No.173(12月31日)


椿三十郎

07年日本 119分
[監]森田芳光
[脚]黒澤明ほか
[出]織田裕二/豊川悦司/松山ケンイチ/鈴木杏/中村玉緒

オリジナルは大好き。
果たして同じ脚本を使って森田芳光はどのように料理するのか。
で,ひょっとして構図もほとんど同じ?というくらいに
そのまんま,という印象。(なので逆に違和感が…)
織田裕二,豊川悦司その他みんな役者が良かったので
見ごたえのある作品にはなっているけれど
昔の作品に思い入れのある私にとってはビミョー。
でも始めて観たと仮定したら大絶賛しただろう。

上役の汚職を暴こうと井坂ら9人の若侍が社殿に集まるが,敵に取り囲まれてしまう。
そこへひとりの浪人が現れ機転を利かせ危機は去る。
おまけにその浪人は彼らを助けてくれるというのだ。

緊張感のあるストーリー展開の合間に
間抜けな浪士たちと三十郎のやりとり,奥方達ののんびり具合に爆笑。
この絶妙なるバランスが光る脚本は素晴らしい。

やっぱりオリジナルは超えられなかった。
織田裕二は頑張っているけどあの三船の迫力には誰も適わないということ。
これは致し方ないよ。




カンナさん大成功です!

06年韓国 116分
[監][脚]キム・ヨンファ
[脚]ノー・ヘヨン
[出]チュ・ジンモ/キム・アジュン/ソ・ユン

年末年始一番のお勧め!
大爆笑の連続の後にホロッと来る,という大好きなパターン。
ラブコメとは言ってもあんまりラブラブってことはなく
友人との確執,家族愛などが良い具合にきいている。
そして素晴らしいのがコンサートのシーン。
大量のエキストラと豪華なセットと解放感のある歌
(キム・アジュン本人が歌っている)で何度でも観たくなる名場面。
原作は日本の漫画だけどストーリーはほとんどオリジナルらしい。

身長169cm、体重95kgの女性歌手カンナは、
歌の下手な人気歌手(ルックスは抜群)を裏で支えるゴーストシンガー。
ある日、彼女は密かに思いを寄せるプロデューサーの
自分の容姿に対する本音を聞いてしまい,失意のあまり自殺を決意する。

と書くとドヨヨ〜ンと暗い話しに思えちゃうけど
驚異の特殊メイク(アップでも自然)とキム・アジュンのコミカルな演技と
彼女の親友のいかにもな助言等で爆笑の連続。

そして彼女は全身整形で48kgのナイスボディーを手に入れるのだ!
ここからがさらにパワーアップでいきなり美女になったもんだから
オドオドしているままだし,更に美女と出会った男性達の反応に
またまた大爆笑。
友人やプロデューサーとの再会なんか涙が出るほど笑ってしまった。
ここら辺本当にうまいわ。

整形によって得るもの,捨てざるを得ないもの,心理描写も自然な感じで
それがラストで涙を誘う。
キム・アジュンの自然な可愛さがこの映画の最大のポイント。
「アベ・マリア」は韓国で大ヒットしたそうだ。
しかしなぜにエンドロールでは日本人の歌を流すかな〜(怒)。




アイ・アム・レジェンド

07年アメリカ 100分
[監]フランシス・ローレンス
[出]ウィル・スミス/アリス・ブラガ/サリー・リチャードソン=ホイットフィールド

3年前に人類を襲った未曾有の危機により、
NYで生き残っているのは科学者のネビルと愛犬サムだけだった。
この廃墟と化したNYで孤独なサバイバルを展開する冒頭が素晴らしい。
見慣れた街には誰もおらずアスファルトのすき間から雑草が生えている。
車は全て捨てられ,ハトとカラスだけがギャーギャーとうるさい。
CGとセットの組み合わせだと思うけど現実感いっぱいで恐怖を感じる。
(頻繁に挿入される家族との別れのシーンが効果的)
そこを車で疾走,鹿を狩ってたりする。
ウィル・スミスの筋肉美も観られてお得。

とは言っても食べるものや住居には何の不自由もないのがひっ迫感に欠けるし
自分で仕掛けた罠にかかってしまうなどのお間抜けなところも笑える。
まあ,それが元で最大の危機を迎えるわけだが。

で,後半の展開はこの手のものが初めての人(ウィル・スミスの名前と
大作風な作りに釣られて知らずに観てしまった,という人)
には楽しめるだろうけど
今まで散々語り尽くされたものなので「なんだかな〜」ってのが
正直なところ。
それに前半の効果的なCGと違って,アレを全部CGで処理したのは
失敗だったような気がする。恐怖感が伝わってこない。

製作費をふんだんに使ってA級のふりしてるけど
中身はB級映画な雰囲気でなんか座り心地が悪いのだ。




スリザー

06年アメリカ 96分
[監][脚]ジェームズ・ガン
[出]ネイサン・フィリオン/エリザベス・バンクス/マイケル・ルーカー/グレッグ・ヘンリー

冒頭,宇宙空間を「ゴォ〜」と物凄い音を立てて爆進する隕石。
これを観ただけでB級の匂いが香ってきてうれしくなってしまった。
この手のホラーが好きな人にはたまらんわ。
それ以外の人にはどうなんでしょ。なんじゃこりゃって怒る人もいるかも。

とある田舎町に宇宙生命体が付着する隕石が落下。
グラントにとりついた生命体は彼の体内で増殖する。
彼を追う警察官たちも生命体に脳を支配され、すぐに町中にはびこる事になる。
果たして住人達の運命やいかに。いやこの調子では地球滅亡も数日後か!?

とストーリーを書いても意味なし。
見事にお約束通りに事は運ぶのだもの。

いかにドロドログチャグチャか。(ナメクジの造形,
グラントの変身,そして人間が縦に真っ二つのヴィジュアルが素晴らしい。)
美女は出てくるか,エロはどうか(ちょっと物足りない)。
ツッコミどころは満載か(笑えるシーンいっぱい)。
そしてグラントの自分の妻スターラに対する愛に涙するのだ。

エンドロールの後にこれまたお約束の映像があるのもうれしい。

ということで大満足なのであった。




ベオウルフ 呪われし勇者

07年アメリカ 114分
[監][製]ロバート・ゼメキス
[出]レイ・ウィンストン/アンソニー・ホプキンス/ジョン・マルコビッチ/ロビン・ライト・ペン/ アンジェリーナ・ジョリー

人間も背景も全てCGという事を知らなくて
なんで時々背景がCGになるのか理解不能と言っている人がいたというほど
素晴らしい出来上がり。
「ポーラー・エクスプレス」ではちょっと人形っぽいところもあったけど,
今回ほとんど違和感なしで気持ち悪いくらいにそっくり。
そのCGアニメのおかげでレイ・ウィンストンは完璧な肉体美だし
アンジェリーナ・ジョリーのナイスボディーは30%増しの美しさ。
男にとっても女にとっても生唾ごっくんだ。

だってレイ演じるベオウルフは魔物と戦うのにわざわざオールヌードになるのだもの。
おまけにフルチンでヌメヌメの肌にベッタリしがみつくというおぞましさ。
(魔物に同情…)
そして全裸で沼から上がってくるアンジェリーナの完璧ボディーと妖しさにクラクラ。

と,完璧なのにお妃があまり美しくないのは大不満。表情もイマイチだし。

もちろんストーリーも素晴らしく単なるヒーローものではなく
弱さ(スケベ心?)故の過ちを犯したりする。ってそれが災いを招くのだけれど。
(元ネタは現存する最古の英語叙事詩)

デンマーク王の宮殿に、宴の騒ぎを嫌った巨大な化物が襲い掛かる。
甚大な被害を受け途方にくれる彼らの前に、
海の向こうから勇者ベオウルフが仲間と共に怪物退治にやって来た。
果たして怪物を退治する事が出来るのか!?
そして呪われた輪廻を断ち切る事が出来るのか!?
この歴代勇者とのセクシーな関係のループ構造が作品に深みを与えている。

ドラゴンとの空中戦もかっこいいし縦横無尽なカメラワークも素敵。
実写とアニメの中間のような不思議な質感もこの手のファンタジー物にはぴったり。

でも3D上映館で観れば良かったな〜,と後悔。




=お気に入りの映画(^0^)
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