NO.26

ウェインズワールド(米92年)

監:ペネロープ・スフィーリス出:ダナ・カーヴィー/マイク・マイヤーズ

ただでさえ涙線が弱いのに溢れる涙を押さえることができなかった。もちろん笑い過ぎてだけど。今年の2大オバカ映画は「ビルとテッドの地獄旅行」と「ウェインズワールド」に決まりだ。パーでも分かる脳天気ギャグとずれかたが絶妙な間合いにロックのリズムがかぶさればあなたも2時間白痴の仲間入り。思わず一緒にボヘミアンラプソディーにヘッドバンキングし、アリス・クーパーのお姿にひれ伏しそうになった自分を押さえるのに苦労した。ビデオがでたらおもいっきりやってやるもんね。ベース抱えてロックするティア・カレルのあまりのかっこよさにSchwing!となりながらこの映画を見るとよく分かる。「白痴は地球を救う!」


微笑みがえし(米91年)

監:ドナルド・ペトリー 出:ダナ・カーヴィ/トッド・グラフ/ジュリア・キャンベル/ロバート・ロジア

日本でも「ウェインズワールド」で人気者となるであろうダナ・カーヴィ主演の爆笑コメディー。お話しは結婚詐欺師がカモ相手に本気になってしまってさあどうする、という超ありふれたものなんだけど、青年実業家に変装したカーヴィがしっかり笑わせてくれるんですよ。もちろんハッピーエンドに決まっているんだけどラストなんか結構意外な展開になったりしてハラハラしてしまう。相手役の女性も美人なんだかそうじゃないのか不明な顔していてちょっと気になる。あまり客が入っておらず配給元にとっては日本での公開順を逆にしたかったんではないのかね。


ヨーロッパ(デンマーク・仏・スウェーデン91年)

監:ラース・フォントリアー 出:J=M・バール

スクリーンプロセスを多用した映像、白黒画面が基調で時々カラーになるなど偏執狂ともいえるほど凝りに凝ってるんだけど嫌味になってないのがいい。時々催眠術めいたナレーションだけはちょっとやりすぎかなって気はするけど。J=M・バールが様々な干渉から最後にはキレテしまう小心な男を演じてとっても良い。


赤いシュート(伊89年)

監:ナンニ・モレッティ出:ナンニ・モレッティ/シルヴィオ・オルランド

事故で記憶喪失になった水球選手がプールで溺れかけちゃったり自分を良く知っている周囲の人間に煩わせられながらも自分探しをするというドタバタコメディーっぽい設定ながら、大真面目な展開なんで意表を突かれた。主人公が独り言を絶え間なくしゃべり、段々ヒステリックになる様はちょっとうっとうしい。洪水のようにセリフの多い映画は苦手。


王手(日91年)

監:坂本順治 出:赤井英和/加藤雅也/若山富三郎

動きの少ない将棋の世界をこんなにもスリリングで魅力的に見せてしまうとは驚きだ。「どついたるねん」のボクサー役も凄かった赤井英和が無鉄砲で一途な将棋士を演じてかっこいい。ストリッパーと青春してしまうのには笑っちゃうけど。通天閣周辺のちょっと危ない雰囲気がさらに映画を盛り上げている。若山富三郎最後の出演作となってしまったんだけど痛々しいほど痩せていて見ているのがちょっとつらい。


死んでもいい(日92年)

監:石井隆 出:大竹しのぶ/永瀬正俊/室田日出男

ネ暗な青年が犯した人妻と恋愛関係になり最後にはだんなを殺してしまうというお話しなんだからもっとドロドロした心の奥まで入り込むか、ロマンポルノの名美シリーズみたいにハードなSEXシーンがいっぱいでグチョグチョになるかと思いきや映像に凝ったりやりすぎの長回しのわりには意外と淡泊な印象です。田舎町で展開される緊張感のある人間関係が描き出される前半は好きです。大竹・室田がとっても良い。


キスへのプレリュード(米92年)

監:ノーマン・ルネ 出:アレック・ボールドウィン/メグ・ライアン

この手のラブファンタジーものとしては意外な展開が全くないっていうのが物足りない。それならばいっそコメディー仕立にしたほうがのれたかも。アレックス・ボールドウィンのまるで熊のように凄い胸毛にはビックリ。


ハードボイルド(香港92年)

監:ジョン・ウー 出:チョウ・ユンファ/トニー・レオン/テレサ・モー

一応ちゃんとしたストーリーはあるんだけどぶっとびのアクションと壮絶なる銃激戦、凄まじい量の火薬の方が主役の香港大エンターテイメント映画。アメリカ映画のアクションと違って本当に人が死んでもおかしくない気がしてくる。銃の撃ち方死に方倒れ方などどうやったら一番かっこ良く見えるかをスタッフ一同あーじゃこーじゃ議論しながら創ったのが感じられて嬉しくなってしまう。


回転扉(仏・カナダ88年)

監:フランシス・マンキウィッツ 出:モニク・スパジアーニ/ガブリエル・アルカン/ミュウ=ミュウ

めいっぱい地味ながら心に残る良い作品。田舎の音楽好きの大家族から一人離れて町のシネマにサイレント映画のピアノを伴奏する仕事に就いた女の波乱に富む生涯をテンポ良く見せてくれます。特に画面に併せての演奏場面は必見の面白さ珍しさでびっくりの二重丸です。手紙による回想という設定がうまく生かされて親子三代に渡る心の葛藤をも描いていながら煩雑になっていないしラストもちょっとドキドキしちゃうくらい情感があって優しい気分になれます。


ニューマン(米91年)

監:トニー・クックソン 出:マーシャ・ストラスマン/ジョシュア・ミラー/イーダン・グロス

発明狂の兄弟が創ったロボットに死んだ父親の魂が乗り移っての騒動を描いたSFコメディーですが、ハチャメチャな事件が展開すると思いきや意外と地味。死ぬ原因となった悪党達に復讐するために蘇ってきたのかと思ったら洗車したり妻の足をマッサージとはちょっと情けないぞ。大事件よりも家族サービスの方が大切ということですかね。


ランブリング・ローズ(米91年)

監:マーサ・クーリッジ 出:ローラ・ダン/ロバート・デュパル/ルーカス・ハース

お手伝いに雇われたローズは若くてきれいで優しくて文句なしと言いたいけれどもたった一つ難点がある。それは子供の時の体験がもとで性欲を我慢できないということ。そんなローズをローラ・ダンが明るく演じてとっても魅力的です。雇い主の中年夫婦の戸惑いと少年の性への興味、町の男達のローズの奪い合いなどが暗くなり過ぎることなく適度な距離感とユーモアで描かれて爽やかでちょっと悲しい愛の物語です。


青春デンデケデケデケ(日92年)

監:大林宣彦 出:林泰文/大森嘉之/浅野忠信/永堀剛敏/柴山智加

1965年、香川県観音寺市でベンチャーズに神の啓示を見てしまった高校生のデンデケデケデケ漬けの3年間がイキイキとまるで当時のドキュメンタリーを見ているように展開する。主人公が現代の我々に話しかけてくるなんて意表を突く設定とかで単なるノスタルジーになっていないところが凄く良い。最後の大甘の大感傷場面はちょっとやりすぎって気がするけどね。友情、笑い、涙、恋、全てが詰まって画面自体が躍動している。うまい!面白い!の三重丸。みんないいけど特に高校生坊主が抱腹絶倒もののおかしさ。この時代にはちょっと乗り遅れた私だけどベンチャーズを久々に聞いたら感動してしまった。




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