレイスミス目線というのが新鮮で面白い。ジェイク・ギレンホールがいい味出しているし。もちろんロバート・ダウニー・ジュニアとマーク・ラファロも素敵だったのでもっと活躍させて欲しかった。って4時間ぐらい上映時間必要になっちゃうかも。後半は事件をきっかけに、というか自ら頭を突っ込みすぎて人生の歯車が狂っていく3人の男達(主にグレイスミス)を描いて緊張感が続いて2時間半があっという間。ただ20年以上の物語なのにみんな年取らないのがちょっと不自然。

殺人予告や暗号文を新聞社に送り付けるというメディアを利用した劇場型犯罪のオリジナル(?)なゾディアック。状況証拠や証言やらが次々と出てきてなんでこれで捕まらないの?ってイライラしちゃうんだけど、その頃の警察ってなんか迫力不足。指紋と筆跡鑑定が決め手、というのも今からみれば情けない。

まあ、そんなこんなで未だに捜査中の事件なのだよ。でも、ある結論を導き出しているのは大胆。だけど名誉棄損の訴訟を起こされたらやばくないのかしら?

大勢には影響ないけど、気になるのがタクシーを真俯瞰で追うシーンがなんか不思議な雰囲気なこと。ひょっとしてCG?




きみにしか聞こえない

07年日本 107分
[監]荻島達也
[脚]金杉弘子
[出]成海璃子/小出恵介/片瀬那奈/八千草薫/中野英雄/古手川祐子

数年前に原作を読んですっごく面白かったので期待度大であった。
おもちゃの携帯とシンヤの身体的特徴が原作とは違っていて、それがラストでちゃんと効果的に使われているのが素晴らしい。原作ではあまり語られなかったシンヤの静かな暮らしぶりと彼の優しい心が伝わってくるのもホッとする。彼のおばあさん役の八千草薫もうまくてシンヤとのやりとりがほほ笑ましくていいのだ。もう一人重要な女性が出てくるのだけれど、この女性とヒロインのリョウとの関係が映画では全然分からないのは残念。この女性をいっそおばあさんにしたら違う見せ方も出来たのではないかしら。原作は短編ですぐ読めちゃうので是非読んでみて。

横浜に住む孤独な女子高生リョウ(話す相手がいないから携帯持ってない)は公園でおもちゃの携帯を拾う。不思議なことにそれから長野に住む青年シンヤの声が聞こえてくる。何度も話すうちに仲よくなっていく二人なのだ。

この脳内電話の設定がうまくて、それがラストでサスペンスな展開になって泣けてきちゃうんだ。ストーリーが分かっていても「え〜、そんなぁ」って切ないよ。

人間ってちょっとしたことで落ち込んで、それが負の連鎖になって、ってよくあるけど、またその逆もあるってことで些細なことがきっかけでまた浮上するんだよね。そして君は一人じゃないってこと。そのメッセージが優しく心にしみてくるよ。

リョウとシンヤのいる場所が重なるように映像として流れるエンドロールも泣けちゃうんだな。

短編小説をふくらませて原作以上の感動を得ることができる映画でお得感倍増。

成海璃子って14歳なの?ずっと実年齢を演じているのだと思っていたよ。びっくり。




ストレンジャー・コール

06年アメリカ 87分
[監]サイモン・ウェスト
[脚]ジェイク・ウェイド・ウォール
[出]カミーラ・ベル/ケイティ・キャシディ/ブライアン・ジェラティ

直球一発勝負!余計な伏線,エロなサービスカット一切なし!観客をいかに怖がらせるかだけに情熱を傾けた面白サスペンス映画。って観る前はホラーだと勘違いしていたのだが…。

演出と重低音なおどろおどろしい音楽で何気ないシーンでもドキドキ,ハラハラで心臓に悪いよ。これだけ恐怖演出がお見事なのに血が一滴も出てこないのにも感心。直接的な残酷描写が苦手な人でも目を覆うことなく楽しめること確実。

ベビーシッターで人里離れた広大なお屋敷を訪れた女子高生ジル。ところが頻繁にかかってくる気味の悪いイタズラ電話が原因でジルは恐怖のどん底に突き落とされることになるのだ。で,このお屋敷がホラーにありがちな古色蒼然としたものでなくて,自動点灯,セキュリティー万全,本物のセレブの内装で誰もがうらやむハイテク超豪華なお屋敷なのね。でもそこを舞台にすることで更なる恐怖が生まれてくるのだ。

プロポーション抜群で眉毛の太いジルちゃんが恐怖に脅える姿がこれまたいいのよ。ほとんど彼女の独り芝居なのだけれど,もっと観ていたい感じだよ。




300(サンビャク)

07年アメリカ 117分
[監][脚]ザック・スナイダー
[原][総]フランク・ミラー
[原]リン・バーリ
[出]ジェラルド・バトラー/レナ・ヘディー/デビッド・ウェナム/ドミニク・ウェスト

筋肉フェチにはたまらない映画ですな。全ての男がマッチョマッチョの素晴らしい肉体でそれを見せつける半裸の甲冑がこれまたいいのだ。実際は重装備だったらしいけどこの映画は史実なんてどうでもいいじゃん,面白ければなんでもあり,なエンタテイメントなのが潔くて良いわ。

紀元前480年,東方の大帝国ペルシアがギリシアに宣戦布告してきた。スパルタの王・レオニダスは,開戦を決意。彼のもとに集った300人の精鋭を率いて,100万人ものペルシア軍を狭い山道で迎え撃つ作戦に出る。果たして彼らの運命は!?

この国は戦士にあらずんば男じゃないというくらいに徹底していて,だからこの300人はそれはそれは凄いのよ。闘争心と力では並の戦士の何十倍もあるんではないかしら。それでもさすがに多勢に無勢,勝ちはほとんど望めない。そんな戦に向かう男達の心情が説得力を持って描いてある。

最近のこういう映画だとCGに頼って大勢をごちゃごちゃ撮って戦いのシーンにするけど,個々の戦いを描いて迫力満点。それに絵的に美しいのよ。首が飛んだり,足をちょんぎられたりという場面でもそれほどスプラッターな感じがしないのね。それに笑っちゃうのがギリシャ軍。ほとんどファンタジーの住人で異様な出で立ちが楽しい。

変な裏読みなどしないで単純に楽しむが勝ちの映画だね。




プレステージ

06年アメリカ 130分
[監][脚]クリストファー・ノーラン
[出]ヒュー・ジャックマン/クリスチャン・ベール/スカーレット・ヨハンソン/マイケル・ケイン

予告編ではつまらなそう,と感じたけど本編は……,やっぱりあんまり楽しめなかった。

脱出マジックってあんまり好きじゃないのね。テーブルマジックの方が好み。大昔,マリックさん(大ファンだった)のマジックを何回か目の前で観て(入場料500〜1000円,観客20〜30人くらい)そのあまりの凄さに度肝を抜かれたよ。

それに映画でどんなに凄いマジックを見せられても驚きはしないものな。最初に鳥カゴ消失の種明かしがあるんだけど,あれホンマかいな?この映画の一番のびっくり場面かも。まあ,でもマジックを見せることが主題ではなくて若くて有望なマジシャンのロバートとアルフレッドの確執を描いた映画なの。二人はお互いの才能を認めながら,ある事故をきっかけに犬猿の仲になり,復習心を持ちながら競い合っていく。その執念は次第に常軌を逸し,周囲を巻き込み不幸にして行く。というものだけど誰にも感情移入できないし,そんなにこだわるなよ,とかそこまでするか,って思っちゃうの。なので男二人の幼児的なケンカよりもスカーレット・ヨハンソンをもっと見せろよ,って感じ。

ラストは決して話さないで下さい,って割には途中でネタ分かっちゃうし。でも「メメント」ほど時間軸をいじってないので分かりやすいのはいいね。っていうより時間軸通りに話を進めた方が面白かったのではないかしら?




パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド

07年アメリカ 169分
[監]ゴア・バービンスキー
[製]ジェリー・ブラッカイマー
[出]ジョニー・デップ/オーランド・ブルーム/キーラ・ナイトレイ/ジェフリー・ラッシュ/チョウ・ユンファ

な、長い…。おまけにつまらない。なので途中で出ようかと思ったくらい。でも最後まで観て、そして長〜いエンドロールの後の映像を観たら、なんか全て許してしまったよ。なので最後の最後の映像を観ないで席を立った人は歯噛みして悔しがるのではないかしら。

お話は前作の完全な続きでウィルとエリザベスが伝説の海賊たちに結束を呼びかけ、行方不明となったジャックの捜索に向かうというもの。

お金がかかっているのは分かるけどアクションにもストーリーにも全然わくわくしないのだ。おまけに笑えるところがほとんどないのもつらい。主演3人の出番が少ないのに他の人物に魅力がない、とないない尽くし。ジャックがいっぱい出てきたり、キースが出てきたりというのも小手先のごまかしっぽいし。一番がっくりきたのがカリプソ。あれだけ煽っておいてアレはないよな〜。だったら最初から外して上映時間をもっとコンパクトに!って思ったよ。

あっ、でもキーラ嬢の相変わらずのお美しさにはうっとり。しばしの目の保養になった。

ということで蜘蛛男3、海賊3と立て続けに不満足な感じだが緑色の怪物3はどうかな?こっちはかなり期待しているのだが。




ザ・シューター 極大射程

07年アメリカ 125分
[監]アントワーン・フークア
[原]スティーブン・ハンター
[出]マーク・ウォールバーグ/マイケル・ペーニャ/ダニー・グローバー/ケイト・マーラ

数年前に原作を読んですっごく面白かったけどマーク・ウォールバーグかぁ〜、なんかイメージ違わない?って危惧してたけどそんなことは全然なくて元スナイパーなマッチョをかっこよく演じていたよ。

海兵隊の任務で相棒を亡くし、山奥で引退生活を送るスワガー。狙撃の腕を見込まれ、大統領暗殺計画を防ぐよう依頼される。しかし暗殺計画は実行され、おまけに陰謀によりスワガーは犯人として追われてしまう。

で、この逃亡激&疑いを晴らすための反撃がメインで多々おバカな設定が目に付くけれども(アンタ大けがしたんじゃなかったっけ?新人FBIがそんなに活躍するか!?等々)、そんなことは気にせずにとにかく突っ走れ〜って清いのがいいね。カーチェイスや派手なアクションも盛りだくさん。長距離の狙撃シーンも緊張感溢れる。おまけにヒロインが美人で巨乳で好みだわ〜。ただしラブシーンはないよ。

原作の細かいところは忘却の彼方なのでどの程度変更しているのか分からないけど、お気楽に観られるアクション大作ということでスカッとしたい時には最適。




=お気に入りの映画(^0^)
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