| スペース・トラッカー(96年米) 監:スチュアート・ゴードン 出:デニス・ホッパー/スティーブン・ドーフ/デビ・メイザー 遠い未来の宇宙でのお話、一匹狼のフリーのトラック野郎(D・ホッパー)がとってもヤバイ荷物を地球まで運ぶことになってしまった。助手になったのが恋敵でもある若造(S・ドーフ)、おまけに当の女性までついてきてしまって小災難、宇宙海賊に襲われて大災難、荷物が暴走を初めて究極の災難、と宇宙は大騒ぎのとっても楽しいスペース・オペラ。ホッパーとドーフ、個性派同士のオマヌケ対決が笑える。スクリーミング・マッド・ジョージと空山基の手による殺人ロボットの動きが忍者っぽいのもグーです。 |
| ★フェイク(97年米) 監:マイク・ニューウェル 出:アル・パチーノ/ジョニー・デップ マフィア物と言ってもドンパチの派手な映画ではなく、男と男の友情、切ない心を描いています。FBIの潜入捜査官ドニー・ブラスコと、彼を息子のように大事にし、信頼するマフィアのレフティの二人の物語。ドニーには妻と娘がいるんだけど、長期間に渡る潜入捜査のため崩壊寸前、自分もだんだん気持ちが荒んでいくんだけどどうにもできない状態を常に緊迫感を持って演じています。何度もばれそうになるんだけどそれは即、死を意味するという緊張感の連続。対してレフティは長年裏の世界にいるんだけどイマイチ波にのれなくて大きな仕事からは外されてしまうような窓際族(?)。このレフティを演ずるパチーノがいいんですわ。いつか一発当ててやろう、そして愛する人を幸せにしてやろうと思っているんだけど、どうにもならないもどかしさ、悲しさが出ていて泣けてきちゃいます。胸にズシンと来る6年間の真実の物語。 |
| ★セブン・イヤー・イン・チベット(97年米) 監:ジャン=ジャック・アノー 出:ブラッド・ピット/デビット・シューリス/B・D・ウォン 1933年オーストリアの登山家ハインリヒ・ハラーはヒマラヤ登頂に旅立つが途中で戦争が勃発、一隊は英国の捕虜となる。このピット演ずるハラー、とことんやなやつなんだよね。利己的で英雄気取り、協調性ゼロ。そんなんで山登ってたらいつか死ぬゾって感じ。収容所から何度も脱走を試みるんだけども仲間からは警備が強化されると文句を言われる始末。んでも、脱走に成功して隊のペーターと共にチベットのラサに到着。その間の苦しい旅、ラサに到着してからの暮らし、ダライ・ラマとの交流によって人間的に成長して大きくなっていくハインリヒ、そうこれは悪ガキの成長物語でもあるわけです。そして少年時代のダライ・ラマ役のジャムヤン・ジャムツォ・ワンジュクがいい! 知識欲おう盛な澄んだ瞳、人並外れた好奇心、素晴らしい笑顔、引き込まれます。この映画が素晴らしいものとなったのはペーター役のデビット、美しい仕立屋のラクパ・ツァムチョエ他、役者が皆最高の演技を見せているからこそですね。胸にズシンと来る7年間の真実の物語。 |
| ★ナッシング・トゥ・ルーズ(97年米) 監:スティーブ・オーデカーク 出:ティム・ロビンス/マーティン・ローレンス 広告会社の重役ニックは仕事は順調、愛する妻との仲もいいとうらやましくなってしまうほど。ところが突然妻の浮気が発覚、なんと相手が上司だったのだ。自暴自棄になって車を走らせているときに強盗のポールが銃を突き付けてきた。ヤケになった男ほど怖いものはないんですね〜。かくして人生捨ててしまったニックと彼に巻き込まれてしまったチンピラポールの大暴走が始まる。大きな体に童顔のティム・ロビンスがすっとぼけてキレた男、嵐のように喋りまくるマーティン・ローレンス、この二人の絶妙なるコンビが大爆笑を誘います。転がる石のようにどんどん破滅へ向かう二人に果たして救いの道は開けるのか!? 奇想天外なストーリーが抜群、おもろいよ。エンドクレジットが終わった後にもお楽しみがあるので最後の最後まで観るように。ゴールデン・ウィーク公開予定。 |
| ★マッド・シティ(97年米) 監: 出:ダスティン・ホフマン/ジョン・トラボルタ ジョン・トラボルタ演じるちょっとだけおつむが弱くて善良な男が博物館の警備員を首になったことに抗議しようと人質を取って博物館に立てこもる。そこに居合わせたTVリポーターのダスティン・ホフマンが中継を始めてしまったことから大事件となって全米中の注目の的となってしまう。博物館の中と外の大混乱、どうしてよいか分からずオロオロする犯人、これを機に中央に返り咲きたいリポーター。でもしだいに彼は犯人を助けたくなり、なんとかことを有利に運ぼうと苦心する。二人のつかの間の友情が泣けてきます。マスコミ、大衆への皮肉がいっぱいで情報のもろさ、欺瞞、操作、まじめに考えるとけっこう怖いかも。春公開予定。 |
| コップ・ランド(97年米) 監:ジェームズ・マンゴールド 出:シルヴェスタ・スタローン/ハーヴェイ・カイテル/レイ・リオッタ/ロバート・デ・ニーロ この作品で演技派に転向した! とスタローン本人は言ってるそうですが...。やっぱり老人になってもアクションをやってたほうがいいんでないかしら。ランボー13とか撮って孫に助けられながら危機を脱するとかね。でも役作りのために頑張ってなったオデブはすごいですよ〜(ハーヴェイ・カイテルのお腹も真っ青)。お話の方も大スターの共演の割にはイマイチ盛り上がらないし説得力に欠けるのがつらい。NY市警の警官が多く住むコップランドと呼ばれている街で保安官フレディ(スタローン)は事なかれ主義の無力な存在だったが、管内で起こった警官による誤射事件がもとでトラブルに巻き込まれ、立ち上がらざるを得なくなっていく。警察の腐敗って現実にも起こりうることだと思うと怖いですね。2月公開予定。 |
| ★スリング・ブレイド(96年米) 監・出:ビリー・ボブ・ソーントーン 出:ドワイト・ヨーカム/J・T・ウォルシュ/ルーカス・ブラック こういう話に私弱いです。監督・脚本・主演のソーントーンが知的障害者を演じているんだけど抑えた演技、無表情にも関わらず、そこからにじみ出てくる悲しさに圧倒され、孤独と怒りをたたえたまなざしのルーカス少年の熱演も胸にグっときます。殺人を犯して入れられていた精神病院から25年ぶりに退院して故郷に帰ってきたカール。そこで少年と出会い、心を通わせていく。この少年もかなり不幸な境遇でその母親とともにカールにとっては絶対に守るべき大事な人となる。温かな周囲の人たちにも恵まれて本来の性格であるカールの限りない優しさがとても愛しい。このままず〜っと続いてハッピーエンドになればいいのにと思うんだけどやっぱり幸せは長くは続かないんだよね。彼の最後の決断の重さには胸がはりさけそうです。あまりにも哀しいです。 |
| CURE(97年日) 監:黒沢清 出:役所弘司/うじきつよし/萩原聖人 のど元から胸にかけてXの傷跡が残る殺人事件が連続して起こる。それぞれの事件で犯人はすぐに逮捕されるが彼らに共通するものはなにもない。刑事の高部(役所)は心理学者の佐久間の助けを借りて共通項を見いだそうとする。この佐久間を演じているのがなんとうじきつよし。いや〜懐かしいですね。昔子供バンドのライブによく行きました。味のある役者にいつの間にかなっていたんですね〜。んで、高部には家庭にも問題があり進まない捜査に余計に苛立つ。という前半部分はすごく面白いんですが、犯人が逮捕されてからの展開にちょっと盛り上がりに欠ける気がして残念。けど重低音のノイズを多用して観客の不安感をあおったり、広い画面にポツンと一人だけ映っていたりが、スプラッターな場面より怖かったりします。前作の「地獄の警備員」と同様日本的なおん念、しがらみなどを感じさせない作りは好きです。日本映画を観るといつも思うんですがもうちょっと予算があればな〜という場面がいくつかあるのが哀しいですね。ラストシーン、高部の開放されすっきりした顔がいつまでも頭から離れません。 |
| ポネット(96年仏) 監:ジャック・ドワイヨン 出:ビクトワール・ティビソル/デルフィーヌ・シルツアマチウス=ビューロー・カトン 4歳でベネチア国際映画祭で主演女優賞を獲得したビクトワールに完全に脱帽。頑固さ、気丈さ、笑顔、泣き顔が全ていとおしいです。特に泣き顔、こっちまでもらい泣きしちゃいそうです。そう、彼女の一挙手一投足を観察する映画と言ってもいいかもしれない(?)。交通事故で母親を亡くした4歳の少女ポネット、彼女はどうしてもそれを理解できずに、いつまでも待ち続ける。そんな彼女を従兄弟や友人達が慰め、励ますのだけれどなかなか笑顔を見せない。全編カメラが子供の目線で動いておりまるで自分も子供に戻ってポネットと一緒に泣いたり笑ったりしているようです。しかし、恐るべしフランスの子供たち。あんなに小さいのに愛を語っちゃうんですよ〜。 |