NO.22

バットマンリターンズ(米92年)

監:ティム・バートン 出:マイケル・キートン/ダニー・デヴィート/ミシェル・ファイファー

ストーリーも画面もあまりにも暗い暗い暗すぎる〜。前作とは全く違ったものになったという噂を聞いていたので少しは期待したのですが残念でした。マイケル・キートンはバットマンのイメージとはかけ離れている気がするしSFXばかりじゃなくて手に汗握る生身のアクションがもっと欲しい。コミックが原作の荒唐無稽のSFアクションなのにここまで暗くする必要があるのだろうか。人間の暗黒の部分を鋭く描いているとも思えないし。けどキャット・ウーマンのミシェル・ファイファーはとっても良い。あのマスク、ムチさばき、う〜溜息が出そう。夜なべして自分の衣装を繕う彼女の姿は涙なしでは見られない。ふと思ったのだが画面が暗いのは劇場(新宿ミラノ座)のせいかも知れない。銀座で予告編を見たときは明るくてちゃんと見えてたもんな。バットマンカーの変身場面なんか何が起こっているのかほとんど判別できなかったよ。


くれない物語(日92年)

監:池田敏春 出:竹井みどり/佐野史郎/三上祐一

あまりの映像の美しさに息をするのも忘れてしまうほどだ。ビデオ用の作品だったけど出来がよかったため急遽公開が決まったというのも納得できます。これは大画面で見るのが正解です。怪しげな雰囲気とぴったりの京都弁の響きが気持ちいい。高校生の男と異様な恋人達が繰り広げる官能サスペンス、ぞくぞくします。


地獄の警備員(日92年)

監:黒沢清 出:久野真紀子/松重豊

訳のわからない恐怖、理不尽な暴力をテーマに世にも恐ろしいホラー映画がここに誕生した。以前殺人を犯し心神喪失ということで釈放された元相撲取りがビルの警備員になったことから惨劇の幕が切って落とされるのであった。低予算ゆえの悲しさはあるもののパワーがそれを補って怪作となった。


私の心はパパのもの(日88年)
監:大林宣彦 出:斉藤由紀/愛川欽也
彼女が結婚しない理由(日90年)
監:大林宣彦 出:永島敏行/鷲尾いさ子

TVで放映されたものを劇場公開したもので2本とも傑作です。特に「私の心はパパのもの」は斉藤由紀のコミカルな所と繊細な雰囲気の入り混じった感じが非常に良くて心に染みてきます。初めて斉藤由紀を見たのですが好きになってしまいました。彼女が主演し日本のコメディー物としては評判が良かった映画「香港パラダイス」も見てみたいな。「彼女が結婚しない理由」も見終わった後心の中を気持ち良い風が吹き抜けたような爽やかな気分になります。映画館で見たからこれだけ感動できたんであってTVで見たらたぶんちょっと変わった雰囲気のドラマだな〜という位の感想しか持てないような気がする。だから、やっぱり、映画館が、好き!


グラン・ブルー(仏88年)

監:リュック・ベッソン 出:ロザンナ・アークエット/ジャン=マルク・バール/ジャン・レノ

4年前に公開された時にはあまりにも客が入らないために2週間で打ち切りになったというのに今回は満員御礼、宣伝の力って凄いですね。とは言え噂の完全版が公開されたことは非常に嬉しい。何の得にもならないし名声が得られるわけでもなくただライバルよりも1mでも深く潜ることだけを目指している男達の物語なんだけど前回の短縮版はストーリーがぶっつんぶっつん途切れ、おまけにラストも変でイマイチのめり込めなかったんだけど50分が復活したことで海と海を愛する男とその恋人の三角関係が違和感なく納得でき感動もひとしお身にしみいる。またその男の友人でありライバルでもあるエンゾの渋さにも再び出会えて何回も泣けてしまうのでありました。何度でも見たい映画です。


氷の微笑(米92年)

監:ポール・バーホーベン 出:マイケル・ダグラス/シャロン・ストーン

再びマイケル・ダグラス演ずるニックさん登場です。“佐藤”こと松田優作を逮捕して本国へ帰った彼は相当苦労したみたいで思わず同情してしまいました。ストーリー、謎解きはそれほど複雑ではないけど思わせぶりな仕掛けと派手なセックスシーンで2時間一気に突っ走って行く様は快感物である。アメリカでは同性愛の描き方が差別的だということで抗議が凄かったらしいけど鈍感な私の頭ではどこがそうなのかわからなかった。もっとハードなフランス版が存在するということでそっちも見てみたいエッチな私です。


裸のランチ(英・カナダ91年)

監:デヴィット・クローネンバーグ 出:ピーター・ウェラー/ジュディ・デイビス

これはやはりW・バロウズの小説を読んでから見たほうが何倍も楽しめたかも知れない。妻を殺し創作の苦しさからドラッグに溺れ幻覚の中で「裸のランチ」を完成させるというストーリーは一応あるけれどもネトネト、グチョグチョのイメージが気持ち悪くて気持ちいい。タイプライターが人格を持っていて対話しながら小説を書いていくというのが面白い。


フック(米91年)

監:スティーブン・スピルバーグ 出:ロビン・ウィリアムズ/ダスティン・ホフマン/ジュリア・ロバーツ

映画評論家の人達は「フック」をムチャクチャにけなしてるけど(ほとんど罵詈讒謗)しかめっ面をほぐして見ればこ〜んなにファンタスティックで冒険がいっぱいあって明るくてワクワクして笑えて楽しめる2時間を体験できるなんて幸せって実感できるはず。スピルバーグが、ロビン・ウィリアムズが、ダスティン・ホフマンが、その他端役にいたるまで皆が楽しくて楽しくてしょうがないっていう感じがこっちにも伝わってくるようで何度も泣けてしまいました。ネバーランドの全景も飛行シーンも素晴らしいしワニも出てきたしで大満足です。ディズニーのアニメ「ピーターパン」を見てからの方が面白さは倍増します。この映画が好きな人とは良いお友達になれそうな気がします。


ザ・スタンド(米92年)

監:ジョン・マクティアナン 出:ショーン・コネリー/ロレイン・ブロッコ

面白いんだけどなんとなく釈然としないんだよね。アマゾンのジャングルを守ろうと叫んではいるのだがコネリー老科学者が新薬の素材に必要な物がそこにあるからということが理由のように見えてしまうんですよ。先住民が多数出てくる割には単なる背景としか扱われていないから余計にそう思ってしまうのかも知れない。けど女性科学者とコネリーのジャングルでのターザンごっこにはワクワク、アマゾンなんて贅沢は言いません。日本の山中でいいから是非ともやってみたいものです。


美しき諍い女(仏91年)

監:ジャック・リヴェット 出:ミシェル・ピコリ/エマニュエル・ベアール/ジェーン・バーキン

一旦は絵筆を捨てた老画家が魅力的なモデルを得て昔中断していた頭の中にある幻の名画を完成させるまでを描いたもので4時間という上映時間のうち半分以上は絵筆を握る画家の手のアップなんだけど、彼の鼻息と筆の運びはまるで白熱したスポーツを見ているような緊張感があるし(まるで自分で描いているような気にさえなってくる)、ペンでのデッサンから始まって木炭、着色へと続く過程でのモデルとの感情のぶつかりあい、画家の奥さん、モデルの恋人を巻き込んでの創作への意欲は画面から全く目が離せません。モデルを正面から撮ったとこだけでっかいボカシを入れてあとは無修正なんだけど尚更違和感を感じてしまう。この映画を見ればヘアが映っているだけで罪悪とすることがいかに映画をこわしてしまうかということが実感できるはずです。


透明人間((米91年)

監:ジョン・カーペンター 出:チェヴィ・チェイス/ダリル・ハンナ/サム・ニール

チェヴィ・チェイスが演じる透明人間!ということでおおいに笑わせてくれるかと思いきやCIAからしつこく追いかけられたり、真剣に悩んでしまったり、透明になってしまっとことを気づく時なんかもっとオーバーなアクションでウケをねらっても彼なら許される気がするけど、監督がカーペンターということで結構真面目なSF映画となりました。ダリル・ハンナが年取っちゃったなあって感じで残念です。それにしても透明人間のSFXはがんばっていて見ごたえあり。




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