Cinema Hei-san No.28(9月21日号)

夢翔ける人 色情男女(96年香港)

監・脚:イー・トンシン
出:レスリー・チャン/スー・チー

L・チャンが扮するのは売れない監督で、それって悲しいのね。恋人になんとか食わせてもらっている毎日。やっと作品を撮らせてもらえると行ってみたらポルノ映画なんですよ。それだけでも屈辱なのに主演女優はヘタな上にやる気のなさ、路上でのゲリラ撮影等々、もう撮影現場は問題だらけ。おまけにこの監督、白日夢を見ちゃうもんだからさらに混乱。果たして映画は完成するのか! 主演女優を演じているスー・チーがとっても素敵。ポルノながらもだんだん演技に目覚めていく過程はスリリング。でも最終的には普通の幸せを求めてたりしちゃうところが可愛い(裸を惜しげもなく披露してくれるのも良かったりして)。ラストでのスー・チーと男優のカラミの映像がムチャクチャかっこいいんですよ。イー・トンシンはこの数分間を見せたいがために“夢翔ける人”を撮ったのか?


アナスタシア(97年米)

監:ドン・ブルース/ゲーリー・ゴールドマン
脚:スーザン・ゴッシュ
声:メグ・ライアン/ジョン・キューザック

なんかできの悪いディズニー・アニメを見ている気分だったな〜、なんて言ったら言い過ぎですけどね〜。なぜアメリカ製のアニメってどこが作ってもディズニー調になっちゃうのかしら。ロシア革命に巻き込まれ記憶喪失になったロマノフ王朝の皇女、アナスタシアの数奇な運命を描いたアニメミュージカルなんだけど、アナスタシアと彼女を利用しようとしているサギ師ディミトリ、この主役二人があまり魅力的じゃないんだよね。怪僧ラスプーチンとその手下の白いコウモリもちょっと中途半端な扱いでもったいない。でも、一時も休まずダイナミックに動き続けるアニメの技術はすごいですよね。


フラッド(98年米)

監:ミカエル・ソロモン
脚:グラハム・ヨスト
出:クリスチャン・スレイター/モーガン・フリーマン/ミニー・ドライバー

大洪水に見舞われ、住民のほとんどが非難した街で動きのとれなくなった現金輸送車が強盗団に襲われる。乗り合わせていたセキュリティー・ポリスのトムと強盗団の戦いのお話し。水没しかかった街の描写は大迫力で、その中でのボートやジェット・スキーでのチェイスも手に汗握ります。が、映画全体を観るとどうもイマイチ盛り上がりに欠けるんだよね。メリハリがないのかな。ダラダラと同じようなチェイスシーン、銃撃戦、そりゃちょっとご都合主義すぎない?って思うところが目立っちゃいました。それに、これは仕方ないとは思うのですが水がきれいすぎるので現実感が余計に遠のいちゃうんですよね。正義の人を演じることが多かったモーガン・フリーマンの悪役ってのも渋くていいですね。


スプリガン(98年日)

監・脚:川崎博嗣
声:森久保祥太郎

ひょっとして原作を読んでないと面白さが分からないのかな。アニメ的な動き、カメラアングル、スピード感などどれも素晴らしいんだけどストーリーが舌足らずで映画自体に興奮するってのがなかったのが残念。大友克洋が総監修を務めたもので、ノアの箱船のパワーを手に入れようとする超能力少年と、それを阻止する役目を負っている特殊工作員スプリガンたちの戦いを描いています。


スライディング・ドア(97年米・英)

監・脚:ピーター・ホーウィット
出:グウィネス・パルトロウ/ジョン・ハンナ/ジョン・リンチ

今、いる世界の直ぐ隣にちょっとだけ違った別の世界があり、またその隣にも...、っていう多次元宇宙・パラレルワールドをラブ・ストーリーで味付けしました、という感じかな。ヘレンが電車に乗って帰宅しようとしたところ、恋人の浮気現場を目撃、家を飛びだし電車で知りあったジェームズと仲よくなる。一方、電車に乗れなかった方の世界では恋人にだまされ続けダラダラと暮らしている。別々の映画だったらどっちもたいしたお話ではないけど2つの話が同時進行、時にはシンクロしていくのがおもしろい。話が進行するに連れて果たして2つの世界は平行したままなのか、それとも1つに収束するのかというの興味が湧いてくるんだけど、お〜、そう来ましたか〜。意外や意外。ラストは観てのお楽しみ。ただ1つだけ残念なのが、G・パルトロウが僕の好みじゃないってことですね。


プライべート・ライアン(98年米)

監:スティーブン・スピルバーグ
脚:ロバート・ロダット
出:トム・ハンクス/トム・サイズモア/エドワード・バーンズ/マット・デイモン

こ、これは凄すぎる戦争映画。リアル過ぎて気持ち悪いくらいです。特に冒頭30分、ノルマンディーの海岸での戦いは気分悪くなる人が出てもおかしくないですよ。リアルな映像と音の洪水で悪夢を見ているよう。でも時間が経つに連れて怖い、気持ち悪いという感覚が麻痺していく自分に気づいてがく然とします。ジョン・ミラー大尉を筆頭に8人の兵士にライアン二等兵を探し出し、連れて帰ってこいという命令が下った。ライアンの兄3人が同時に戦死したため母親の元へ届けろというのだ。たった一人を助けるためになぜ8人が命を賭けなければいけないのか。矛盾を抱えながらも過酷な行進が続く。というストーリーはあるけれど、これはその超リアルな戦争を体験して、考えるというのに主眼を置いた映画でしょう。


★=僕のお気に入りの映画(^0^)

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