平介は夜の海が好きです。 砂浜でじっと聞いていると波の音、風の音が いろいろなことを教えてくれるからです。
風がほとんどなく波も静かな夜のことです。 「おや、誰だろう。とてもきれいな笛の音だ」 空耳かと思えるほどの微かな音ですが、 少し先の岩陰から聞こえてくるようです。
でも音のする方へ足を出したとたんに ふっと消えてしまいました。