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★あの夏、いちばん静かな海。(91年日) 監:北野武 出:真木蔵人/大島弘子 うまい!パチパチパチ!ズルズルズル(拍手と鼻をすする音)青春映画の傑作の登場だ。会話、動き、展開の極端な省略が観る側の想像力をおおいに刺激する。主演の二人がとってもいい。せりふがなくても思いがびんびん伝わってくる。適度な笑いもあって眼が話せない。ず〜っと、終わりまで淡々と引っ張ってきてタイトルバックのアレはうまいというかずるいというか涙ぼろぼろだよ。 客途秋恨(90年香港・台湾) 監:アン・ホイ 出:ルー・シャオフェン/マギー・チャン 中国人と結婚して香港に移り住んでいる母親と彼女をあまり良く思っていない娘とが湯布院(母の故郷)を訪れることによってお互いのことが少しずつ理解できるようになっていくという物語です。母親が外国人としての中国での結婚生活の心細さを娘が日本でちょっぴり味わったりしてお話し自体はしみじみとして面白い。しかし!母が話す日本語の吹き替えの言語を絶する不自然さはあんまりだ。悲劇が喜劇になってしまうよ。 無秩序な少女(89年仏) 監:ヤニック・ベロン 出:エマニュエル・ベアール/ロペール・オッセン あの超可愛いエマニュエル・ベアールがシャブ中で自堕落な一児の母親という汚れ役を見事に演じている。更生施設で演劇をやることによって立ち直っていくというありがちなストーリーながら彼女の魅力でラストまで一気に突っ走るぞ。 テルマ&ルイーズ(91年米) 監:リドリー・スコット 出:スーザン・サランドン/ジーナ・デイビス 中年主婦二人が旅に出てちょっと羽目を外したばかりに雪ダルマ式に大災難が降りかかってくる。始めは仲違いしたり泣き言を言っていた二人がたくましくかっこいい悪に変身していく過程が小気味良くラストの悲劇が爽快に感じられるほどだ。女性男性に関係なく二人の絆が強まるのは異常事態を乗り切った時だ。ましてやこれだけとびっきりの事件ならば尚更だね。この映画はどちらかと言うと女性の方が拍手喝采を送りたくなるんじゃないかな。ただしラストの余韻を味わう余裕を与えないエンドクレジットの処理はおおいに疑問を感じてしまう。 遊びの時間は終わらない(91年日) 監:結城良照 出:本木雅弘/石橋蓮司/西川忠志 防犯訓練で銀行強盗に扮した巡査が職務に忠実なあまり強盗になりきってしまい、マスコミと弥次馬を引き込み警察を相手に一騒動、というハチャメチャギャグ映画。前半はムチャクチャ快調で大爆笑の嵐です。しかし後半になると途端に間延びしてきてギャグも低調になってしまうのがちと残念。かっこいいんだけれどもちょっとおマヌケというキャラクターを演じている本木がお見事で光ってます。 心の旅(91年米) 監:マイク・ニコルズ 出:ハリソン・フォード/アネット・ベニング なんと単なる難病克服物語であった。暴漢に銃で打たれ記憶を無くしてしまった非情でやり手の弁護士が家族の愛によって回復していくのだが、最近アメリカ映画で流行りのファミリーが一番、みんなで手を取り合って生きていこうねというラストにはちょっとしらけます。記憶を無くして今までの仕事第一主義の生き方を自ら全て否定してしまうのはあんまりと言えばあんまりな展開だ。 トムとローラ(90年仏) 監:ベルトラン・アルテュイス 出:ニール・スタッブス/メロディー・コラン 生まれたときから無菌カプセルに入れられている10才の男の子と女の子がふとしたはずみから外へ出ることを覚えてしまい病院の中を夜毎“大冒険”するのだが医者に見つかってしまい…、という物語をファンタジーっぽく描いていて面白いのだが見ている間ずっと「こんなに監視の緩い大病院があるのだろうか」と気になって仕方がなかった。これは大減点ですね。 冬の旅(85年仏) 監:アニエス・ヴァルダ 出:サンドリーヌ・ボネール/マーシャ・メリル いきなり主人公の少女の泥まみれの死体で始まるのには驚いた。その最後の数日間を彼女の関わった人達の証言で映画は進行していく。こういうストーリーのない映画は苦手だし、この少女が単なる怠けもので小汚いだけの浮浪者にしか思えなかった私は後半からは早く死んじゃえばいいのにと退屈してしまった。しかしこの少女を演じたヴァルダってのは不思議な魅力を持った人ですね。他の映画を見てみたい気もする。 ★訴訟(91年米) 監:マイケル・アプテッド 出:ジーン・ハックマン/メアリー・エリザベス・マストラントニオ 法廷ドラマが主かと思っていたらそうではなく憎しみあう父親と娘が車の欠陥問題で弁護側と被告側になっての葛藤の物語であった。とは言え裁判の場面家族の絆の問題両方とも迫力もので感動的です。ジーン・ハックマンは正義感に燃えた闘いの男をやらせるとムチャクチャかっこいいですね。 ミス・ファイヤークラッカー(89年米) 監:トーマス・シュラム 出:ホリー・ハンター/メアリー・スティンバーゲン/ティム・ロビンス 美しい姉への対抗心からミス・ファイヤークラッカーというミス・コンになにがなんでも優勝したいと悪戦苦闘している年齢制限ギリギリの妹がけなげでとてもよろし。彼女を取り巻く姉、兄、友人など、それぞれの立場思惑などがユーモアも交えながらきっちりと描かれていて好感がもてます。ラストがほろ苦いと同時にすがすがしくてとっても好きだな。 ラジオタウンで恋をして(90年米) 監:ジョン・アミール 出:キアヌ・リーブス/バーバラ・ハーシー/ピーター・フォーク 50年代のデトロイトのラジオ局を舞台に15才も年上の伯母に恋をしてしまった青年キアヌ君の奮戦とそれを応援しているのか邪魔をしているのか分からない変人で超うれっこラジオ放送作家であるピーター・フォークがからんで大混乱の物語です。キアヌ・リーブスはキュートで今までの役の中で一番好感がもてた。間に挿入されるソープ・オペラがおかしくて笑えます。派手ではないが(出演者は派手ですが)ホンワカした感じで愛すべき佳作です。 |